6話:通信高校講座と配送事業
そして、加藤と竜二が食べ始めた。竜二は、若いだけあり食欲旺盛でしばらくすると肉がなくなった。下味をつけた薄切りの豚肉を追加し今度は小さく切ったピーマンと薄く切った人参も足した。御飯をよそって、焼き肉をつまんでは、御飯を食べた。
30分後、竜二が、もう腹一杯と笑った。加藤も、もう充分だと言い箸を置いた。ホットプレートのコンセントを抜いて冷めるまで待って片付け始めた。テーブルを片付けるとNHK通信高校講座の資料をもらって来たと言い教科書は普通の本屋で売ってると言い小さなラジオも渡してくれた。
すると、竜二は、かしこまって、ありがとうございます。しっかり勉強をしますと言った。もし、わかないことがあれば教えてやるから心配するなと、加藤が竜二の肩をたたいた。その時は、教えてくださいと言うと加藤のメガネが曇り涙をこぼした。
こう言う俺も病気で大学を途中で断念したらから、お前の気持ちが痛いほどわかると涙声で話した。すると、じっと我慢していた竜二が、突然、何で、中卒の馬鹿な俺を助けてくれるんだと、肩をふるわせて泣いた。
少し落ち着いた加藤が、多分、俺とお前は馬が合うんだよと静かに語った。これからも二人三脚でやっていこうぜと、加藤が言うと、竜二が、宜しくお願いしますと言い、固い握手を交わした。
14時頃、また、来ますと言い、竜二は原付バイクに乗って帰った。がて1966年が終わり1967年を迎えた。この年の稼ぎを入れて竜二の貯金残高が180万円となった。1967年初詣でに行き竜二が加藤さんと出会えた事を神様に感謝した。
竜二は、今年で、18歳になるので車の免許を取った。その後、駅留めの荷物の配送を仕事を増やそうと考えた。5月10日に、また遊びに来いと、加藤さんから連絡が入り、出かけた。すると昼飯を食べて行けと言われ、鮭を買ってあると言い、ご馳走になった。
昼食を終えるとNHKの通信高校講座について説明を受けた。それによるとラジオでやってるNHKの通信高校講座を聞いて勉強して所定の単位を取れば高校卒業の資格が取れると言う。
竜二が興味があると言うと加藤が、使ってないラジオが1つあるから、お前にやる。それで、勉強する気になったら、毎年4月から授業が始まるので、本屋で通信高校講座の教科書買って、勉強を始めると良いと言われた。
そして多くの話をされ14時過ぎ、竜二は帰った。その後、竜二は顔が、広いのを利用して荷物の集配事業を始めた。その地域は、城山、津久井、川尻、相模湖、道志川村、清川村と考えた。
その地区の家で預かった荷物を橋本駅、八王子駅、相模原駅に持って行って、貨物に積み込む。そして、反対に、それらの駅止めで、契約した家向けの荷物を城山、津久井、川尻、相模湖、道志川村、清川村地区のお客さんの家にバイクで配達する仕事を電話で受けるようになった。
毎日、数件ずつ仕事を受けて、少しずつ稼いでいった。その後、18歳になったら実家のトラックを借りて駅止めの荷物をもっと大がかりに配達しようと考えた。そこで18歳になったら免許を取るために家の小型トラックを借りて人気のない山の原っぱで1人密かに小型トラックの運転練習をした。
たまに父に横に乗ってもらい、左右の見方、ウインカーの出し方、エンジンブレーキ、坂道発進、一時停止の仕方など、細かく教えてもらった。そして1967年10月10日の18歳の誕生日を待った。
その後、10月10日に一発合格をめざしたが、落ちてしまし、落ちた原因を教官に聞いて再度練習を重ね11月12日の2度目の実地試験で合格。めでたく普通免許を取得して実家のトラックを借りて配送の仕事を開始。
橋本駅、八王子駅、相模原駅止めの荷物を駅から遠いところまで運ぶ仕事をすると大当たりして忙しいが儲かった。その後、トラックを借りて宅配の仕事を始めると町のスーパーへ行って買い物を頼まれる仕事が増えてきた。
宅配の仕事は、中元、歳暮のシーズンが多いが買い物の依頼が頻繁に依頼を受けるようになった。そのうちに中元、歳暮を買って、相手先に配送して欲しいと言う話も増えて配送の仕事以外に何も出来なくなった。




