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ラ・カーム戦記  作者: 神名 信
21/70

第21話

ラ・カームが一番ね」泳ぎ切った後ラァがそう言った。

 「ラナが二番だったね、思ったより速かった」

 「え・・そうかな、ラァもだいたい同じだったよね」

 チナはまだ泳いでいるところで、岩場までもう少しかかりそうであった。

 「あー、なんか洞窟みたいなのがあるよ、入ってみようか?」とラァが洞窟を指さした。

 「いや・・やめておこう」とラ・カーム

 「えー面白そうじゃん」

 「もし、あそこに入って僕らの誰か一人でもかすり傷を負ったら、シュナイゼル団長とミルシャ先生が責任を取ることになるからさ」

 「ラ・カーム、なんか大人になったね」

 「でも、ラ・カームの言うとおりだよね。」ラナも同意した。

 三人がそう話していると、チナがたどり着いた。

 「みなさん、めちゃくちゃ速いです」

 「チナちゃん大丈夫?」とラァ

 「はい、少し水飲んじゃったみたいで」

 「少しゆっくりしたら、ミルシャ先生のほうに戻ろう」とラ・カーム

 「あ、みんながよかったらドラゴンの背中に乗って帰る?」ラナが言った。

 「え?ラナさんバク・ドラゴン詠唱できるんですか?」チナが驚いていた。

 「うん、土魔法もそろそろマスター認定受けられそうなんだ」

 「ラナはすごいよね、私はまだ風魔法のほうはマジシャン程度しかないよ」

 「わたしからしたら、もう雲の上の上の上ですよ、お二人」

 「ラナのドラゴンかー、見てみたいな」とラ・カーム

 「ちょっとみんな離れていてね」


 ラナは胸の前に手を組むとバク・ドラゴンの詠唱を始める。


 ・・・すごい、ミスリルロッドなしでバク・ドラゴンを詠唱できるなんて。王家の方々は普通の人ではないんだ。チナはそう思った。


 詠唱が終わると、ラナの前方十五メートルほどのところの地面から亀裂ができた。


 「グオーォー」

 

 辺りに響き渡る雄叫びを上げて、ドラゴンが地中から出てくる。


 圧倒的な存在感を持つドラゴンが岩場に現れた。

 体長十五メートルはあろうかという、岩石でできたドラゴンだ。

 魔法生物であるドラゴンは術者に従順というが、チナはさすがに少し怖がっていた。


 「大丈夫だよ、チナちゃん」ドラゴンの頭をなでながらラナが言った。

 「う・・うん」

 ドラゴンは優しい目をして四人を見ていた。

 「さあ、みんな乗って」

 四人が背中に乗る。

 ドラゴンの背中は人が乗ると、まるで特別な重力が働くように安定感があった。

 「じゃあ、飛ぶよ!」

 ラナのドラゴンが大きく羽ばたいた。

 ふわっとしたかと思うと、岩場から急速に上昇していった。

 「このまま、湖を一周してから先生のところに戻るね」

 「きゃーすごい!!」ラァが叫ぶ。

 「わわ、ほんとに飛んでいる」少し涙目でチナがしがみつく。

 「岩場があんなに小さく見える。すごいな」ラ・カームも感嘆した。

 バク・ドラゴンは四人を乗せたまま湖を一周して、ミルシャの下に降り立った。

 「とうちゃくー。だよ」ラナが言った。


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