表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/83

41


「学園にお願いしたんです。聖女様を外出させたいと」


 聖女もそこまでの話は知っていたようだ。


「それがどうして勇者様への依頼に?」


「警護が二人では心もとないと手を回したそうで。まさか天空の竜の方々に引き受けてもらえるなんて、学園も気合を入れたみたいです」


「そんな大ごとにしなくても……」


 学園も聖女の現状に思うところがあるのかもしれない。


 出発の日、付き添いの人を俺が出迎えた。他の誰でもない勇者その人だった。


「あなたは……」


 勇者は驚いた。俺を覚えていたようだ。


「女神の鉄球って、あなたのことだよね? 一度お礼を言わないといけないと思っていて」


 お礼とは何のことだろう。


「オートマチックキャッスルで倒したドーターが、魂の迷宮に現れて冒険者を襲っていたと、帰ってきてから知った。女神の鉄球という新鋭の冒険者が解決したと聞いて、あなたしかいないと思った。

 ありがとう、私が対処しなければならなかったのに」


 それは、俺ではなく女神のおかげだ。


「どういうこと?」


 女神について簡単に説明した。


「あなたの中に女神が。そんな不思議な運命に生きているなんて、なんだかおとぎ話の人みたい」


 勇者こそ、そんなイメージの人だ。


「私なんてただの人間、って言えないか。ご先祖さまのおかげでありがたいけど、ちょっと大変でもある」


 生まれ持った力のせいで苦労もしたのだろう。


 同じく苦悩する聖女に引き合わせた。聖女の容姿にも気にする素振りを見せず、勇者は優しく微笑んだ。


「初めまして、聖女様」


 聖女は緊張している。


「初めまして、勇者様」


「会えて嬉しい。同じ年頃の女の子が頑張っていると噂に聞いていて、勝手に心強いと思っていたから」


「わ、私も」


「本当? ばかぢからの変な人だ怖い、って思ってない?」


「そんなこと思うわけない!」


「本当かなぁ。嘘だろうなぁ。どうせ私なんて、みんな怖がって離れていくんだ……くすん……」


「本当だから! 何でみんな私をからかうの!?」


「何でだろう、そうしたくなるんだよね」


 仲良くなれそうで何よりだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ