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思いつくままに……エッセイ集  作者: 冬忍 金銀花


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ep.687 常識に囚われることなかれ

 市役所から歯科検診の案内と、帯状疱疹の予防接種の案内が届いた。帯状疱疹は二年前の夏に罹患して泣く思いをした。転移しない……という説明であっても? ドンドンと広がりを見せていた。今日の案内で予防接種があるのだと初めて知った。あれは再発するらしい、主にストレスなどの要因が引き金になるとか。財布からの引き金……か?? それともコレラは? コロナの所為かもしれないな。


2026年4月8日


●常識の範囲内で……その常識とは?


 先般、熊本市のブロンズ像に付いて書いたが、鹿児島県には鶴のブロンズ像が綺麗に新調されていた。先代の鶴は錆びでくすんだ色をしていたのは良く覚えていて、それも永年に亘ってである。


 綺麗な青銅色になって新調されていたが、もしかして……先代は盗まれたのか? お釈迦様の涅槃像は数億円もするのに? 泥棒が来る様子もないらしい。


 今回は鶴の話ではあるんだが、橋の欄干に飾られた鶴のレリーフに違和感を感じている。どうも十二枚は在るかと思うが、どれもこれも頭が赤く塗られている。この鶴のレリーフを制作したのは東京の会社だったりするのだろう。


 ……だって丹頂鶴の頭は赤い、丹という漢字は「赤い」という意味だ。ここ出水の鶴は……スイカズラのように……地味な色合いをしている。近所の畑にとっては俺と同じ……害鳥の扱いなんだから。


「鶴のデザインで看板を十二枚作ってください」

「ありがとうございます、出水さん」


 社内会議では、


「お前、鶴のデザインでレリーフを六種類作れ」

「え~……俺ですか?」

「適任ですな、彼は北海道の生まれですよ」

「いや~東京育ちですよ、それも……will Alwaysの」

「頭は白いが中身は黒いだろう?」

「鶴課長、逆を言える立場ですか?」

「ボーナスを弾むぞ!」

「はい、喜んで~!」

「鶴課長……白々しい頭は中身と同じだな」

「はい!」



 そうやって作られたとか、想像の域なんだがね。しかし、頭が赤い鶴の棲息地は北海道なんだよね、ここは九州の出水市なんだぞ、頭は赤くないんだぞ。俺は白い!!


 日本で鶴と言えば丹頂鶴なんだろう、それほどまでに有名になってしまえば?


 これが常識とばかりに、鶴と言えば全部が丹頂鶴か。地元でも間違いに気がつかないのかな、声も上がらない、いや、うっかりとメールを送ったりすれば作り直しにされるかもしれません。


 役所もクレームなんかにビビる必要は無いんだがね、無駄に仕事を増やしてどうするの。スイカズラみたく、クレームなんて送り付けずに、世に知れず文章だけにしておけばいいんだよ。



●人手不足による倒産


 こんな記事に寄せられるコメントに、「金を積めば人は集まる」「金を積んでも集まらない時が、人手不足による倒産だ」


 実に的外れな思考回路に呆れてしまう。


「一級建築士を募集します。給与は百万……」


 現在の仕事を棒に振って転職しても、時期に潰れてしまうだろうか。だから……「金を積めば」という論理は往々にして博打である。このような求職に応募したらアカン。


 しかし、現在の給与水準はナンボなんだろうか。


 トラックドライバーの不足に、「社長が運転すればいい」というコメントもあったな。月に三度くらいは出来るだろうが、交代なんて出来ないぞ。況してや運転免許を持っている、という仮定もあやふやだ。特に……長距離の大型トレーラーに社長は乗せられない。


 俺のサラリーマンの時に。下請けの運送会社は稀に社長が運転していたな。その程度の仕事ならば俺にだって出来るぞ。道に鋼材を一トンも落としたが……こんな仕事を押しつける鋼材? 功罪は上司が悪い。


 トラックドライバーの仕事とは、荷物を積み込んで貰って目的地に着いて降ろして貰えばいい……そんな単純な仕事ではないから。実務を知らない人は……実に口が軽いか。荷物を積み込むにも経験と技術が必要であるからね。

 鋼材を積んで追突事故を起こせば、運転手は鋼材により串刺しにされてしまう。こんな常識を知らない人が本当に事故を起こしたのだから堪らない。積み込みの方法が悪かった、鋼材は機械油塗れで良く滑る、もし事故を起こせばどうなるのかという想像力が欠如している。


 しかしなんだ……鋼材を落としたのも、油で滑る、坂道発進だった、取引先の兄ちゃんが受け取りを拒否した、トラックの荷台からはみ出す長さを運ばされた、四トンのレンタカーだったから専用の荷留め金具が使えなかった……こんな条件が重なっての事故だ。素人に運転させるべきではなかった、と言う使用者責任がある。上は命令だけをする人種だ、多くを望んでも叶えられないんだから、自分が賢くならなければ生きてゆけない。


 実務とは見ても解らないからね、軽口は叩くな!!



 世も末か、殺人事件がエンタメ化しているように思う。


 地味な奴は絵にならない、いや、絵にして貰えないのかもしれない。赤白黒の単調な色彩は雪原に映えるのだろうか。俺にも黒が生えてきたらいいのにな!!


 現代ではロマンスグレイがモテるらしいが、加齢臭のする老人は毛嫌いにされる。そんな加齢臭を消す裏技が存在する。昨年の夏に歯科医院へと行った、奥歯の歯茎が腫れて膿を抜いて貰うも直ぐに再発する。三度目の正直とばかりに「切開」して完全に抜いて貰えば、腫れが引かない……全然引かない……痛みも引かない。だから化膿止めを連続して十日は飲み続ければ……夏だというのに? 全身から加齢臭が消えてしまった。そうなんですよ、俺はバイ菌の巣窟だったのです。


 くそ~……要らぬ葉書で過去を思い出してしまった。

 三年前の夏で、体温が三十六度しかない俺……自動ドアは俺を幽霊扱いにしてさ、ドアを開けてくれないんだから。低体温症の人に対して自動ドアが開かないのは本当だった。これも歯科医院の出来事だな。夏に二十分も歩いて体温が上がっていなかったのは何故だ?

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