八月十日……その十……
夏休み……八月十日……。
オールブレイカーこと『不死鳥 壊人』は家族とクラスメイト二人と共に花火大会兼夏祭りにやってきた。
「いやあ、花火きれいだったねー。ねえ? 壊人ー」
赤髪ポニーテールと赤い瞳と小柄な体型が特徴的な女子『田中 泉』はニコニコ笑いながら、彼にそう言った。
「あ、ああ、そうだな。いい思い出になったな」
彼がそう言うと、彼女は彼の手をギュッと握った。
「な、なんだよ……いきなり」
「え? 何が?」
「いや、その……どうしていきなり手を握ってきたのかなって……」
「あー、それね。うーん、まあ、なんとなく……かな?」
「なるほど。なんとなく……か」
「うん、だから気にしない、気にしない」
「そうだな。なら、そうさせてもらうよ」
「うん」
二人の会話が終わった直後、彼の義理の弟である『不死鳥 心悟』が何かを見つけて指差した。
「ねえねえ、お兄ちゃん。あれ、何かな?」
「んー? どれだ?」
「あの山のてっぺん、なんか光ってない?」
「んー? あー、そうだな。確かに少し光ってるな。なんだろう」
「なんだか面白そうだね。僕、ちょっと見てくるー!」
「おい、こら待て、好奇心の塊」
彼は心悟の腕を掴んだ直後に、そう言った。
「お兄ちゃん、あとで何でもするから離してよ。ね? ね? いいでしょう?」
心悟は目をクリクリとさせながら、彼に顔を近づけた。
「ダメだ、独断専行は許さん」
「えー、別にいいじゃん。お兄ちゃんのケチー」
「なんとでも言え。さぁ、もう帰るぞ」
「えー、そんなー」
心悟がそう言うと、壊人の母親である『不死鳥 響』が余計なことを言った。
「それなら、『肝試し』でもすればいいじゃないの?」
「は? おいおい、ちょっと待ってくれよ。子どもはもう寝る時間だろ。それに万が一のことがあったら……」
「万が一って何? あんた、もしかして怖いの?」
「なっ……! そ、そんなわけないだろう! あんな非科学的なものが存在するなんてありえないだろ!」
その時、その場にいる全員がこう思った。
お前がそれを言うか……と。
「と、とにかく! 今日はもう帰るぞ……って、心悟と総太はどこに行ったんだ?」
「あー、それならもう、あの山のてっぺんを目指し始めたわよ。もちろん、ダッシュで」
「はぁ……。あんたは一応、あいつらの保護者なんだから、しっかり見てないとダメだろ?」
「テヘペロ♪」
「あー、うん、そういうのもうしないでくれ。頼むから」
「ショボン……」
「はぁ……悪かったよ。今から二人を連れ戻しに行ってくるから、さっきの俺の発言はなかったことにしてくれ」
「あら、そう。じゃあ、頑張ってねー」
「切り替え早いな……。じゃあ、ちょっと行ってくるから、近くの公園で待っててくれ」
「りょうかーい」
壊人が二人のところへ向かって走り始めた直後、田中さんと梅雨原さんと響さんは円陣を組んで、作戦会議を始めた……。




