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昔は仲が良かったヤンデレ美少女幼馴染になぜかいじめられてます  作者: アレクサンダー
フッたはずの幼馴染がなぜか一緒の高校にいて、俺のことをいじめてくる件
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結ばれる世界線

 無理なのかもしれない。

 昨日まであんなに浮かれていた自分をバカらしく思う。


 何が、結婚できるかな?だよ。

 付き合うとかデートとか、そんなもう想してた自分が恥ずかしい。

 

 捨てられたチョコを見た時にもう、一生仲よくするなんて無理なんだって分かった。話すことさえできないかもしれない。

 そりゃそうだよね。わたしのせいでビンタとかされたりしたのに、好きになってくれるわけないよね。


 悲しくなってきた。わたしにとって結婚するのも、付き合うのも、一生の内ではじめ君としか経験したくない。手をつなぐのも、デートもはじめ君としかしたくない。

 わたしにとってはじめ君は全てだ。

 

 もしも、はじめ君に彼女ができたりしたら、わたしはどうなるんだろう。考えるだけでイヤな気持ちになる。

 はじめ君にとっても、わたしが一生の内でただ1人の彼女であってほしい。結婚するのもわたしだけがいい。


 けど、無理なんだろうな。今の関係で、わたしとはじめ君が両想いになる未来が見えない。


「綾香大丈夫?昨日からご飯食べてないし、今日は体調悪くて学校休んでるけど、、、」


 お母さんが心配そうにわたしを見る。

 お母さんには言えない。あんなに手伝ってくれたチョコが捨てられたなんて絶対言えない。


「うん、大丈夫。ちょっと体調悪いだけだから。明日から学校も行くから、、、」

「そう、、、何かあったら言いなさい。お母さんなんでも話聞くから」


 お父さんが社長の仕事でいそがしいので、家にはお母さんしかいない。1人で家のことをしてくれてるお母さんには心配させたくない。


 お母さんだけには迷わくかけられない。

 そんな思いで、わたしは今ギリギリで生きている。


「綾香〜、舞ちゃん来てくれたわよ」


 お母さんの声が遠くから聞こえる。


 舞が休んでるわたしを心配して、来てくれたんだ。

 けど、舞にも合わせる顔がない。


 コンコン


「綾香、入るよー」


 舞がわたしの部屋を開ける

 舞の顔を見ると、泣いてしまった


「どうしたのそんなに泣いて。わたし心配したんだから」

「舞〜。ごめんね、本当にごめんね〜」


 泣きながら舞にだきつく。


「なにがあったのよ。昨日のチョコのことでなにかあったの?」


 今のわたしには舞しかいない。舞に昨日チョコが捨てられていたことを話した。


「さいってー。本当に一ノ瀬ってクズだよね」


 舞が怒っている。本気で怒っている時の顔だ


「けど綾香、本当にごめんね。一ノ瀬をわたしがビンタしたことも原因だろうし」

「ううん。舞のせいじゃないよ。昨日のとこ関係なくずっとはじめ君はわたしのこと嫌ってるし」

「もうさ、あんな男のこと忘れたら?」

「え?」

「だって、綾香にはもっといい男いるよ。社長の娘とか関係なく、こんなにかわいくて、性格いい女の子だったら誰でも選べるよ」


 意味ない。意味ないんだよそれじゃ。他の男の人なんてどうでもいい。わたしにははじめ君しかいない。


「無理だよ。わたしははじめ君しか選ぶつもりないし」

「うーん。あんな男のどこがいいんだか」


「けど、今のままじゃ綾香と一ノ瀬が付き合うとか無理だよね。世界中の男でたった1人じゃない?綾香のこと嫌ってる人」


 そんなこと言われたら悲しくなる。1番好きな人が、1番好きになってくれないなんて


「だよね。あきらめるしかないのかな、、、」


 わたしは、はじめ君としか結婚したくない。

 それが、わたしにとって人生最高の幸せだ。けど、はじめ君が幸せになってくれることも、わたしにとって最高の幸せでもある。

 はじめ君にとっての幸せが、わたしとの結婚じゃないとしたら、それを受け入れないといけないのかな?


「どうしたらいいんだろう、、、」

「今はさ、一ノ瀬と関わるのをやめた方がいいよ。一ノ瀬がクズだからとかじゃなくて、2人のために今は関わらない方がいいと思う」


 舞が真剣な顔でわたしに話す。


「そうだよね」

「それにさ、本当に運命で結ばれてるなら、いつか絶対に2人が交わる時は来るよ。」

「うん、、、あきらめるかどうかも色々考える」


 舞のおかげで、立ち直ることができた。

 それからのわたしは、はじめ君のことを考えると悲しくなるから、必死に考えないようにした。

 勉強もがんばったし、スポーツもがんばった。その結果、友だちもたくさんできた。いろんな子がわたしと仲よくしたいと言ってくれた。

 周りの子がわたしを頼ってくれたり、仲よくしてくれるのがうれしかった。

 


 5年生になっても、6年生になっても、はじめ君と私が話すことも関わることもなかった。

 

 好きな思いはずっと変わらなかった。けど、段々と諦める気持ちも芽生えてきた。どんなにがんばっても、彼は私のとこを見てくれることは無い。

 私が彼に関わらないことが、彼の幸せにつながるなら、私は陰から彼の幸せを願うだけにしよう。


 そんな気持ちに移り変わっていた。


 けど、もう一度だけ彼と話したい。最後に仲直りできるチャンスがあるのなら謝りたい。

 可能性が0.1%だとしても、最後にもう一度話したい。

 恋人になりたいなんて言わない。また、あの時のように仲良くしたい。友だちにもどりたい。本当にそれだけ。


 私は最後に、小学校の卒業式の日にはじめ君に謝ることを決意した。そして、もう一度友だちとして関係を始めることが出来たらいいな、、、


 


 


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