第十二話:未知なる領域へ、二人で踏み出す一歩
ご覧いただきありがとうございます!第12話になります。
『番の武具』を手に入れた葵と航平に舞い込んだのは、ギルド長直々の指名依頼。
二人が向かうのは、危険な『夜霧』の発生源とされる未知の古代遺跡——
街周辺の依頼から一転、世界の謎へと踏み込んでいく二人の成長と絆を、ぜひ見届けてください!
新たな装備——【月銀の誓盾】と【星糸の杖】を手に入れた私たちは、ギルドの掲示板の前で佇んでいた。
これまで受けていた街の周辺での薬草採取や小規模な魔物退治とは異なり、今日の目的は明確だった。
「これ……『夜霧の発生源調査』の指名依頼だね」
葵が指さした張り紙には、ギルド長直々のサインが書かれていた。
西の森の奥深くに存在する古代遺跡——そこで近年、夜霧が急激に濃くなっているという。
これまでは危険すぎて誰も立ち入れなかったが、先日の毒気を跳ね返した私たちの『番の加護』と、完成したばかりの『月銀の武具』を見込んだ特別依頼だった。
「受けよう、葵。俺たちの力がどこまで届くのか、試してみたい」
「うん。航平となら、どんな場所でも怖くないよ」
二人が頷き合うと、受付のサラさんが少し心配そうに、けれど期待を込めた眼差しで地図と鍵を差し出してくれた。
「お二人なら大丈夫だと信じています。ですが、どうか無理だけはしないでくださいね」
街を出て、西の森へと進む。
以前、エレナの親方を救出した泉を通り過ぎ、さらに樹木が鬱蒼と生い茂る未踏の奥地へ。
進むにつれて足元の黒い霧は重く、深くなっていく。
葵の掲げる【星糸の杖】から放たれる柔らかな銀の光と、私の腕の【月銀の誓盾】から広がる金の波動が重なり合い、恐ろしい毒気を綺麗に押し返していた。
「見て、航平……加護の範囲が前よりずっと広がってる!」
「ああ、武具が俺たちの気を増幅してくれてるんだ。これなら……いける!」
鬱蒼とした森を抜けると、目の前に現れたのは、苔に覆われた古代の石造りの遺跡だった。
その巨大な門の奥からは、これまでに見たこともないほど濃厚な黒紫色の『夜霧』が渦巻いている。
不気味な気配に、一瞬身が引き締まる。
けれど、繋いだ手から伝わってくる確かな温もりが、恐怖を勇気へと変えてくれた。
「行こう、葵。この世界の夜霧を払うために」
「ええ、どこまでも一緒だよ、航平」
二人はしっかりと手を握り直し、未知なる試練が待つ暗がりへと踏み出した。
第12話までお読みいただき、本当にありがとうございました!
ギルド長からの指名を受け、ついに世界の謎の核心である『古代遺跡』へと足を踏み入れた葵と航平。
【月銀の武具】のおかげで加護の領域も広がり、二人の冒険者としての成長が実感できる回となりました!
不気味な黒紫色の夜霧の奥で、二人を待ち受けるものとは一体……!?




