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 家に帰って、姉様が兄様に報告をすると言ったので、ちょうどいいタイミングでジークと2人きりになれた。夜会うよりはこのタイミングのほうがいいのではないかという話になり、私たちはジークの実験室へと向かった。


「…それでどんな御用ですか?場合によっちゃ聞けないっすけどね。」

 気だるげそうに話して、ジークは話を聞く体制に入った。こちらとしては断られるととても困るので、何としても協力してもらいたい。


「そうですね。あの、私が植物魔法を得意とするのは知っていますよね。温室の植物の中に毒花が育っているんです。使用人たちが間違えて入ってその花の毒に触れてしまった時のために、解毒剤を作ってもらいたいのです。」

「ここの使用人たちが勝手にお嬢さんの温室に入ってしまうとは考えにくいのでは?それに自分にメリットがないですよね。アーノルド坊ちゃんやレジーナお嬢さんの護衛をしているのに合間を見て解毒剤を作るなんて、自分に負担が大きいじゃないですか。」

 そうだよね、今のところ彼にはデメリットの面が多い。私も言いながら思ったけど、使用人が勝手に温室に入ることなんてないだろうし。でも、何か言い訳が必要だったから。


「…起きることはないとは限らないじゃないですか。ジークが承諾してくれるなら、これを渡します。」

 そして私は魔法瓶を取り出した。そしてその瞬間に、部屋の中が真っ暗になった。暗くて周りが見えないのに、私とジークの姿は見える。これはジークがやったのかと思ってけど、ジークも警戒している様子だ。


「何をこそこそとしているのかと思えば、そういうことか。」

 暗闇の奥からアーノルド兄様が現れた。姉様と話しているんじゃなかったのか。姉様とはすれちがってしまったのかな。それにしてもどうしてこんな魔法を使ったのだろう。

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