第二十九話:そびえ立つ魔導塔と、訪れた違和感
ご覧いただきありがとうございます!第29話になります。
地下迷宮を抜けた二人がついに辿り着いたのは、天を突く魔導塔がそびえ立つ大都市『ルクレリア』!
華やかな街並みと珍しい魔導具で賑わう市街地ですが、強くなった二人の感覚は街に潜む「微かな歪み」を捉えていて……?
新たな舞台のワクワク感と、静かに忍び寄る異変の予感をぜひお楽しみください!
地下迷宮を抜け、光の扉から地上へと躍り出た二人の視界に、抜けるような青空と巨大な建造物が飛び込んできた。
山間を抜けた先に広がるのは、白磁の壁と青い尖塔群が美しく立ち並ぶ巨大大都市。
その中心には、天を穿つようにそびえ立つ一際大きな『魔導塔』が圧倒的な存在感を放っていた。
「わあ……! あれが、魔導都市ルクレリア……!」
葵が目を輝かせ、風に髪をなびかせながら声を弾ませる。
「ああ、すごい街だな。まるで街全体が大きな魔導具みたいだ」
航平も感嘆の息を漏らした。
セレスから預かった推薦状をポケットの上から確かめ、二人は賑やかな活気に満ちたルクレリアの大門をくぐる。
通りには珍しい魔導具を扱う露店が立ち並び、空飛ぶ絨毯や光る石を商う人々で溢れていた。ルヴァンとはまた違う、先進的で洗練された活気。
だが——通りを進むにつれ、航平はふと足を止めた。
「どうしたの、航平?」
「……葵、何か感じないか?」
航平が眉をひそめて街の奥を見上げる。
目に見える街並みはどこまでも華やかだ。しかし、パワーアップした【月銀の誓盾】を通して、街の地下深くからかすかな『冷気』と『歪み』が肌に伝わってくる。
「……うん。手記にあった『漆黒の霧』……目には見えないけれど、街の魔力の流れがどこか不自然に滞ってる」
葵も【星糸の杖】を握り直し、表情をきりりと引き締めた。
華やかな魔導都市の裏側で、静かに進行している歪み。
二人は互いに頷き合い、まずは推薦状の宛先である『魔導院』へと足を進めた。
第29話までお読みいただき、本当にありがとうございました!
ついに到着した『魔導都市ルクレリア』!
白磁の街並みやそびえ立つ魔導塔など、ファンタジー感あふれる新しい舞台はいかがでしたでしょうか?
一見すると華やかで平和な街ですが、迷宮でパワーアップした二人は地下に潜む「歪み」をすでに見抜いています。
セレスの推薦状を持って向かう『魔導院』で、一体どんな出会いが待っているのか……!




