【受賞記念】27-0.クリスマスプレゼントお悩み中
謎のアンケート4位、27章開始直前
「あ゙゙~~~~~~~~~」
右からも左からも色々な連絡の来る年末。を、無視して開いたEFOのアイテム一覧ページ。だけど何も決まらなくて、もう何度目かになる溜息を吐いた。
「まだ決まらないのか」
隣で淡々と仕事をしていた親友が、呆れた声を出した。
「決まんねえ~~~~~」
ぽんすけへのプレゼントはENVYが悪ノリに乗ってくれたので速攻で決まった。
ニンカとグライドへのプレゼントは、配信仲間的にはこういうのあったらいいんじゃない?と思ったらサクッと決まった。
だけどセリスへのプレゼントだけが、決まらない。しっくりこない。
「うー……ロイは?何にした?」
「VIP温泉券を束にしてラッピングした」
「VIP温泉券……なんでまたそんなもん」
VIP温泉券は、普通の温泉とは別にあるバフ効果の付く温泉に入れるチケットだ。確か全ステータス10%アップバフが1時間とか付く。
事前バフは上級以上のボスだと大抵戦闘開始時にバフの剥奪をされるので役に立たないが、ストーリー進行中やお使いクエストや素材集めで雑魚をたくさん狩る場合なんかに便利だ。
ソロ~ペアとか、バッファーがパーティにいないエンジョイ勢が主に利用している。
この温泉券、イベントでパラパラ配る他にガチャのハズレ枠として出るので、ギルド倉庫には常時かなりの量が入っている。共有倉庫内のものはすべて自由に使っていいと伝えてあるし、渡す必要が分からん。
「最近、気付いたんだが」
「おう?」
「セリスがVIP温泉を使っているところを、見たことがない」
「…………」
いやまあ、そんな常時監視してるわけじゃないし普通に見てないだけじゃね?あの子の頻度でソロで素材狩りしてて温泉つかってないのはないだろ。
「たまたまかと思っていたんだが……ほら、11月の前半はギルドにはノータッチだっただろう?」
「そうな」
「その間、温泉券が一枚も減っていなかった。倉庫はかなり充実していたし、無卿からもセリスがソロで大分素材を集めてくれたと聞いていたので、使ってないんだろうなと」
「そんなことある?」
あの腐る程余ってる温泉券を?使ってない?ワープポイントまであって、ご丁寧に過去世界でも同じチケットが使えたあの温泉を?使わないで1時間以上素材狩ってるって?
「おそらくだが、ガチャのハズレ枠は、セリス的には課金アイテム扱いなのではないかと……」
「なんて?」
ハズレはハズレなんだよ。あれはもはや課金アイテムなんかじゃない、ただのゴミなの。
ユーザーマーケットの出品処理のほうがめんどくさくて倉庫に放り込みっぱなしの紙くずを課金アイテムですとか言われても困るが。
「ゴミを渡すのもどうかと思ったんだが、一度プレゼントとしてきちんと渡しておこうかと」
「いや、うん、マジでタダのゴミだからプレゼントですってのもアレだけど、やりたいことは分かった」
「100枚入れたんだが、1000枚に増やすかは悩んでいる」
「増やせば?」
「やはりそうか……」
増やしとけよ。倉庫の在庫全部渡したっていい。どうせ次のガチャでまた勝手に増殖するんだから。
「あ~~~でもそっか、ロイは決まってんのかぁ……」
「まあ、僕側からあまり凝ったものを送っても仕方ないだろう」
「それは、うん、ありがとう」
クリスマスイブという日に呼びつけておいて、何もあげないという選択肢はない。その上でこの気遣い上手な親友は、俺よりも明らかに絶対に下になる、ギルド運営寄りのプレゼントを選んでくれている。
「君は何を悩んでるんだ?」
「んー……アクセサリー、前回着けてもらえなかったのが実はこう、思った以上に結構引きずってて」
「ああ、なるほど」
「じゃあハウジングアイテムかなと思ったんだけど、セリスの部屋の雰囲気を知らなくてさ。見たこともないし」
「ああ」
「誕プレのプリズムフラワーは飾ってあるんだろうけど、じゃあクリスタル系でなんか揃えるか?と思ったらちょっとこう、華美なんだよな」
「そうだな」
クリスタルやなんかのアイテムは基本的に何かしらエフェクトが走っていて、キラキラしている。
全体をクリスタル調でまとめるとかなりギラついた部屋になるんだよな。小さい飾りならいいアクセントだけれど、アクセントアイテムとして使ってほしいならやはり部屋全体の雰囲気が分からないと微妙だ。できれば、今回のプレゼントは使って欲しい。
「別に」
ロイが呆れたようにこぼす。
「アバターでもいいんじゃないのか?クリスマスプレゼントなら使うだろう」
「そう……かねぇ……」
そのアバターもね、ガチャとかの課金ででるやつは受け取ってもらえないかもって思うとそれも難しいんだよね。
店売り品を渡すのはちょっと違うかなと思っていて、セリスが始める前の大規模なアバター作成イベントだとやはり一周年記念の狂い咲きシリーズになるんだけど、同じシリーズから何度も渡すのもなんというか、適して当たっていない方のテキトー感が強い。テキトーに選んだなと彼女に思われたくない。
セリスの雰囲気に合わせると和風かなと思うのだけど、和風衣装系は店売りと課金品ばかりだ。何かいいものがないものか。
「決まらないなら、一旦こちらの案件を処理してから悩んでくれるか」
しばらく悩んでいたら、親友は容赦なく目の前に仕事を積み上げた。
そういえばトーウェイタウン解放記念に売られていた限定店売りアバターがあったはずだと思い出すのは、クリスマスイブの実に三日前だった。
順番前後してしまうのですがこのネタ年越したらちょっと投稿微妙だなということで……
今年も一年お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。




