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39.仲良し

 「……さて、田邊、忘れてるかもしれないけれど、テストしていくか?僕の質問に答えよ!」


 僕が、問題を出そうとすると、微妙に田邊の顔が強ばった。


 ……こいつ、整備士三級シャシ、落ちそうだよなー。と思いながらも、それじゃ、簡単なところから、と、下に広げられた問題集を僕は見つめた。


 「そんじゃ、ディスク式ブレーキからな。パッドとディスクの隙間を自動的に調整している部品」


 「ピストンシール」 

 

 田邊が、ぼそっと答える。


 「ん、じゃ、ベーパ・ロック発生の原因は?」


 「洗車などで液圧系に水が入ると沸点が低下して発生しやすくなる」


 「ん、じゃ、油圧式ブレーキのLSPVで重要となるアンチロック装置とは?」


 「ブレーキの液圧系統に設けられていて、一定の制動状態に達すると、それ以上ブレーキを強く踏んでもブレーキ液の液圧上昇率を抑えてブレーキの利きを制限するもの」


 「制動状態?因みに制動状態を感知する方法と防止する仕組みを細かく言ってみなよ」


  「……えっと……まだ覚えてない……」


 「はい駄目―!無理でーす!ポンコツ田邊は、やっぱり無理だ―受からない~」


 田邊は、勢いよく、僕の目の前の問題集を奪い取った。相当、僕の言い方にむかついたのか、教科書と問題集を食い入るように見つめている。


 僕は、田邊の様子を見て、小百合さんのことで少しおかしかった田邊の様子を気にしていたけれど、この様子だと僕の杞憂だったみたいだと、胸をなでおろした。


 **

 

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