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プロローグ

初回3話連日更新です。

 それは雪が降り、とても寒い日だった。

 教会の前に1人の赤子が捨てられていた。

 その子を見つけた修道女はすぐに、教会が運営している孤児院へと預けた。

 彼女は『リベア』と名付けられ、美しく成長した。

 彼女の周りには、共に孤児院で育った子供たちの姿があった。

 その中でも特に仲が良かったのは『シオン』という少年だった。同い年の彼とは、遊ぶ時も食事の時もずっと一緒にいた。


「俺、ここを出たら冒険者になる」


 いつものように外で遊んでいると、シオンが突然言い出した。

 孤児院にいられるのは、成人年齢である15歳までで、12歳の2人はあと3年しかいられない。


「シオンならあっという間にSランクになっちゃうよ!」

「そ、そうかな……。リベアはどうするんだ?」


 リベアの無邪気さに少し照れながら、それを隠すように尋ねた。


「私も冒険者になる! それとね……」


 視線を下に逸らしながら、小さな声で呟いた。


「……シオンのお嫁さんになりたい」

「なんて?」

「ううん、なんでもない! あっ、シスターだ!」


 リベアは話をそらすように辺りを見ると、シスターを見つけた。

 シスターは微笑みながら、リベアたちに近づいて来た。


「あら、今日も2人は仲良しね。もうすぐ食事の時間ですから一緒に行きましょう」



 ◇◇◇◇



 それから3年の月日が流れ、シオンが15歳になった。

 彼はこれから近くの街に行って冒険者登録をする。


「私もすぐに追いつくから待っててね!」

「待ってる」

「絶対だからね!」


 何度も確認するリベアを宥めるように、シオンは彼女の頭に手を乗せた。


「俺はちゃんと待ってる」

「うん……」


 その言葉に、リベアは小さく頷いた。

 シスターが1本の剣を持って、シオンの元へやって来た。

 それは、瑠璃色の鞘に、黄色の鍔がついた細身の両手剣。


「シオン。これはアキレア工房から貴方へ贈られた剣です。この剣に恥じぬ剣士になってくださいね」

「はい、シスター」


 しっかりと返事をし、剣を受け取り腰へ下げた。


「貴方に女神カトレア様のご加護があらんことを」


 その祈りを胸に、シオンは新たな人生へと一歩を踏み出した。



 ◇◇◇◇



 シオンの旅立ちから半年が過ぎ、リベアも15歳になった。


「シオン、ちゃんと待ってくれてるかな……?」

「彼は待ってる、と言ったのでしょう。ならば、それを信じなさい」


 不安がるリベアをシスターが励ました。

 それから、リベアへ1本の杖を渡した。

 それは、金色の長い柄に、碧色の丸い石がついた杖。


「リベア。これはアキレア工房から貴女へ贈られた杖です。この杖に恥じぬ魔法使いになってくださいね」

「はい、シスター!」

「貴女に女神カトレア様のご加護があらんことを」


 リベアもまた、新たな人生へと一歩を踏み出した。

お読みいただきありがとうございます。

次回更新は8月6日(木)です。

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