23話 地元の少女
「あ〜、食った食った、こんな満足感のある飯何年ぶりか分からねぇや。今まではトラックでコンビニ飯が多かったからな。」
迅はそう口にすると腹をさする。
アウトローズの5人は店を出た。
あれ、なんだ、あそこ。
周りの人間の視線が一点に集まっている。気になって鉄也もそちらの方に視線を向けた。
「おい、嬢ちゃん。暇か?俺と遊ばね?」
強面で頬に傷がついた成人男性がナンパをしているようだった。
明らかにヤバそうなのに絡まれてる。まずい。助けないと。
鉄也は女性の方を向き男性を静止するために動き出す。
女性にしては高い身長。そのおかげもあってか女性はあまり男性の威圧感を感じていないように思えた。下は色褪せ、膝に穴の開いたダメージジーンズで上はオーバースリーブで右肩を出している。膝まで伸びたポニーテールが風に揺れる。彼女にはサングラスがよく似合う少女だった。
男は彼女の手をガッチリつかんで離さない。
ドテンッ
男はいきなり姿勢を崩す。
「悪いけどアタシさ、横浜一筋なんだよね。アンタなんかに興味ないわけ。とっとと失せてくれないかな?」
「てめぇ、バカにしやがって⋯⋯。」
男は左手で自身のスーツのを開き、右手で中に手を伸ばす。
発砲する気か!?
パンッ
「キャァァァァッ!!!」
甲高い女性の声が聞こえる。
2人の様子を見守っていた女性の一人のようだ。近くにいた市民たちは我先にと姿勢を崩しながら一目散に駆け出していく。
弾丸は鉄也の手中に収束した。
「ダメだよ、女の子に乱暴しちゃ。」
「あらら、アタシ一人でも止めれたんだけどな、⋯⋯まぁ感謝する。」
彼女のケリは的確に男のみぞおちを穿った。
「んであんたたちはどこのもん?明らかに動きが素人じゃないんだけど?」
少女は鉄也たちを警戒する。握りしめた拳はほどかない。
「それを聞くならまずは自分から名乗るべきじゃないか?」
「それもそうか。」
彼女は固く握りしめた拳をほどいて5人と向き合う。
「アタシの名前は回生 虎春[かいせい こはる]。横浜が大好きな普通の女子高生よ。」




