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ぞくデビ  作者: Tetra1031
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第四十九話 エルフ魔法部隊

夜こっそり抜け脱して

ミカリンの天使化を試そうかと

思ったのだが、

眠くてしょうがなかった

受肉は不便だ。


前回は期間は短かったが

夜なべしまくりで

効率よく時間を使えていた気がする。


降臨のような期限がある訳では無いので

焦る事は無いか


その夜は熟睡した。


朝は普通に起きた。

前日の様にわがまま放題では

落ち着かないのだ。


アルコとミカリンの女子部屋に

乗り込み二人を起こす。

アルコは素直に起きたが

ミカリンは根性があった。


起きない


意地でも起きようとしない。

努力しない事に努力するタイプか

掛け布団をはぎ取ったら

消えた。

はぎ取った掛け布団にくっついていたのだ

ゴキブリかお前は


朝食を終えると

修練場に赴く

昨日の打合せでプルを筆頭に

魔法適正が有望な戦士を

集めて置いてもらう手筈なのだ。


「宜しくお願いします」


集まったメンツは

新生組のエルフが多かった。

やはり精霊のお陰で

魔法適正が高いようだ。


なんかプルだけお姉さんだ。


集まった者達の装備を見て

俺はまず、それを脱ぐ様に言った。


金属製の鎧だったのだ。


装備を解除している最中に

俺はその説明もしておいた。


「だよな」

「やっぱり鈍るよね」

「単純に鎧が重いせいかと思ってた」


エルフの中には体感的に

感じ取っていた者もいたようだ。


プルいわく一期の魔法授業では

この事は教わらなかったそうだ。

大丈夫か学園。

俺の脳裏にクロードのセリフが蘇る。


まず俺はプルから昨日の呪文

ウィンドエッヂの詠唱を

教えてもらい、書き出す。


メニュー画面を注視したが

習得にはなっていない

やはり適正の壁がある。

ミカリンも同様だ。


そのままお手本で撃ってもらうが

俺も含めて一堂ビックリだ。

昨日の頼りない威力と明らかに

異なる破壊力だった。


プル本人も驚いている。

鎧の影響だけでこんなに変わるのか。


書き終わった呪文を張り出し

皆に見せ

俺は一人一人交代でパーティーに

入れて各自のステータスをチェックした。


既に何名かのエルフに呪文が

使用可能になっている。


その者達を選出し

試し撃ちをさせ

コツを未開発の者に伝授させていく

俺も耳をそばだててコツを

こっそり盗もうと努力した。


なにせ感覚的な事なので

伝えにくいが

こうして一同に集めて

行う事はやはり効果的だったようだ。


繰り返していく内に

使用可能になっていく者

たちまちプルより強い威力を出す者が

出始めた。


そんな頃にプラプリが

様子を見にやってきて

腰を抜かしそうになった。


「もう・・・こんな事になってるの」


映画などでもお馴染みの

警察の射撃訓練場の様相を呈していた。

バンバンひっきりなしに音が響いていた。


弓用の的はあっという間に在庫が

尽きてしまい

今は俺の土壁を的にやってもらっている。


この土壁がいい感じにぶっ壊れる。

派手に飛び散るし、

土煙の舞い上がり方もグッドだ。


これは乗る

ピッチャーをその気にさせる為に

あえてキャッチャーミットの綿を

抜いて良い音を立てる。

それと同じ効果がある。


気持ちイイのだ。


偶然だが俺の土壁は

同様の効果を出した。


皆、スゴイ集中力を発揮し

次から次へとバンバン撃っている。


俺は視界一杯に広げた

ステータス画面をチェックするので大変だ。


今回、初めて気が付いたが

この人数、十数名程度で

俺のパーティは満員にならない。


最初は一人入れて一人出してと

やっていたのだが

面倒になり途中から

限界まで入れる方針に変えたのだ。


限界が来なかった。


「ポローン!ストップだ」


プラプリに挨拶しようと

思ったが先行すべき事態が

発生してしまった。


ポロンというエルフのMPが

底を尽きそうだ。


使い切るとどうなるのか

興味があるが

カワイイ生徒を実験台にする気は無い。

ミカリン曰く「変な疲れ方」が

体感出来るハズなのだが

夢中になってしまっていると

自覚出来ないかも知れない。


「全員!ストップ!!」


ポロンは呼吸が荒く

小刻みに震えている。


制止が間に合わなかった。

最後の一発でゲージは空だ。


全員を止めたのは

この間に同様の者を出さない為と

MP切れについて皆に自覚してもらう為だ。


ベンチに座って休ませる。

受け答えはハッキリしているが

少し頭がボーッっとしている様だ。


俺は休憩と言いMPの少ない者順に

並んで座ってもらった。


「ポロンは大丈夫かい」


プラプリは差し入れも持って来ていた。

タムラさんが飲み物を配り始める。

俺も貰った。


「ああ、MPっていうのがあってな」


プラプリも含めて生徒達にも

説明した。


失敗だった。

先に言っておくべきだった。


こうしている間にも

MPには回復が見られるが

残り少ない者程

回復が遅く思えた。


個人差もあるのかも知れないが

回復にも保有量が関係している様に

思える。


使い切ったポロンは

回復が始まっていない。


これはマズいんじゃないか・・・。


俺は自分の魔法欄を開いて

MP譲渡が無いか探した。


確か最初の方で見た記憶があるが

三半機関では使う事は

無さそうだったので失念していた。

相手が居ないので試した事も無いのだ。

当時はミカリンの魔法は

開放されていなかった。


あった。


詠唱を覚えていないので

メニュー開きっぱなしで

ポロンの前まで行き

久々にメニューをフリックをして

呪文を行使した。


「わああぁああ」


多分、生まれて初めて味わう

感触なのだろう。

ポロンは変な声を上げた。


「・・・どうだ」


結果はゲージを見て分かっているが

俺はあえてポロンにそう聞いた。


「はい・・・イケると思います」


目に見えて様子が変化するポロン。

元気になった。


良かったー上手くいったよ。


「流石だね」


感心するプラプリ


全部、行き当たりばったり

なのであんまり突っ込まないでくれ


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