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あ、また目が合った。
高校2年生5月上旬。進級してからのこの一ヶ月、同じクラスでかなりのイケメソ、園崎奏汰くんの視線をとても感じる。一体どんな意図で?顔になにか付いてる?寝癖があるとか?
毎日気になって仕方がないが、一度も話したことない彼に「ねぇ毎日俺のこと見てるよね?なんで?」
とか聞ける程、肝は座っていない。
視線が気になってチラ見すると必ず目が合うし、だいたい真顔で見つめられてるから余計にこわい。
そんな彼と、この度の席替えで前後になりました。
あーこれは結構終わったか?しかも俺が前で園崎くんが後ろ。一番最悪な構図だ。
今年の担任は席替えめんどくさがって全然してくれないんだよな。
いや、でもこれは逆に言えばチャンスなのか?このタイミングで仲良くなって、視線の理由をさり気なく聞いて、やんわりとやめてほしいという趣旨の話を彼にする。そうすればこの悩みから開放されるのではないか?
そうとなればさっそくファーストコンタクトだ。もしかしたら俺が覚えてないだけで、彼に何らかの嫌なことをしてしまっていて俺のことが嫌いだからただ見てるんじゃなくて睨まれてる可能性も無きにしもあらずだから、その場合を考慮して明るく人当たりのいい感じに話しかけてみよう。
「席前後だね、よろしく園崎くん。」
どうだ、どう出る園崎奏汰。
「あ、うん。こちらこそよろしく。浜先席替え全然しないからけっこう長い付き合いになるかもな。」
「え、あ、うん。そうだね!」
え、、、こわ。いや、うん。さっき無きにしもあらずとか言ったけど結構嫌われてる説自分の中では濃厚だったからこんなにすんなり会話できると思ってなかったというか。あんなに愛想よく、しかも俺は一文で挨拶したのに対して園崎くんはニ文で返してきてくれたし。嫌いな奴に二文で返さないよね普通は。びっくりして逆にオレが愛想悪くなっちゃったよごめん園崎くん。
今ので嫌われているわけではないことがわかった。でもだからこそ怖い。嫌われてるわけじゃないならなんでこんなに視線を感じるんだ?正面に向き直した今も現在進行系でとても視線を感じる。前後になったからには仕方がないのはわかっているけれども、なんと表現すればいいのか。奥まで見られている感じというか、特に見るものがないから、とりあえず正面を見ているという感じではない。なんだかゾワゾワとする視線。それを今、彼から感じる。
まじでこわい。原因に検討もつかないのが余計にこわい。今後ろ向いたら絶対に真顔だよ。一ヶ月間ずっと経験してきた俺にはわかる。怖いから実行はできないけどね。
本気で恐怖を感じるし、そろそろ背中に穴あきそうだから一旦逃げる。
「だからずっと言ってんじゃん。好かれてるじゃないの?恋愛的な意味で。」
「いやいやだからずっと言ってんじゃん。それはない。絶対にねーの。園崎くんの中学時代の恋人女子だったみたいだし、男が恋愛対象とかあり得ないでしょ。」
「いや、あるかもしれないだろ。よくあるBLドラマ的な展開かもしれないけど、美形男子が同じクラスの平凡男子に実は惚れていた、、、みたいな。お前は普通にいいやつだし、そんな展開があってもおかしくないと思うぞ。」
こいつ他人事だからって適当なこと言いやがって。自分で言ってるじゃんドラマみたいだって。そうだよ、そんなドラマみたいな展開あるわけない。
「ほら、佐々木。お前また見られてるぞ。」
にやついている前野にそう言われて、むかつきながらも園崎くんの方に視線を移すといつもどおりに目があって、すぐにお互い目をそらす。
本当になんでこんなに見られるんだ?見てくるくせに俺と目が合うとすぐに逸らす。いや、目があっても見続けるのもなかなかの強者だけど、。
「そう、だからオレは決めたんだよ前野。この席を利用して、彼と仲良くなり、この視線の理由を探るんだ。オレはこのMISSIONをやり遂げてみせる。」
「おー頑張ってください。」
「はい、がんばります。」
俺の背中に穴が開く前に、この視線の理由を明らかにしてやるっっ。




