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「アンタらのお兄さん、人使い荒いのどうにかなりませんかね。」

 街についたときに、ジークが馬車に乗り込んできた。言葉から察するにアーノルド兄様に頼まれたのかな。いくら身体能力が高い鬼人だからと言って、馬車を追いかけるのは大変だっただろうに。


「それにアンタらも、変装してないし、護衛もつけないで…。貴族の自覚ありますか?」

 そうだった。姉様が勢いで馬車に乗り込んだから何も準備をしていなかった。変身魔法も、しかも護衛をしてくれる大人もいない。よく考えると、とても危険なことをしていた。


「私がいればそこら辺の大人には負けないと思いますわ!」

 それはそうなんだけど、姉様もまだ子供なんだよね。大人数で戦うとなると勝てるのか不安だし。それに大きな事件となると家にも迷惑がかかるから、やっぱり護衛は必要だな。


 ジークがついてきてくれるのなら安心かな。王宮にいたし、トラブル回避力高そう。


「じゃあ、小さいお嬢さんを人質に取られたらどうするんですか。」

 ジークの言葉に姉様は言葉を詰まらせた。多分私の命を優先するためならどんなことでもしてしまうだろう。


「何も言えないなら自分が今回ついていくんで、離れないようにしてくださいね。」

 悔しそうにうなずく姉様に少し笑ってしまった。未来の悪役令嬢は今はまだまだ子供だなっと思ってしまった。ジークが用意したローブを着せられて、馬車の外へ降りる。今から親戚の子供としてジークと街を歩くのだ。


「2人とも手をつないで離れないように。」

「当然ですわ!ケイティと手を繋ぐ権利はジークには与えませんわ!!」

 ジークが頭を抱えている。よっぽどこの先のことに不安があるのだろう。わかるよ、私もとても不安だもの。私とジークの2人ならうまくいきそうだけど、姉様という嵐がいるものね。


「姉様はどのようにして付き人候補を探すつもりですか?」

「そうね。出会った人に魔力測定をお願いする予定よ。ケイティはどうするの?」

「私は…1人会いたい方がいるので。」

 エレノアがいい!というかゲームではエレノアだったんだから、エレノアしか駄目だよね。


「会いたい方、ですか。」

 レジーナ姉様の目のハイライトが消えていることに気が付いた。何を考えているのだろう。


「その方は私より、素晴らしい方ですの?」

「…歌がとても上手でした!」

「私より、好き?」

「私は姉様と兄様が一番好きです。」

 にこりと笑えば、姉様も安心したように笑った。なんとなくだけど、姉様のシスコン度が上がっているような気がする。


「ケイティがそこまで言うほどのお方、私も会ってみたいですわ!」

 ふふふと笑いあっている私たちの後ろで、ジークが顔を引きつらせていたことは見なかったことにしよう。

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