高校パーティーのレベル上げ
高校パーティーのレベル上げ
豊島の朝は普通
「結局 普通のゴーレムしか出なかったね」
「うん、君津達の時のような事は起きないのかな~」
「そうだね、でも気を付けるに越したことはないから、今まで通り慎重に行こう」
「「うん」」「ああ」
俺達のパーティーはレベル21、レベル21と言ってもピンからキリまであるというのが俺の考え
確実に着実に21になってから下の階層を攻略する方針だから、20階層を攻略しても、17階層に転移してじっくり17階層からモンスターを攻略しながら進む。
毎回すこしづつ連携の方法を変えたり、色々なパターンでモンスターを倒し、個人個人の技の幅を広げながら進む。
大谷さんと楠さんは投擲ナイフも覚え、伊達君のフォローもするようになっているし、
伊達君はバフを掛けないで大盾を使ってみたり、戦いながらバフを掛けたり、はずしたり。
大谷さんはレベルが20になったとき、ジョブスキル枠に炎の矢というのが増えたらしく、ただ、それはゆうの炎の矢とは違って、放った矢が炎をまとい、モンスターを攻撃するもので矢自体は今までどおりだけど、モンスターを炎で焼き尽くして倒すことができるらしく、それだけでモンスターを倒してみたりしている。
ただ、これを使うと矢が燃えてしまうので、お金がかかると言っていたけど。
今まで通りの矢でバフを掛け今まで以上に速い連射で
1人でモンスターを倒してみたり。
楠さんは2人にヒールを何重にもかけ体力全開状態にさせてみたり、色々なバリエーションを試しながら戦っている。
レベル25になるとスキル枠がさらに1つ増えるので、何を登録すればよいかも考えながら。
そして20階層より深層になるとより素材の買い取価格も上がって、それも大きなモチベーションに
今日はレベル上げ初日、初めての23階層
順調に行けば皆レベル22になるはず
「いつも通りにね」
「「うん」」「ああ」
事前に皆でガイドブックで予習をし十分に準備をして臨む。
マンドラゴア(ニンジン)
マンイーター(食人植物)
トレント(木)
マンドラコアは灰にならなければ、うまく乾燥させて持ち帰れば超高級滋養強壮薬:ダンジョンニンジン。
マンイーターも植物性にも関わらず植物性たんぱく質ななのに動物性たんぱく質を上回る健全な栄養豊富な食材になり、大病を患った人の回復食や超金持ち老人の栄養源に。
トレントは高級家具の木材になる。
それなりの高級品として市場に出回っているから買取価格が楽しみなんだけど。
炎の矢をたくさん使う可能性があるので大谷さんはいつもより多めに矢を持ち、楠さんも投擲ナイフを多め準備
ここもボス部屋みたいな感じではなく、森の一番奥にトレントが7-8体ほど生息し、人が近づくと、動き出して人間を襲う
回りの草花に注意を払いながら、ゆっくり進んでいくと
ピンクのポイントは無数に、
「この先500mになにかいるよ」
「わかった」
「じゃあ行ってくるね」
そう言って先に出る
ゴニャグニャムニャと声のような音が聞こえてくる、マンドラコアだ。
勝手に自分で土から出てきて冒険者に向かって歩いて来る。
背丈は俺の腰にも満たないくらいの大きさで20―30匹、
この声に耳を傾け聞いていると、幻想が見え始め、周りの声が聞こえなくなりふらふらして歩いているところを マンイーターにパクリ。
良くて片足1本、最悪の場合、
脚、腰、胸・・・すこしずつ飲み込まれ・・・・・・・。
余裕があれば 20匹まとめてマンドラコアの周りを矢で囲んで炎でじわじわ乾燥させて殺す。
うまくいけばそのまま高級滋養強壮素材『ダンジョンにんじん』 のできあがりだけどそれは次回のお楽しみ。
今回はレベル上げだから、伊達君が大盾で吹き飛ばしてから大剣でまとめて真っ二つに、
マンイーターは見つけ次第大谷さんが炎の矢で射れば簡単だけど、炎の矢はトレントに有効なので、矢のストックをなるべく残したいから、マンイーターの 口に向かって楠さんの投擲ナイフと、バフを掛けた矢の連射で、倒した跡、灰になってから矢とナイフを回収。
22階層まで、何度も繰り返し攻略している俺達は、初めての階層でも、疲れもなく、慌てずゆっくり確実にモンスターを倒していく、ついに一番奥までたどり着き、その先に10mほどの樹木が立ち並んでいる。
この中にトレントが紛れている。
「それじゃあ 行ってくるね」
俺は、他の樹木に紛れているトレントをあぶり出すために、バフを掛け、ピンクのポイントを目安に胡蝶双刀で幹を切りつけながら走り回る。
5体ほどあぶりだしたところで、向こうからざわざわ動き出したので、鉈に持ち替え、動き出したトレントの幹を切りつけながら、電撃を飛ばす
ビクビクしながらも 暴れだしたトレントを、何度も切りつけ、その度に電撃を流し繰り返すうちに、2体の幹が折れて180度屈伸おじぎ状態で終了。
そのまま、伊達君たちの所に戻る。
既に2体が大谷さんの炎の矢で燃えており、3体目に炎の矢を放っている。
伊達君たちが3体に囲まれそうになっているので、俺はもう1度バフを掛け、後ろからトレントに木登り、
一番上まで登れないけど、結構上まで登ったのでそこにナイフを立て電撃、大木に雷が落ちたように、バキバキと音を立て縦二つに割れた。
残り2体、伊達君が大盾で2体のトレントの攻撃をかわしながら手のように動いている大枝を切り落として行く、楠さんはトレントの穴のように開いた口と目に向かって投擲ナイフ、そして同じく穴に向かって大谷さんが炎の矢を
攻撃する手となる枝がなくなったトレントはただ力押しだけなので、伊達君の大盾で止められウゴウゴしているだけに見える。そのうち、その穴からぼーっと炎が
拭きあがり、内部から燃え出して、崩れ落ちて行った。
「やったね」
「「うん」」 「ああ」
楠さんが全員にヒールを掛け、元気いっぱいで23階層制覇、ステータスは
「やった!」
全員レベル22で夏休みに突入、 このまま順調に行けば2年の終わりには確実に27-28に、3年Aクラスへ、探求大学推薦も見えてきた、ただ油断は禁物
大谷さん情報によると、Aクラスの詳細はわからないけれど、Bクラスでトップはレベル23が1パーティー、俺達は2番手、俺達より先にレベル21に上がったパーティーが2ついたらしいけど、
そこで止まっているらしい、大谷さん達曰く、勢いとラッキーが続いて21になったけど、2回目以降21階層を攻略できず止まったまま、俺達のように何度も繰り返し同じ階層を攻略していなかったから、つまり俺達は何度も同じ階層をいろいろとバリエーションを変えながら攻略していたので、偶然もラッキーもなく実力で攻略した という自信がゆっくりだけど確実にレベルアップにつながった のだ! と胸を張っている。
「俺もそうだと思う」
「うん、だから、これからも同じく確実に実力がついたと思うまで、同じ階層を攻略しようね」
「そうだよね、ほらそれにさ、23階層は うまくいけば素材の買取がね!」
「そうだよね、夏休みにバイトしないでも十分稼げるもの」
「うん」
夏休みも、無理はしないで週1回はダンジョンに入り、それ以外にも皆の都合がつけば、おさらいも兼ねて15階層から入って素材集めもする事になった。
あまり無理はしないでレベル23が目標。
武具も防具も豊島最下層まではまったく問題ない、防御服も素材買取が順調なのでそこそこお金も貯まって、ヤマダダンジョン館に見に行ったりするけれど、皆をそれぞれ連れて行った上野の専門店街の方がそれっぽくて皆気に入っているから、ちょっと高いけれど上野で買っているみたい。
俺も源さんの知り合いのお店の人達に
「この前お友達が来てたわよ~」って声をかけてくれ、
少しだけど貢献しているしね。
夏休み、陽はさゆりさんが来る度にダンジョンのお願い。
レベルも既に23、さゆりさん直伝の信じられないくらいの刀裁き
ただ、天下の日比山高校、授業について行くため、1年から予備校に通っているのでダンジョンに入るのはあくまでも、予備校のない日という限定、それ以外は家の庭で訓練を見てくれるという事で、本人は納得している。




