【熾天の六座】
「約定カード【強壮なる使者】をゲーム開始前に発動します。効果により、私は"ギアスモンスター"を配置する事が出来ません」
『構わん、貴様自身を滅ぼしてこそ我が怒りも治まる』
手札に目を落とせば、少しばかり眩暈を覚えました。
黒白赤の混成デッキ……複数色を混ぜたデッキを使う場合はその色を全て持つか、三色以上ならば他の色の仲を取り持つ色と同じ色のモンスターを"ギアスモンスター"にセットするのがセオリーです。
このデッキにおいてはその中継色とも言える色は白ですが……約定カードの関係で、私が初手に扱える色は黒になっています。
……まあ、何とかしましょう。
「ドローフェイズの前に【強壮なる使者】の約定アビリティを発動します。デッキから【浄罪の白鴉】を手札に加えます。そしてドローをせずにカウンターブースト」
■■■ 第一ターン
ライフ:10
手札:6 ターンカウンター:2
約定 【強壮なる使者】 CC:0
「【強壮なる使者】の効果でコストを2減らし、【浄罪の白鴉】をサモン。さらに【名も亡き太陽神】をサモンします」
真っ白な翼のカラスの傍らにソレは姿を見せました。
ボロボロの白い衣、元は金髪だったであろう薄汚れた頭髪を飾り立てる月桂樹の冠だけは新品のように無傷。そして、その顔はノイズが表面を覆っていて……誰にも認識されない。
『没落した神のおでましか……出来損ない同士、お似合いだな』
「【名も亡き太陽神】の効果を発動します。数字を宣言し、相手プレイヤーのデッキの一番上を確認してそのコストが宣言した数字ならば、確認したカードを破棄して私はデッキから同じコストのカードを手札に加えます。私が宣言するのは……4です」
『デッキの一番上は【邪聖天の怠惰ベルフェゴール】、コスト:8だ』
「………………では、確認したカードをデッキの一番上に戻してください」
……使いづらい。特にデメリットも無いので効果を使いましたが、この外した時の微妙な空気はいたたまれません。
しかし【名も亡き太陽神】は場持ちが良いので、【強壮なる使者】でカバー出来ない赤と白の色を保つのにはちょうどいい。
「これでターン終了です」
『ふん、拍子抜けだな……行くぞ。私のターン、ドローだ!!』
ルシフェリオン 第一ターン
ライフ:10
手札:6 ターンカウンター:1
【ルシフェリオン】の"ギアスモンスター"は恐らくは自身……白と黒の混成デッキですが、メインカラーは白となるでしょう。
私が使っていた時とは構成は変わっているでしょうね……
『アーティファクト【熾天の六座ーセラフィムオブエンジェリルー】を発動する』
【熾天の六座ーセラフィムオブエンジェリルー】
白 コスト:1 アーティファクト・天使
一ターンに一度発動出来る。手札から神聖なるモンスター一体を場に出す。この効果で出したモンスターは攻撃と防衛を行う事が出来ず、ターン終了時に破棄される。
互いの場に、赤青緑黄白黒の色を持つモンスターが存在する時にこのアーティファクトを破棄して発動出来る。デッキ外から【七つの虚罪】を手札に加える。
薄暗い牢獄に似つかわしくない、六つの大理石のようなモノで作られた玉座が地面からせり上がってきます。
『【熾天の六座ーセラフィムオブエンジェリルー】の効果発動!私の手札から神聖なるモンスター一体を場に出す……この効果で出したモンスターは攻撃も防衛も行えんがな、来い【神聖なる信徒ラファルガ】!!』
玉座の一つ……ちょうど、豚のようなマークが刻まれた牢屋の前にあるモノに無手のまま、腰掛けた状態で呼び出されるのは……頭髪が一切なく、緑がかった白いローブを纏った老練なる信徒──【ラファルガ】
『【ラファルガ】の効果でターンカウンターを一つ増やす……スペルカード【再点灯】発動だ!』
【再点灯】
白 コスト:1 スペル・光
自分の場に白のモンスターが存在する時に使用出来る。
自分の場の白のモンスターを手札に戻し、同名モンスターを自分の場に出す。
スポットライトのように三筋の光が【ラファルガ】を照らします。立ち上がり、光が消えると同時に彼の姿も消えます。
そして……文字通りの再点灯した光の先に、武器である棍棒を持った状態で【ラファルガ】が再度姿を見せます。
『【ラファルガ】を手札に戻し、もう一度場に出させてもらう』
「これで【六座】の効果を解除しつつ、ターンカウンターを増やしたと……流石ですね」
『ふははは!!そうだ、すごいだろう私は!ターンカウンターを一つ増やし、バトルだ!ゆけ【ラファルガ】!!出来損ないに気合いを入れてやれ!!』
棍棒を構え、稲妻のような速度で私に向かって襲い掛かる【ラファルガ】
凶器が振り下ろされる刹那に、身を挺して私を守ったのは白い一羽のカラス。
「【浄罪の白鴉】で防衛。破棄された【浄罪の白鴉】の効果でデッキから使徒カードである【シャンタク】を手札に加えます」
『ちっ、まあいい。これでターン終了だ』
……次のターンから神聖なるモンスターの展開が始まるでしょうね。
あのアーティファクトも展開の補助をされるでしょうし……【誘黒神】が出るまで、耐えられますかね。
「私のターン、ドローフェイズの前に約定アビリティで【黒き神の印】を手札に加えます……ドローせずにカウンターブーストです」
■■■ 第二ターン
ライフ:10
手札:6 ターンカウンター:4
約定 【強壮なる使者】 CC:0
「【黒き神の印】を発動します。【黒き神の印】の効果でコストを1、【強壮なる使者】の効果でコストを2減らし、【シャンタク】をコスト:0でサモン」
【シャンタク】
黒 コスト:3 使徒・悪夢
A:3 B:2
このモンスターが場に出た時に発動する。次の相手ターンの終わりまで、このモンスターは防衛されない。
コウモリにも似た、鳥のような奇妙な生き物──【シャンタク】が現れると同時に、牢獄の天井近くにまで上昇します。
「この子は場に出た時に、次の相手ターンの終わりまで防衛されないという効果を持ちます……続けます、スペルカード【ソーラーウインド】を発動します」
【ソーラーウインド】
赤・白 コスト:2 スペル・日輪
場のモンスター一体を選択して発動する。そのモンスターのAを2増やし、攻撃後に手札に戻る効果を付与する。
「【シャンタク】を選択して効果発動、【シャンタク】のAを2増やし、攻撃後に手札に戻します」
『それで防衛されない効果を使い回すか……殴り合いをご所望のようだな』
「ええ、長期戦になればそちらの大型モンスターが大量に来るのが見えていますからね……【ルシファー】が来る前に、削り倒します。アタックフェイズです」
宣言と共に【シャンタク】が地面に向かって加速します。地面へと激突する寸前に、スレスレの低空飛行に変わり【ラファルガ】が振るう棍棒を置き去りにして、【ルシフェリオン】の胴体へと勢いよくぶつかりました。
ルシフェリオン ライフ:10→5
軽く吹き飛ばされるものの、倒れるような無様な振る舞いを【ルシフェリオン】はしません。
反撃と言わんばかりに、【シャンタク】の両方の翼を掴みこちらへと投げつけてきました。途中でカードへと戻った【シャンタク】を手札に戻し、このターンは終わります。
「これでターン終了です」
『先制はくれてやる、だが……ここからは私のライフを易々と削れると思わない事だな』
次のターンに、もう一度先程のコンボを決めればそのままゲームセットに持ち込めますが……【ルシフェリオン】はそこまで簡単な相手ではありません。
ほぼ更地の状態でターンを返すのはかなり、リスキーですが……こうするしかないのが現状です。
…………さて、どう出てきますかね【ルシフェリオン】は
カード紹介
【熾天の六座ーセラフィムオブエンジェリルー】
神聖なる使徒である六人の男女に■■■から与えられた玉座。
神聖なるモンスターを一時的に出す効果だが、攻撃と防衛を行えない上にターン終了時に破棄されてしまう。しかし、ターンカウンターが8以上の時に使徒たちの方を出せば、効果が無効にはなっていないのでそのまま覚醒でデメリットを踏み倒せる。




