第22話
「お帰りなさい」ミルシャが四人を迎えた。
「ただいまです、ドラゴンなんて召喚して大丈夫でした?」ラ・カームが気を使った。
「今回は合宿も兼ねているので、魔法を詠唱して頂くのは問題ありません」ミルシャは優しく告げた。
四人が揃うとミルシャから午後の授業の説明があった。
内容はラ・カームたち三人がチナに魔法の先生をするというものであった。
「チナさんにマナのコントロールを教えてください。教えることでまた、新たに気づくこともあると思います」
「チナちゃんがんばろうね!」ラナが珍しく積極的に言った。
「魔法に関してはラナが一番だからなー」ラ・カームも認めていた。
「なんか、わたしで申し訳ありません、まだ、エンチャントの魔法も使えないし自分の属性もあいまいなわたしで」
「いまさらだよ、チナちゃん。やってみよう」ラァも声をかける。
「とりあえずは、着替えと食事をしていただいて、二時にまたこの場所まで集まってください」ミルシャの説明とともにいったん解散となった。
着替えが終わると食堂には、ラ・カームたち四人の他にシュナイゼル、ミルシャ、その他数名の近衛団のために豪勢な食事が整えられていた。
「お魚料理がたくさんあるねー!」ラナははしゃいでいた。
「この辺りには魚くらいしかなくって、みなさんが喜んでくれればいいのですが」チナが申し訳なさそうに話した。
「みんな魚好きだから大丈夫だよ、チナさん」ラ・カームがチナに伝えた。
「そうだよ、チナちゃん王都は内陸だからあまり新鮮なお魚が食べられなくて、ここでこんなに食べれるのうれしいよ」ラァもそう続けた。
「それになんだかラナはチナさんのこと気に入ったのかここにきてから元気いいよね」ラ・カームがラナに話した。
「チナちゃんとは相性がいいんだよー、時間があったらいつまででも一緒にいたいかな」
賑やかな食事が終わると湖岸に集まり授業が始まった。
「一時間目はラナ様、二時間目はラァ様、三時間目はラ・カーム殿下が受け持ってください」
「ラナ様が教えているときは、ラァ様・ラ・カーム殿下も同じ生徒だと思ってきちんと授業を受けてください。」
「三時間の授業が終わったところで、チナさんに実技の効果測定を行っていただき終了とします」
『はい』四人の声がきれいにそろった。




