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終わる歯車仕掛けの世界  作者: シナミカナ
少数派の日常?
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揃うカード

「お嬢がやっと俺たちに手を貸す気になったようだ。」


狭い会議室で椅子を逆にして背もたれの方から足をだらんと出す。

向かいのディーラーは「そうか」としか反応しなかった。


「なぁ、いい加減教えてくれよ。いつになったら俺たちの勝利のカードは揃うんだ?」


「俺が計算できるのは確率だけだ。行動した結果がコンマパーセント上昇する程度の小さな勝利の確率さ。」


「勝利の確率ですかい。」


ずっと疑問でずっと不安だった。俺たちは死ぬしか道はない。

そう世界が、人類が、決定した事をただの少数で一体何ができるんだ?


「大体さ、俺たちの勝利条件って何か分かっているよな?分からないで計算して「答えは42です」じゃ洒落にもならねぇぞ。」


「天国教による全人類の天国行きを阻止する。そして天国教の奴らを皆殺しにする。簡単な話で無理な事だな。」

「人はいずれ死ぬし数は天国教の方がめっぽう多い。小学生でもどこぞの教授でも不可能だと言うだろうな。」


「なら、今の確率はどんくらいなんだ?」


うーん、と頭をかいて率直にディーラーは


「42%だ。」


「やっぱり42絡んでんじゃねーか!まぁ、思ったよりはかなり高い勝算だな。」


「なぜか最近になって急に勝率が上がってな。俺の計算も天気予報のアプリくらい直前になるまで信用できないかもしれない。」


二人してため息をつく。

イレギュラーなことを含めての全ての確率の計算をしてその勝率を少しでも上がる方法計算するのがディーラーの役目であり能力だ。

それで今まで殺し合いがある確率が出てきた場合には勝率を100%近くまで上げるように前準備をしていた。

過去に館を襲撃されそうになった時、勝率を100%までキッチリ計算した罠を仕掛けた結果、こちらの損害は0だった事は何度もある。

確定された確率から次の一手次第で相手を追い込める確率を上げさせる。

コイツは外を歩いても計算通りたまに立ち止まれば絶対に天国教と鉢合わせしない。

負勝率0%勝率100%に近い場合は計算しながら突っ込んでいって勝ちを掴む。


データなんて必要ない。ただディーラーが勝つ行動をすれば勝つ。

そんな化け物だと自覚していないディーラーは初期メンバーで少数精鋭の指揮官。


「まぁ、もう勝ちのカードは揃っているぞ。」


「は?バグっているとはいえまだ42%なんだろ?勝ちにいくのは無謀じゃねぇか?」


「勝ちに行くって考えがまだ俺の能力を分かっていない証拠だよ。後は決戦の時に勝てる行動をするんだよ。」


「決戦?行動ってどうすりゃいいんだ?」


ディーラーはニヤけた冷たい顔になる。


「お前がこの世からいなくなる。その確率が42%で、そうすれば俺たちの勝ちは100%になる。」


「俺は死ななければならないのか。」


机に伏せる。かなり残酷なことだなこりゃ。


「いや、お前が死ぬ確率が42%の時点でおかしいんだよ。お前は不死身だし。」


「じゃあどうすりゃいいんだ?」


時を待て。ただそう言ってディーラーは日課の書類整理に戻った。

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