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ある武官の生涯  作者: 大島久嗣
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人物

カクヨム掲載中

華族 中院庶流 源朝臣 中堂通博 嘉永6年生

初叙 従五位下

任 左近衛府将監


戊辰ノ際、左近衛府将監トシテ近衛舎人ヲ督シ、

鳥羽伏見役ニ従軍戦闘ノ際、顳顬ニ切創ヲ被ル

戦功ニヨリテ

叙 正五位下

任 左近衛府権少将


御親兵ノ後、明治軍制発足ニ際シ

任 陸軍中尉

補 近衛歩兵第一連隊第一大隊第二中隊第一小隊長


華族令発布ニ伴ヒ男爵ヲ叙爵


於日清戦役、某宮殿下息某王殿下、女房奉書ヲ奉持シテ出征。戦地ニ於イテ王危難ノ際、護兵トシテ奮戦克ク救護シ、宮ヨリ感状ヲ賜フ。此ノ戦ニ於イテ右胸部ニ被弾シ、大腿部ニ切創ヲ被ル

日清戦役ノ功及格別ノ思召ニ依リ

叙 従四位

陞爵 子爵

任 陸軍大尉

補 侍従職出仕 勅任

賜 勲五等双光旭日章

賜 功四級金鵄勲章 (於日清戦役 依功中隊指揮)


任 陸軍少佐

補 侍従武官

宮中舞樂催行ノ際、納曽利ヲ舞ヒ叡覧ニ供ス


叙 正四位

任 陸軍中佐

補 侍従武官長付


任 陸軍大佐

補 侍従武官長心得

賜 勲四等旭日小綬章

賜 功三級金鵄勲章(於日露戦役 依功連隊臨時指揮)

奉勅差遣。尋テ前線司令所敵弾ノ直撃ヲ受ケ、連隊長以下本部員一時にニ喪失ス。中堂中佐、軍律ニ依リ最先任トシテ自是指揮ノ任ニ就キ、危急ヲ救ヒ克ク戦功ヲ建ツ。此ノ戦ニ於イテ砲弾片ニ依リ各所ニ切創、及左上腕ニ銃創ヲ被ルモ、指揮ヲ緩メズ

奉伝御沙汰、乗艦連合艦隊旗艦、特以海軍将官礼遇待之。

(奉伝御沙汰、連合艦隊旗艦ニ乗艦シ、特ニ海軍将官ノ礼ヲ以テ遇セラル。)


退官。拝謁畢、奉辞陛前、退下。


叙 従三位

任 陸軍少将(同日予備役編入 仍特許現役将官礼遇)

賜 勲三等旭日中綬章


退官後ハ京都ノ邸ニ居シ、専ラ雅楽及有職故実ノ研究ニ従フ。殊ニ龍笛ヲ善クシ、朝夕之ヲ奏ス。宮中雅楽ニ関シ意見ヲ求メラルルコト屡々ナリ。

昭和御代。宮内省式部官某来訪。旧来ノ節会儀注ニ付質疑アリ。通博、家蔵記録及記憶ニ依リ答申ス。


死去追贈 叙 正三位 賜 勲二等旭日重光章

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