前へ目次 次へ PR 31/116 31.痛み 「……シノベさん?小さい子、あなたが、何を思ってそんな風に言うか……解らないけれど、私は……痛っ」 白い自動車は、顔を歪めて痛がっていて……、私は、その様子をただただ見つめて。 彼女が篠部さんだと、私には妙な確信があって。 私は、知らず、涙が頬を伝うのを感じる。 「……嘘、嘘、ですよね……私、」 あの日のことを誰にも言えなかった……あまりにも、哀しすぎたから、心の奥に隠したささくれのひとつ。 「……あなたに、……篠部さんに、ずっと言いたかったことが、あります」