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空き城見つけたので大名を名乗ってみる ~イージーモードの大名インターン~  作者: 水饅頭
Ⅰ.空き城にはご注意を! 南羽後に湧いた新大名
41/91

#41 赤尾津、制圧完了しました。

「既に赤尾津の策は敗れた!無駄死にだけはするなよ、続け!」


 オォォォ!!と鬨の声。

 直前の予想は大的中。むしろ赤尾津軍は側面に兵力を集中していたがもともと沼館城包囲の時の俺達のように体を伏せていた関係でまともに隊列を組めていない。あの時の俺達は敵の味方に偽装することで事なきを得たが、今回の敵は敵とわかりきっているから俺と同じ手は使えない。


 とここまで考えてみて初めて気が付いた。これもしかして俺の使った手を赤尾津も使おうとして失敗したんじゃないのか?だとすると林の中は……


 振り返ってみると既に林はまさに地獄絵図。偽装の為の葉っぱに引火したのか何人か背中に火を背負いながら走っているのが一瞬見えた。


 やっと敵の弓が飛んでくるようになったが同時に敵の動揺も明らかに見てとれる。逃げ出す気満々な兵も見えるほどだ。


 初めの内は狙いやすそうな兵から撃って行ったが流石に二射目になると矢の数も増えてきた。しかも俺に一本、命中コースの矢が確認できた!

 さあどうする橋本航太。到達まで一秒弱、俺はレーザー銃を飛んでくる矢に向けて撃った。


 創作の世界じゃ神がかった主人公や超人の味方が襲い掛かる銃弾や戦車砲弾を切ったり軌道を逸らしたりするとか言うチートの中のチートを難なくやってのけるが、俺にはそんな異能は無い。チート?貰えなかったよこの野郎!


 しかし火事場の馬鹿力って奴だろうか?俺のこの四半期の運を使い果たすかのようにレーザーは矢に命中し羽が焼け軌道が逸れて……


「痛ってえぇ!?」


「航太!?」


 右太ももに命中。つくづく運が無い。


 いや?太ももになっただけマシと思わないとだな……でもやばい。右足に力が全然入んない。

 だがそんな事は言ってられない。この激痛の要因を作った敵軍許すな、特に弓兵。


 と半ば八つ当たりか逆ギレのように撃ちまくる。


「航太!大丈夫!?」

 悠香が自分の馬を寄せてくる。


「大丈夫だ……別にこの場所なら死にはしない」

 というより操馬上手くないか?悠香の手が俺に届くぐらいに近いぞ。


「うわ、綺麗にささってんじゃん!これ抜かないの!?」


「抜いたら出血がひどくなるだろ。それにそんな時間がどこにある!」


「でも最前線は!」

 と言いながら悠香が迫りくる歩兵に対して槍で牽制する。


「悠香の回復能力があれば問題ないだろ。それより来るぞ!」

 近づく敵兵をレーザーで再び撃つ。ここは悠香の治癒スキルを過信するしかない。


「殿!ここは私にお任せを!殿は手当をお受け下され!」

 菊池が後方から俺の前に出る。


「だが俺の火力無しでは……」


「殿無しでは仁賀保も橋本も立ちゆきませぬ!真にそうお思いでしたらすぐに手当てを受け、すぐにお戻り下され!その間私めが身代わりとなりまする!」

 敵兵を薙ぎ払いながら叫ぶ。


「悠香!すぐに済ませるぞ!」


「うん!」




 最前線を退き、矢を抜く。


「痛ってぇ!」


「抜けたよ航太!これに薬草を……どうするの?」

 薬草の使い方が分からない悠香だったが、薬草を付けようとして悠香の手が触れると……


「?あれ……全然痛くない?」


「えー!?あんな痛がってたのにー!?前の矢と同じオチじゃないよね?」

 前の矢って立襟が初めて意味を成したあれか。そういいながら悠香が手を放すと……


「痛!ってこれあれだ!悠香!手を貸せ!」


「ふぇ!?ちょっ!」

 悠香の手首を掴んで傷の近く、血の付いていない部分に触れさせると予想通りだ。


「治癒スキルやばいな……痛みが完全になくなるぞ……麻酔か何かなのか?」


「なっなにすんのよ!いきなり手掴んで!」

 悠香が顔を真っ赤にしながら怒る。


「悠香のスキルのせいなのか知らないけど悠香が触ってる間は全く痛くないんだよ。右足の感覚も戻って来たし……」

 右足指の感触も再び伝わって来るようになる。『治癒』は実際に効いているみたいだ。


「えっ!っそう……てっきり私……」

 なんか言ってる。が敢えて聞かなかった事にしておこう。なんかこいつの気には薄々気が付いちゃいるがまずは真人間になる事から始めてくれ。流石に五十年近く年上の類人猿は俺には厳しいものがある。


「というかこれいつになったら治るんだ?」


「っ!知らないわよそんなの!それよりいつまで手首掴んでるのよ!」

 そういやそうだったな。とすぐに手を放す。


 という具合に俺達はしばらく戦場から少し離れた所で足の様子を見ながら治癒スキルで治していた。

 ついでに悠香がこれでキレるとかこれ結構厄介かつルート分岐を間違えられないかもだな……と足とは別にうっすら身の危険を感じた。




 足の治癒が完了して戦場に戻った頃には既に戦いは大詰め、しかも本陣から飛び出した赤尾津光政を春永の部隊が討ち取ったそうだ。

 じゃあ戦いは終わりと思いきや赤尾津勝俊(あかおつかつとし)なる人物が残党をまとめ上げて予想以上の抵抗をしているらしい。


 って赤尾津勝俊は後々仁賀保の養子になる筈だった仁賀保挙誠(にかほきよしげ)じゃないか!大丈夫かこれ!?明らかに戦っちゃまずい人だよね!?歴史変わっちゃうよね!?今更か。


「出来る限り武将は捕らえろ!俺達は敵本陣へ切り込むぞ!」


 反対側でもほぼ優勢のようだ。勝俊が指揮を引き継いだといっても指揮を執れているのは本陣近くの軍勢だけのようだ。敵本陣は僅かに退き気味……か?隙を見て逃げる気だろう。だが城に入られると面倒なのは変わらないのでここで壊滅させたい。


 俺も先駆け小隊に少し遅れて本陣へレーザーを乱射しながら向かうと赤色の当世具足を身に着けた勝俊だろう人物が十数騎の騎馬と共に突撃してくる。


「赤尾津勝俊!雷神に焼かれたくなければ降伏しろ!」

 一応降伏勧告。まあ二代も当主を討ち取る要因になってるのでやるだけ無駄だろうけどな。


「お前が橋本の主で父と兄の仇か!お前だけは許さん!覚悟ォッ!?」


「話が長い!!赤尾津勝俊討ち取った!」

 長々と名乗りを上げている最中に攻撃、いろんなヒーローも悪役が名乗りを上げているうちに攻撃すればこの通り楽に倒せるだろうに……


 それでも突っ込む騎馬を排除、抵抗する残党を倒すだけになったので後は味方に任せる事にして橋本軍の集合をかける。これで、突発的な遭遇戦になった『百三段(ももさだ)の戦い』は橋本家の勝利。これで赤尾津家の滅亡は確定したと言う所だ。


 後は、残っている赤尾津の城を囲むだけだな……

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