樹海東部で〜上流探索②〜
「この辺りは……リザードマンの集落か?」
「うん、川の近くに木製の住居。間違いなくリザードマンの集落だね。」
リザードマンは、川や湖、池などの近くに集落を作る種族である。
「隠れろ。どうやら当たりのようだ」
「クソっ!ちょこまかちょこまかと!」
見れば、黒い何かが群れを成して飛んでいる。すると群れは一つとなり、その姿を現した。
「グギィシャァァァァ!!」
「なんだ?見たことも聞いたこともないやつだな」
「あれって………蝿?」
龍眼で確認すると―
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エビルムスカ・コラプサー
<能力値>
物理攻撃:A
物理防御:B
特殊攻撃:SS
特殊防御:SS
機動力:SS
<取得スキル>
「腐蝕魔導の王」「毒魔導の王」「闇魔導の王」「三次元的機動」「千里眼」「分裂」「叡智」「堅忍不抜」「魔導の心得」「暴食の罪」
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「なにこれぇ」
「脳みそとろけてる!?」
いや強すぎね?SSって化け物というか魔王じゃねぇか?
「う、うわあ!?か、体がぁ!?」
ってヤベェ!あのままじゃ死ぬぞあいつら!
「お兄さん、助けられる!?」
「大丈夫、手はあるぞ。ゾーンエリクシール!」
この魔法は、いかなる怪我や病気、状態異常を治す魔法だ。こいつなら腐蝕魔法であろうと治すことができる。
「あ、あれ?体が元に……」
「やった!」
これでよし、後は―
「なぁ、あんたがここのリーダーか?」
「あ、ああそうだが……」
「他の仲間を連れて隠れていろ。こいつは俺たちがやる」
「ほ、本当か?なら頼む。俺では手がつけられなくて……」
そう言うと、彼は仲間を連れて隠れた。
「……よし。行けるか?ビオラ」
「問題なし。じゃあ、あの子を止めよう!」
―さて、戦闘開始だ。やることは一つ。
「「ただぶん殴る!!」」
まずはビオラが殴りかかる……が、相手も速く、躱されてしまう。だが、それは陽動。
「まずは翅!」「グギャァァァァァ!?」
腕だけ龍に変化して攻撃する。さて、どうするかな?
「分裂か」
だがそれは想定内だ。
「ビオラ!目の細かい網は作れるか?」
「もう作ってあるよ!僕もそう考えていたし!」
頭の切れるやつだ。ビオラは網を持ち、蝿は突撃を仕掛けてくる。ぎりぎりまで引きつけて―
「今だ、くらえ!」「ギィガァァァ!?」
網で捉えた。すかさず俺も仕掛ける!
「超ブレス・氷結!」「ギィシャァァァ!!」
直撃した!こいつで決まったと思ったが―
「おいおいおいまじかよ!?」
そこには、やつが健在していた。
「どうする……?状態異常も効かないし……興奮を抑える物とかあった?」
「……あるぞ。レイセイボクだ。あれで煙を焚けば行けると思うが」
「なるほど!試してみるよ!」
ビオラが準備をしていると、ファイアボールが飛んできた!
「ウォーターボール!悪いがお見通しだ!」
「クソッ、魔物の分際で!」
「魔物舐めんなクズ野郎。なにも聞かねぇ、死ね!」
背後に回って仕掛けようとするが、
「強制隷属!俺に従え!」
「だが断る!」
「何!?」
「言ったはずだ、魔物舐めんな、と。死ねクズ野郎!」
首を捻って殺す。これが1番手っ取り早い。
「お兄さん!効果ありだよ!」「グギィィ……」
暴走が止められたようだ。後は強制隷属。
「本当に助かりました。ありがとうございます!」
「おう、全員無事か?」
「はい、お陰様で。あとは我々で」
「まぁ待て。俺が強制隷属を解除する」
「本当ですか!?解除できるものなのですか!?」
派生魔法が使えるからな。さあ、やるか。
「枷よ外れろ!心を解き放て!隷属解除!」
………龍眼で見てみると………よかった。
強制隷属は、解除されていた。ビオラに頷くと、網が外された。龍に姿を変えて………
『どうだ?自由となった感想は』
『とても清々しい気持ちです。助けていただき、ありがとうございます』
よかった、隷属していたほうがいいとか言われなくて。
『よろしければ、配下の末席に加えていただけないでしょうか?必ずお役に立ってみせましょう』
『こちらこそよろしく頼む。直属の部下になってほしいのだが、いいか?』
『身に余る光栄、謹んでお受けいたします』
頼もしい味方ができた。そう思っていると―
「龍様、よろしいでしょうか」「ん?どうした?」
リザードマンのリーダーが話しかけてきた。
「我々も配下に入れていただけないでしょうか?龍様に仕えることが、我々リザードマンの喜びなのです」
「そ、そうなのか?まぁ、仲間が増えるのは歓迎だ」
ワイバーンやドラゴン、ドレイクの棲家の近くにリザードマンの集落が作られたりするのはそういうためか……
「どうせなら名前を考えるか……リーダーさん、副リーダーっている?いない?じゃ奥さんは?息子と娘一人ずついる?成程ね。」
(リザードマンか……うーんちょっとこじつけだが、あの二柱から……)
「じゃあリーダーさんはイグロス、奥さんはセリエサ、息子さんはウェスゲー、娘さんはソルイスって名前はどうかな?すぐに答えなくていい……へ?みんな喜んで……いるね、よし。じゃあこれから、その名前を名乗るように」
すると、声が聞こえてきた―
<―条件を満たしました。リザードマン・リーダーのイグロス、リザードマン・ヒーラーのセリエサ、リザードマン・ソルジャーのウェスゲー、リザードマン・メイジのソルイスがテイムモンスターとなりました。>
<スキル「慈愛の心」が発動しました。イグロスがデュークデーモン・リザードに、セリエサがダッチェスデーモン・リザードに、ウェスゲーがモナクデーモン・リザードに、ソルイスがモナクスデーモン・リザードに進化しました。>
<四人が進化したことにより、「悪魔の誘惑」「ソロモンの一柱」「水生生物の殺戮者」「水中機動力強化」「武具創造」を獲得しました。
また個別に、イグロスは「槍の王」「大地魔導の王」、セリエサは「治癒魔導の王」、ウェスゲーは「剣の王」「過去・未来視」、ソルイスは「魔導の王」を獲得しました。>
<条件を三つ満たしました。後68です>
「おお……進化してる……」「キレイ……」
イグロスとウェスゲーはがっしりとした体格となり、トカゲじゃなくてコモドオオトカゲかと思うほどのかっこいいリザードマンに。
セリエサとソルイスは、所々鱗が見える美しい女性に。
「そういや悪魔の誘惑って使ってたのか?(まさかそれで仲間になってたのか?!)」
「一回も使ったことないよ?(今度他の蜘蛛に使おっかなー)」
「そうか、ソロモンの一柱は?」
「使おうと思ったけど使えなかった……」
二人で話していると、
『あの……私の名前も考えていただけないでしょうか……』
あ、すまねぇ。じゃあ、暴食の魔王から……
「ボルザべヴァ、略称はボルザでどうだ?」
『ありがとうございます。これより私は、ボルザと名乗らせていただきます』
<―条件を満たしました。エビルムスカ・コラプサーのボルザべヴァがテイムモンスターとなりました。>
<スキル「慈愛の心」が発動しました。ボルザがグラトニー・デビルに進化しました。>
<進化したことにより、「魔王の覇気」「魔導の神」「魔王の勧誘」「大罪技能・暴食」「統率者の才能」を獲得しました。>
<条件を満たしました。称号『暴食の支配者』を獲得しました。>
<条件を一つ満たしました。後6です>
「かっけえなおい」「強そう」
棘棘しいながらも凶悪な頭骨のような鎧。
二本の角を生やし王冠を冠った魔物を描いた漆黒のローブ。
鋭い牙が無数に生えたような肉切り包丁を背中に携えて。
正に魔王という感じに進化した。
<進化が可能となりました。>
ん?あれ?もしかしてこれってさ………
俺、ようやく進化するの?
ついにソロモンの三柱、アガレス、ウァサゴ、サレオスが仲間に。
さらには、暴食の魔王、ベルゼブブすらも配下に加え、格段に強くなった独門たち。
次回……ついに独門が進化する!
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