女流騎士大納言3
「オイオイ、俺はカヤタニの所有物やないで」
ダケヤマは当然のツッコミをカヤタニに入れたが、彼女の耳には届かないようだ。ダイナゴンも簡単には引き下がらない。
「ダケヤマさんの言う通りです。仕事仲間が恋愛の邪魔立てするのは、どうかと思います。むしろ逆に後押しするべきではないでしょうか?」
カヤタニが応援しないのは想定内だったのだろう。付き合いの長さから考えても、圧倒的に不利なダイナゴンは大胆かつ必死だ。ついにカヤタニとの睨み合いになってしまった。
「ダケヤマは、私の大事な相方やで。今までず~っと苦労を分かち合ってきたんや。つまり、言うたら結成時から培ってきたスカンピンの絆は肉親、いや恋人以上! いくらダイナさんでも、お付き合いを許す訳にはいきませんなぁ」
「……だから、お仕事のパートナーとプライベートの恋愛は別物でしょう? なぜ貴女が彼女面して、口出しできるのでしょうか? ……そうだ! ダケヤマさんはどう思っていらっしゃるのかしら?」
何だか大勢の観衆の前で修羅場を呈し、逃げ腰になっていたダケヤマは、思わず機関車のポーズでビクッとした。
「そ、そうやな……。ダイナさんは美人で色っぽいし、え~、彼女にしたら……、何つーか、まぁ嬉しいかな~、なんて……」
「何やとおおお!?」
「うわあああ!?」
鬼のような形相となったカヤタニを見て、ダケヤマはアマガエルのようにジャンプしそうになった。
ダイナゴンもヒートアップしてきたのだろうか、だんだん子供じみた言動になってきた。
「まあ! 怖い人だこと! ダケヤマさん、私を選んでくれたら、毎日ナデナデして差し上げますわよ!」
「ダイナさんの胸の中で?! む、むほおおお~!」
「お前はアホか! 飼い犬みたいになるっちゅー事やで!」
「あの〜、毎日散歩に連れて行ってくれますか?」
「誰に言うてるねん!? ええ加減にせんかい!」
「ダケヤマさ~ん! 私を彼女にして下さい。いや彼氏になって下さい」
「アンタも厚かましすぎる! この泥棒猫が!」
「何ですって~!? カヤタニさんも彼女じゃないでしょうに! 自分ではっきりと否定したじゃないですか!」
「相方は渡されへんっちゅーに!!」
広場で恋愛バトルが、突然として始まった。野次馬が野次馬を呼び、大いに盛り上がりをみせる。いつしかオヤジどもが、どちらが勝利するか賭け事まで始めたのである。




