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ラ・カーム戦記  作者: 神名 信
20/70

第20話

夜が明けて七月三十一日の朝

 クアナ湖の水辺に一行は集まっていた。

 この日は日差しも強く、水遊びにはちょうど良いくらいの暑さだった。

 「海―」ラァが駆け出した。

 ラァは髪の毛を結んで、ピンク色のセパレートの水着を着ていた。

 「わ、冷たい」ラナも水辺に立っていた。

 ラナは白のワンピースで腰のあたりにはフリルがついていた。

 「あまり遠くまではいかないでくださいね」ミルシャが二人に注意した。

 「私まできてよかったんですか?」とチナ

 チナは魔術院の指定水着で、紺色のワンピースだった。髪の毛のリボンが大きく揺れている。

 「大丈夫だよ、チナさん」ラ・カームがそう言った。

 ラ・カームは黒のトランクス型の水着だった。

 「ラ・カーム、腹筋割れているよ、すごい」ラァが言った。

 「すごいね、ちょっとつついていい?」とラナ

 ラナがラ・カームの腹筋をつついていた。

 「ちょっとくすぐったいよ」ラ・カームは恥ずかしがっていた。

 「わたしもつんつんしよ」ラァも腹筋をつついていた。

 「ちょ、二人ともくすぐったいって」

 

 ミルシャは皇太子たちの様子を見ながら周囲も警戒していた。青いワンピースの水着を着ていたが、上着もはおっていた。

 「先生、胸の大きさが反則です」ラァが言った。

 「先生、大きいですね」ラナ

 「お二方も大人になると大きくなりますよ」ミルシャが言った。

 「えーでも、先生は多分巨乳っていうやつですよー」ラァ

 「二人とも、先生にからむんじゃないよ」ラ・カームがたしなめる。

 「ラ・カームはからんでないけど、視線がやらしいよー」ラァが茶化す。

 「うん、やらしー」ラナも相槌を打つ。

 「・・・そんなことないから」ラ・カームは恥ずかしがりながらもそう言った。

 「せっかくだから、泳いで来たらどうですか?」ミルシャが提案した。

 「そうだね、あそこの岩まで泳いでみよう」ラナが同意した。

 湖岸から、五百メートルくらいのところに岩が突き出ていた。

 「チナちゃんもいこ」ラァが声をかける。

 「あ、はい」

 四人は岩までそれぞれに泳いで行った。


 シュナイゼルは平服で、少し距離を取って一行を見ていた。

 「定時連絡です」近衛団の連絡員がシュナイゼルの下へやってきた。

 「十時現在各方面につき問題はありません」

 「ご苦労、どんな小さなことでも連絡をするように」

 「はい」


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