表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/48

 キンコンカンコン――。

 と文字で表現されることの多いチャイムだが、昔からあたしの耳にはそう聞こえない。たとえば「リンゴンランゴン」みたいな、もう少し重いカサついた音に聞こえる。元々は「ウェストミンスターの鐘」と呼ばれる、ビッグ・ベンが鳴らす時鐘のメロディなのだそうだ。

 だからどうした、ということなのだけど、要するに、あたしは特別反体制的な人間ではないということだ。むしろその逆。仮に自分の耳にはちょっと違うように聞こえていたとしても、「チャイムの音ってのは『キンコンカンコン』なんですよ」と多数の人が言えば、「ああそうなんですね、わかりました」と自分を流せてしまう人間であるということ。どうでもいい議論にエネルギーを使うのはもったいない。

 そんなあたしの耳に、今日のチャイムはいつにも増して「リンゴンランゴン」に聞こえる。「ロンゴンルンゴン」にも近い。終鈴とともに、級友たちはそそくさと席を立ち、それぞれの放課後の活動へと向かいはじめる。みな、青春はこれからが本番だとばかりに、その顔は活き活きとしている。

 はあ、とため息をつき、のそのそと自分の席から立ち上がる。かく言うあたしも、これから部活に向かわなければならない。教室を出て、部室棟へ向かう。

 部室棟の階段を下りながら、はあ、と二度目、いや三度目のため息をついた。ロンゴンルンゴン。重いチャイムの残響が頭の裏側で鳴る。

 ――どうしよう。

 目下、あたしの脳内を占めている悩み事がその色濃さを増していく。それは前回の霊球(れいきゅう)部での活動中に起こった出来事だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ