第20話:王都包囲網突破!――空飛ぶ植物(ヘリ)で脱出してみた
王都エリュシオン、完全封鎖。
怒り狂う領主と魔導師団に包囲された森森とイヴに、逃げ場はありません。
しかし、リスナーからの『ロケット500基』の残熱は、まだ消えていなかった!
「イヴさん、しっかり掴まっててください。……ちょっと揺れますよ?」
異世界の常識を置き去りにする、前代未聞の脱出劇。
※2500字超、第二部最初のクライマックスを最高密度でお届けします!
「……囲まれたな。森森、今度こそ年貢の納め時かもしれんぞ」
イヴが重剣を構え直し、鋭い視線を空へと向けた。
王都中央公園の広場。そこを取り囲むように、空には箒に跨った魔導師団が数十人、地上には盾を並べた重装歩兵の厚い壁が幾重にも重なっている。
そして頭上では、花粉まみれでボロボロになったレオポルド領主が、もはや言葉にならない呪詛を吐きながら巨大な魔力球を形成していた。
「逃げ場はない! 貴様らの汚らわしい存在ごと、この広場を消滅させてくれるわ!」
領主の宣言と共に、空が不気味な紫色に染まる。
だが、俺は足元で蠢く『世界樹の苗木』の巨大な根に手を置いたまま、ニヤリと笑った。
「イヴさん、俺を信じてください。……家人们(リスナーの皆さん)、見ててくれ! これが投げ銭の真の力だ!!」
俺はシステム画面に表示された『エネルギー残量:12%』を全て、植物の「構造変異」へと注ぎ込んだ。
狙うのは、ただの成長ではない。**『進化』**だ。
バキバキバキッ!!!
中央公園の地面から、巨大な蔦が猛烈な勢いで絡み合い、一つの巨大な「籠」のような形を作り上げた。
いや、それはただの籠ではない。
上部には、爆裂ポプラの葉が重なり合い、まるでプロペラのような巨大な四枚の翼が形成されていく。
「な、なんだ……あの不気味な植物は!? 巨大なトンボか!?」
魔導師たちの動揺をよそに、俺はイヴの腰を掴んで、その植物の内部——『コックピット』へと飛び込んだ。
「イヴさん、シートベルトはないから、俺の腰にしっかり抱きついてて!」
「なっ……!? 貴様、この期に及んで何を……っ!」
イヴが顔を赤くして狼狽する暇もなく、俺は魔力を点火した。
ブォォォォォォン!!
爆裂ポプラの種が内部で微小な爆発を繰り返し、その衝撃がプロペラを高速回転させる。
異世界初の、植物製ヘリコプター——通称**『グリーン・ホーク』**の始動だ。
「飛べえええええ!!!」
猛烈な上昇気流と共に、俺たちの体は重力から解放された。
4Kドローンカメラは、地上で呆然と立ち尽くす歩兵たちと、急上昇する俺たちの姿を、最高にかっこいいアングルで捉え続ける。
【1.8mのメッシ:うおおお!! ヘリコプター!? 植物でヘリ作ったぞこの主播!!ww】
【隣の王さん:発想が天才のそれ。領主の顔、見てみろよ。口がパクパクしてるぞw】
【物理の張先生:爆裂種のエネルギーを回転運動に変換……。理論的には可能だが、制御が神業だ。森森、お前……実は工学部出身か?】
【課金王:行けえええ!! 王都の壁を越えろ! 自由の空へ!! ロケット追加だあああ!!】
「射て! 撃ち落とせ! あの化け物植物を逃がすな!!」
領主の号令と共に、空を埋め尽くすほどの火球と雷撃が放たれる。
だが、俺はプロペラの回転数を上げ、急上昇と急旋回を繰り返した。
「イヴさん、重力制御、お願いします! 重剣の重さを変えて、重心をコントロールして!」
「……っ、無茶を言うな! ……だが、やるしかないか!!」
イヴが重剣を左右に振り、機体のバランスを驚異的な身体能力で調整する。
俺たちは魔導師たちの箒の間を縫うようにして、王都の高い城壁へと一直線に向かった。
城壁の上には、対空用の巨大なバリスタが並んでいる。
それらが一斉に、俺たちを狙って巨大な矢を放とうとした、その時。
「……お別れの挨拶だ。食らえ、領主様への『ラスト・スパチャ』!!」
俺は機体の底部に溜まっていた、特製の『爆裂胞子』を一気に放出した。
それはピンク色の煙となって、王都の空へと広がっていく。
「……っ、この匂いは……まさか!?」
領主が絶叫する。
そう、その胞子が空中で弾けると、そこにはレオポルド領主が最も愛する(そして今最も憎む)、魔法少女ルルちゃんの巨大なホログラム像が、空いっぱいに浮かび上がったのだ。
『みんなぁー! ルルちゃんのこと、忘れないでねっ☆ チュッ!』
その巨大な「投げキッス」が爆発し、まばゆい光が王都全域を包み込む。
その隙に、俺たちのグリーン・ホークは城壁を越え、深い森が広がる王都の外へと飛び出した。
「……ふぅ。……家人们(リスナーの皆さん)、見ましたか? これが、第一回・王都大脱出のエンディングです」
俺は遠ざかっていくエリュシオンの街並みを背景に、カメラに向かってピースサインを送った。
隣では、イヴが魂の抜けたような顔で、俺の腰をギュッと抱きしめたまま震えている。
「……森森。次からは、せめて馬で逃げてくれ。私の心臓が持たん……」
「ははは。次はもっと『映える』乗り物を考えときますよ」
夜空には、視聴者たちからの歓喜のコメントが、星屑のように流れていく。
俺たちの冒険——第二部『逃走編』は、まだ始まったばかりだ。
【後書き / Afterword】
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ついに、ついに王都脱出成功です!!
植物ヘリコプターに、空飛ぶ魔法少女ホログラム……。
森森の「悪ノリ」が、ついに王都の物理法則とメンタルを完全に破壊してしまいました。
今回登場した**『グリーン・ホーク』**。
植物魔法と、視聴者の皆さんのロケット・エネルギーが融合して生まれた、本作最強の(?)移動手段です。イヴさんにとっては、ドラゴンと戦うより怖かったかもしれませんね(笑)。
さて、王都を離れた二人が次に向かうのは、魔物たちが跋扈する『未踏の密林』。
そこには、領主の追手すら拒絶する、さらなる「映える」未知が待っています。
果たして、森森の配信は、野生の魔物たちにも通じるのか!?
「脱出成功おめでとう!」「ルルちゃんのホログラム、最高に性格悪いw」と思った方は、ぜひ評価(★★★★★)とブックマークで、森森たちの「逃走資金」を応援してください!
来週は、ここから一気に**第50話までの「怒涛の連更」**が始まります!
物語のスケールはさらに広がり、新キャラクターも続々登場予定です。
それでは、第二十一話でお会いしましょう!
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
第二巻・序盤の山場である『王都脱出劇』、これにて完結です!
第 15 話で第一巻を締めくくり、そこから休む間もなく始まった王都編。
森森の「情報の暴力」と「植物ヘリ」という無茶苦茶な戦法、楽しんでいただけましたか?(笑)
【4 月 18 日に向けた、死ぬ気の挑戦】
ここからが本番です。
作者は宣言します。4 月 18 日までに、一気に第 50 話まで公開し、第二巻を最高潮まで持っていきます!
王都を飛び出した二人が向かうのは、文明の光が届かない『静寂の密林』。
そこには新たな強敵、そして配信者としての真の覚醒が待っています。
この「怒涛の連更」を最後まで見届けたい! と思ってくださった方は、ぜひ評価(★★★★★)とブックマークで応援をお願いします!
4 月 18 日まで、一瞬も休まず書き続けます!!




