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かわいそうな旦那様‥  作者: みるみる
18/33

18、旦那様との離縁


テオは公爵邸からお城へ出勤したものの、彼にいつものような覇気は見られず、職場でも終始ボーッとしていました。


お城でも、リリアが行方不明だという噂が流れ始めていた為、隊員達は皆んなテオに同情的でした。


国の警備隊が調査する中、リリア誘拐の目撃者が数人見つかりました。


その目撃者達は皆、モルガン伯爵がリリアをお城の外へ連れ出すのをはっきりと見た、というのです。


それを受けて、早速モルガン伯爵を取り調べる事となりました。



「モルガン伯爵、夜会の日に君が公爵夫人を外へ連れ出した所を見た者が何人もいるんだが‥。」


「‥公爵夫人が、僕を誘ってきたのですよ。‥嫌がる僕に無理矢理関係を迫ってきたので、僕は夫人を振り払って逃げました。‥それっきり夫人とは会っていません。」


「‥本当なのか?」


取り調べ官は、モルガン伯爵を信じられないと言った目で見つめました。


モルガン伯爵のその容姿は‥‥お世辞にも美男子とは言えないものでしたから‥。


それでも、モルガン伯爵は堂々とした様子でした。自分が良い男だと本気で思い込んでいるようでした。


このモルガン伯爵の態度は、はたから見れば理解しがたいものでしたが、モルガン伯爵が自分にそんなにも自信を持っているのは、ある理由がありました。


実はモルガン伯爵は、ベラの愛人の中でもかなり上の位置にいたのです。


何故ならモルガン伯爵は、リリアを誘拐した事からも分かるように、これまでにもベラの命令を受けて様々な悪事を働いていたのです。そして、そういった悪事をベラの為に行っては、ご褒美としてベラを抱かせて貰っていたのです。


普段から夜会に行っても、女の人に全く相手にされなかったモルガン伯爵ですが、彼にとってはベラだけが自分を受け入れてくれる唯一の女性だった訳です。


モルガン伯爵は、ベラの為に悪事を重ねていれば、いつかきっとベラが自分だけのものになってくれると信じていました。ベラの為に行う悪事は、彼にとってはもはや正義となっていたのでした。


それに、ベラは常にモルガン伯爵を褒めて洗脳していましたので、モルガン伯爵は自分を正義感の強い色男だと本気で思い込んでいたのでした。


「‥ではあくまで君は無関係だと言い張るのですね?」


「はい。」


「‥分かりました。もう帰って頂いて結構です。」



取り調べ官は、モルガン伯爵を一旦解放する事にしました。‥あとをつけて黒幕を調べる為でした。


馬鹿なモルガン伯爵は、私服の警備隊につけられてるとも知らずに、ベラの屋敷へと向かいました。そして‥ベラにご褒美を貰い、翌朝大満足で帰宅したのでした。


警備隊はその後ベラとその周辺も捜査が必要と判断し、人員を増やして捜査を進める事にしました。


この捜査は王様直々の指令を警備隊が受けて、犯人達を警戒させない為に、あくまでも内密に進められました。


その為、お城でも王都でも行方不明のリリアの捜査は行われていないかのように見えました。




そんな中、テオのもとに突然両親が訪ねて来ました。


テオのご両親は、行方不明のリリアの事を全く心配していないテオの様子にがっかりしながらも、テオ達の婚姻関係の解消について話し始めました。



「‥公爵夫人がいつまでも不在では困るから、リリアさんとの婚姻関係を解消してはどうだろう?リリアさんのご両親も、お前に申し訳ないから離縁してくれ、と言ってきた。」


テオの父がそう言った途端、テオは嬉しそうに言いました。


「僕も残念だが、それが最善だと思う。‥‥ところで離縁してからすぐに再婚しても良いのかな?」


「‥‥通常なら一年間は再婚できないところだが‥‥今回の場合は行方不明で死別扱いになるから、すぐにでも再婚ができるだろう。」



「じゃあ、すぐに再婚してもいいんだね?」



「‥‥ああ。そうなるな。」



テオは嬉しそうにそう言って、両親に早めの帰宅を促すと、すぐさまベラの屋敷へと向かったのでした。


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