バレンタイン
「とうとう来たね。この日が」
「綾香ずっと準備してたもんね。手作りチョコできたの?」
「うん、完ぺき!お母さんにも手伝ってもらったから」
「わたしも食べたいなぁ〜」
「もちろん、舞の分もあるよ!友チョコだけどね」
「はじめ君がうらやましいよ。綾香みたいにかわいい子からこんなに好かれてて」
「えへへへへ」
「綾香、顔ニヤけすぎ」
この日のためにずっと準備してた。はじめ君がホワイトチョコ好きなこともお母さんに頼んで、はじめ君のお母さんに聞いてもらった。
チョコにどんな文字を書くか1番なやんだ。
「ごめんね」って書くのは重たいし、「仲良くして」って書くのもちがうと思った。
だから、シンプルに「大好きだよ」ってハート型のチョコに書くことにした。
わたしの思いはこれで伝わると思う。
このチョコきっかけに、また仲よくなれたりするかな?
もしかしたら、「俺も好きだよ」とか言ってくれたりするかなぁ?
付き合えたら、まずはデートでしょ?朝とかもいっしょに学校行きたいし、手とかもつなぎたいなぁ
一日中、もう想するだけで楽しい。
「こんなチョコもらって、好きにならない人いないよ」
「そうかなぁ?そうだといいなぁ」
「大丈夫!綾香みたいにかわいくて、性格のいい子なんてどこ探してもいないよ。絶対好きになるって」
そうだよね!わたしたちは結婚する運命なんだから!
「じゃあ、昼休みにわたしがはじめ君を呼び出すね」
「舞、お願いね」
「綾香は自分のクラスで待ってて」
舞によれば、みんなの前でチョコ渡せば、断られることはないし、みんなにもアピールできるチャンスらしい。
みんなの前でチョコ渡すのは恥ずかしいけど、わたしのクラスのみんなにも知ってもらうのもいいかもね。
わたしのクラスのみんなはいい人ばっかりだから、はじめ君と付き合っても、おうえんしてくれるよね。
「綾香、つれてきたよ」
舞がはじめ君をわたしのクラスにつれてきてくれた。
はじめ君は何のことか分かってない様子だ。
「は?何のつもりだよ。俺に用がある人がいるから来たんだが?」
「この子があなたに用がある子よ」
はじめ君がわたしの方を見る。
「はじめ君、あのね…………
「帰る。ふざけんな。俺はこいつに用はない」
はじめ君が帰ろうとする。
するとその時だった。
パシッ
舞がはじめ君にビンタしていた。
「は?いてーな。意味わかんね。なんで叩いたの?」
「あんたね、綾香がどんな、、どんな思いして、あんたをよんだのか分かってないの?」
舞が大泣きしながら、はじめ君の肩をゆさぶる。
「わかんないね。ビンタするためか?」
「あんたねぇ」
舞がまた怒りそうだったので、あわてて止める。
「はじめ君、本当にごめんなさい。今のことも全部わたしが悪いし、これまでのことも全部わたしが悪いです」
「綾香、あんたは悪くないよ。わたしがイライラしただけだから」
「やっぱりな」
はじめ君があきれた様子で話す。
「やっぱり、お前か。その通りだよ。全部お前が悪い」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
こんなことになるとは思ってなかった。数分前までの楽しい思いが全て消えた。
許して下さい。許して下さい。許して下さい。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。全部わたしが悪いです。全部わたしが悪いです。全部わたしが悪いです。」
頭を、地面につけて必死にあやまる。
「綾香、なにもそこまでしなくても」
舞が心配そうにわたしに言う。
クラス中がざわついてる
『綾香ちゃんにあそこまでさせるなんて、あの人こわい』
『あの人いつも暗くて気持ち悪かったんだよね』
「おい、顔あげろ。お前がそういう行動するせいでこっちが迷わくしてるんだよ。」
ごめんなさい。わたしの行動全てまちがってます。
「で、用はなに?どうでもいいからさっさと終わらせてくれない?」
手がふるえる。こんな状たいでチョコ渡しても絶対受け取ってもらえない。ダメだ、ダメだ、ダメだ
けど、けどやっぱりまた仲よくなりたい。こんな最悪な状況でも、はじめ君と仲よくしたい気持ちは本当だから
「あの、その、えっと」
「なに?さっさと言ってくれない?」
「チョコ作ったから受け取ってくれませんか?」
言えた!言えたよ!今にも泣きたい。けど、言えたよ!
「それだけ?」
「え?」
「それだけかって聞いてる」
「はい。…………そうです」
はじめ君を怒らせないようにしないと、、、
「じゃあ、受け取るから終わりでいい?」
「え?」
「受け取るからクラスもどるわ」
そう言い、はじめ君はチョコをわたしから受け取り、クラスにもどっていった。
受け取ってもらえた!わたしのチョコを受け取ってもらえたよ!
泣きそうになったけど、みんなの前だから泣くのをがまんした。
「綾香本当にごめんね」
放課後の教室で、舞がわたしにあやまった。
「え?なにが?」
「わたしがビンタとかしちゃったから、台無しになるところだった」
「いいよ。わたしのための行動だったし、舞がつれてきてくれなかったら渡せなかったもん」
「ありがとう。けど、一ノ瀬のことわたし苦手だな。話聞いてるといい人には思えないよ。綾香とつりあってないし」
「そんなことないよ。本当にやさしいの。昔も今もずっとやさしい。わたしが怒らせちゃったのが悪いし」
「綾香は本当にいい子だよね。こんな性格いい子見たことないよ」
「ありがとう」
「わたし、今日急いでるから先に帰るね〜」
「舞、明日ね〜」
舞のおかげで、はじめ君にチョコを渡せた。
受け取ってくれたってことは、一歩進んでるよね?
また、話しかけたりしてもいいかな?
「あれっ、あの後ろ姿はじめ君だ!」
ろう下を歩いているはじめ君が見えた
「今話しかけても大丈夫かなぁ?今日の昼のことあやまりたいし」
はじめ君がゴミ箱になにか捨てたのが見えた。
そんなことは、どうでもいいや。
まずは、はじめくんにあやまらなきゃ!
はじめ君を、追って小走りしていると、さっきのゴミ箱が目に入った。
そこに、捨てられていたのは、わたしがあげたチョコだった。
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