12.過去話4
遅くなってしまい申し訳ありません。どうも体調が悪いので今日はこの一本で、明日また夕方に投稿します。
~勇者と魔王、大学生時代~
高校を無事に卒業した魔王は大学へと進学し、自分が受けられる中でもっとも難関と思われる大学に見事合格した。そして彼女にとっては腹立たしいことだが、勇者もまたしれっと合格していた。
「まったく、高校の時からそうだが、どうしていつも我についてくる?」
「いやぁ、ただたんに真央ちゃんとキャンパスライフを楽しみたいだけだよ」
「……いっとくが、我が一言いえば貴様もテレビのニュースでよく見るストーカーの仲間入りじゃからな?」
「まぁまぁ、それより今日はどこに行く?」
「まだ講義が残っとるだろバカ者が! …………終わったらスイーツ店くらいなら付き合っても良いゾ」
「うん、いくらでも奢るよ!」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
~魔王と勇者、社会人時代~
それから数年後、大学を卒業した魔王はとある会社でOLとして仕事をこなし、その傍らには当然のように勇者も付いてきて………いなかった。
――――いかんな、そろそろ時間か。
「あれ、平川さん、今日はもう上がりですか?」
「あぁ課長、はい、約束がありますでのぅ」
「なるほど、ではお疲れ様です」
会社を後にした魔王が新宿の一角にある落ち着いた雰囲気の店に行くとそこには勇者が待っていた。
「あ、こっちこっち、待ってたよ」
「面倒な場所を指定しおって、なぜこんな隠しダンジョンのようにわかりにくい店を待ち合わせ場所にしたのだ?」
「ここは隠れ家的レストランってやつだよ。味もとってもおいしいから楽しみにしてて」
「……貴様がそう言うなら期待しよう」
運ばれてきた料理を二人が堪能し終えると、食後のシャーベットを食べながら魔王は疑問に思っていた事を口にした。
「そういえば貴様、てっきり職場も一緒のところにすると思っておったが、なぜ別の会社に就職したのだ?」
「あれ? 同じ方が嬉しかった?」
「べ、別にそういう意味ではない!!」
「あ~、でもそうすると副業も探さないとちょっと厳しかったかもしれないから、そこだけは同じに出来なくてごめんね」
「だからそうではない!! それよりもなぜそこまで仕事をしたいのだ?」
「それは…………君と結婚した時、僕の稼ぎだけでもラクをさせてあげたいから」
「……それは我に働くなということか?」
「いや、真央ちゃんが働きたいなら僕は止めないよ。ただ……その……」
「なんだ? いつもずけずけと物を言う貴様が何を口籠っている?」
「…………子供が出来た時くらいはゆっくりさせてあげたいから」
「!…………バ、バカ者! まったく余計な気遣いをしおって! 第一この国では子育て手当というものもあろうが!」
「ふふ、そうだったね」
「まったく、そもそも貴様と子供を作るなど我は絶対に了承せんぞ」
「それはこれから時間を掛けて頑張るよ」
「絶対ありえん!」
それからおよそ1年後、二人と親しい関係のある人々の元にとある招待状が届くこととなる。




