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第30話:ドロップアイテムと、密林に眠る『バグ』

エリアボス『モス・ベア・タイラント』、調理完了!

しかし、リ・センセンにとって、ボスを倒すのはただの「前座」に過ぎません。

本当の勝負は、その死体の後に何が残っているか——そう、ドロップ品(戦利品)の確認です。

「いいかイヴさん、この世界の神が設定ミスをしていない限り、ここには『アレ』があるはずなんだ」

廃人ゲーマーの嗅覚が、密林の奥深くに隠された「世界のバグ」を嗅ぎつけます。

※今回も3000字オーバー、脳内麻薬ドバドバの報酬回をお届けします!

「……はぁ。……終わったな。カウント、残り二秒。完璧なタイムアタック(TA)だ」


リ・センセンは、煙を上げるモス・ベアの残骸——いや、今はただの灰の山となった場所を見つめ、静かに息を吐いた。

 右手の紋章は、先ほどの『終焉の蕾』による過負荷で赤く熱を持ち、肌を焼くような痛みを訴えている。だが、リ・センセンの顔に苦痛の色はない。あるのは、最高難易度のギミックをノーミスで突破した後の、あの独特な全能感と……そして「報酬」への渇望だ。


「リ・センセン、貴様……。今のは一体、何をしたんだ? 魔法でもない、剣技でもない。まるで、この世界のルールそのものを無理やり捻じ曲げたような……」


イヴが、重剣を鞘に収めることも忘れ、呆然と立ち尽くしていた。彼女の視線の先には、先ほどまで山のような巨体で絶望を振りまいていた怪物の姿はもうない。あるのは、静寂を取り戻した密林と、そこに咲いた一輪の、不気味なほど白い花だけだ。


「理を捻じ曲げた? いやいや、俺はただ『一番効率的な解法』を選んだだけですよ。正式服12.0じゃ、この手のボスは体力を削るより、代謝を上げて自滅させるのがセオリーなんです」


リ・センセンは軽やかに灰の山へと歩み寄り、その中心に咲く『白い花』を手に取った。

 瞬間、彼の視界にシステムの鑑定ウィンドウが爆速で展開される。


【アイテム鑑定完了】

 【名称:タイラント・コアの残滓(結晶化した魔導花)】

 【品質:レジェンダリー(仮)】

 【効果:魔力回路の永久拡張、または『特定の植物』の超進化触媒】


「……キタキタキタァ!! これだよ! これがなきゃ、わざわざ三分制限で殺した意味がねえ!」


リ・センセンの口角が、下品なほどに吊り上がる。

 この『タイラント・コア』は、普通に時間をかけて倒すと、魔力が霧散してしまい、ただの「硬い毛皮」しか残らない。だが、過剰な魔力で自滅へと追い込み、一瞬で結晶化させた場合にのみドロップする、いわゆる『隠し報酬』だ。


【1.8mのメッシ:うわあああ! 本当に出しやがった! あの隠しドロップ、出現率 0.01% とか言われてたやつだろ!?】

【隣の王さん:森森センセン、お前……この世界でも『乱数調整』とかやってんのか? 恐ろしすぎるだろw】

【物理の張先生:……興味深い。生命維持エネルギーを強制的に結晶化させたのか。リ・センセン、その花のエネルギー密度を計測させろ。これは新たなエネルギー革命の種になるぞ】


「張先生、これは非売品だ。……こいつはな、俺の『グリーン・ホーク』を、ただの植物ヘリから『空飛ぶ要塞』に進化させるための心臓部になるんだからな」


リ・センセンはカメラに向かって花を掲げ、不敵に笑った。

 投げ銭ポイントによる一時的な強化ではなく、この世界の素材を使った「永久的なアップデート」。これこそが、リ・センセンが目論む『異世界完全攻略』の第一歩だった。


だが、その喜びも束の間。

 リ・センセンの耳が、ピクリと動いた。

 システムのスキャン画面に、先ほどのモス・ベアとは比較にならないほど『巨大で、歪な』反応が、足元の地面深くから表示されたのだ。


「……? リ・センセン、どうした? 敵の増援か?」


イヴが敏感に反応し、再び重剣を握りしめる。

 リ・センセンは答えず、足元の地面をじっと見つめた。

 彼の視界には、座標の数値が狂ったように明滅し、エラーメッセージが重なっている。


「……いや。敵じゃねえ。……『バグ』だ」


「バグ……? また貴様の故郷の言葉か。それは、どんな魔物なんだ?」


「魔物じゃねえよ。この世界の『マップチップ』が剥がれてやがる。……おい、リスナー共。見てるか? ボスを倒した後に、こんなところに『隠しダンジョン』への入り口が出るなんて、攻略Wikiにも載ってなかったぜ」


リ・センセンが地面の苔を払いのけると、そこには古びた、だが禍々しい魔力を放つ石造りの扉が埋もれていた。

 扉には、王都のそれとは全く異なる、古代の魔法体系を思わせる紋章が刻まれている。そしてその紋章は、まるで生き物のように、リ・センセンが手にした『白い花』に反応して共鳴を始めた。


【課金王:おいおいおい! 面白くなってきたじゃねえか! 隠しステージかよ!】

【1.8mのメッシ:リ・センセン、入れ! 入るんだ! その先に何があるのか、俺たちに見せろ!】

【隣の王さん:待て、今のセンセンのHPとMP、半分以下だぞ。このまま突っ込むのは流石に自殺行為だろ!】


「……自殺行為? ははっ、笑わせるな。廃人ゲーマーが、目の前の『隠し扉』を無視して帰れるわけねえだろ」


リ・センセンは、残った魔力を全て右手の紋章に集約させた。

 体はまだモス・ベア戦の疲労で悲鳴を上げている。だが、未知のエリアへの好奇心と、そこにあるであろう『さらなる利権』への渇望が、彼を突き動かしていた。


「イヴさん。……悪いが、休憩は中止だ。この扉の先に、俺たちの『本当の隠れ家』があるかもしれない。……ついてくるか?」


イヴは、リ・センセンのその狂気じみた、だが不思議と惹きつけられる瞳を見つめ返し、呆れたように、しかし力強く笑った。


「……貴様についていくと決めた時から、平穏な休息など期待していない。……行こう、リ・センセン。貴様の作る『新しい伝説』を、一番近くで見届けてやる」


リ・センセンが『白い花』を扉の窪みへと押し込む。

 轟音と共に、数千年の封印が解かれ、異世界の深淵へと続く階段が姿を現した。


「よし、家人们(リスナーの皆さん)。……『静寂の密林』裏ステージ、攻略開始だ!!」


リ・センセンとイヴの姿が、暗い地下へと消えていく。

 夜明けの光が差し込む密林に、再び静寂が訪れる。だがその静寂は、これから始まる『世界の根幹』を揺るがす大事件の前触れに過ぎなかった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


第30話、節目の回を迎えました!

ボス戦の報酬として手に入れた『白い花』。そして、まさかの隠しダンジョンの発見。

リ・センセンの「効率厨」な戦い方が、この世界の隠されたバグ(真実)を引き寄せてしまったようです。

地下に眠る古代の遺産、そしてイヴとの絆。

物語はここから、さらに加速していきます!


【作者からのお願い】

「ドロップ品熱い!」「隠しダンジョンへの突入、ワクワクする!」と思った方は、ぜひ**ブックマーク(BM)と、下の評価ボタン(★★★★★)**をポチッとお願いします!

皆さんの応援ポイントが、地下ダンジョンの「お宝」の豪華さを決定します(笑)。


現在、4月18日の50話到達に向けて、文字通り不眠不休の「疯狗模式(狂犬モード)」で爆走中!

第31話からは、新章『古代遺構編』に突入します。

リ・センセンの配信が、異世界の歴史を塗り替える瞬間をお見逃しなく!


それでは、第31話でお会いしましょう!

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