第2話 顔とは真逆のドS野郎登場
「くそぉ、どこなんだここは秋もいないし、秋どころか人っ子一人いやしない…」
そうぶつくさ言いながら森を探索すること約5分程、突然どこからともなく声が聞こえてきた。それはよく学校の放送で流れるような音質だった。そしてこの声どこかで聞き覚えが…
「皆さん突然のことに戸惑っているかと思いますが安心してください。この森は我が学園の敷地ないとなっておりますので動物に襲われることはありません。」
この森が敷地内ということを聞き動物に襲われる心配をしていなかったことにきずいた。でも、安全との事なので気にしなくてもいいが。あとこの声入学で司会を務めてた人だな。
「今皆さんには先程転送する直前にも申した通りクラス分けテストをしてもらっています。そのテストの内容は、魔法を駆使し新入生達で戦って貰います。ですが心配はしないで下さい。実際に魔法で攻撃しても体が損傷することはありません。ある一定のダメージを与えられると失格となり元の体育館へと戻ってきます。これがこのテストのルールとなりますが最後に魔法についてはこの放送が終わった直後、目の前にダンボールが現れます。その中に入っている紙を見て下さい。詳しくはその紙に書いてあります。では長くなりましたがこれで放送を終わります。皆さん少しでも生き残れるよう死力を尽くしてください。」
そう言ったかと思うと放送は終わった。はっきりいって全く状況が理解できないがとにかくこれはクラス分けテストなんだな、というか肝心の魔法を使う方法とか全く説明なかったし…どうやって魔法なんて使うんだよ。
俺は試しにそれっぽいポーズをとり、右の手のひらを前に突き出してみた、すると目の前に1つの箱が現れた。
「うぉ!なんか出た!ってあの説明にあったダンボールかよ」
俺はガックリと肩を落として、ゆっくりダンボールの元へと歩いていった。なかを開けてみるとメモ用紙程の白い小さな紙とタブレットに似た機械が入っていた。
「なんだこれ?とりあえず紙を見るか、えーっとあなたの使える魔法はこの紙と一緒に入っていた機械で知ることが出来ます。機械については電源を入れ、あなたの手のひらを当てるだけで大丈夫です、か。さっきの俺の手のひらを突き出すやつは何だったんだよ…」
俺は書いてある通りに機械の電源を入れ、映し出された手形の部分に手のひらを当てた。1人1人確かめるってことは当然全員の使える魔法は違うのか、俺はどんな魔法使えるのかな炎が出るやつか?それともなんでも凍らせられるやつか?いやいや雷かも…
「ピピッ…あなたの使える魔法は『ナババ』と言われるものです」
おぉ!でたでた、えっとナババ?どんな魔法か想像も出来ないな…まぁやってみるか。ナババって言えばいいのか?俺はさっきと同じように右の手のひらを前に突き出して叫んだ
「ナババ!!」
すると手のひらから突如として魔法陣が出現した。俺の初めての魔法記念だ。きっとこれからこの魔法で新入生達とも激闘を繰り広げるんだな、少なからずワクワクしてきた。そして、遂に魔法陣からなにかが形を成して出てきた!個体系!?てことは岩系の魔法か!?それかやっぱ氷が飛んでく魔法…
ぽんっ
「ぽん?」
魔法陣から行き良いよく出てきたのは岩でも氷でもなく何の変哲もない、美しいと言えるほどの
「ば、バナナ…そ、そ、そんなバナナァァァァァァア!!」
そして、この後聞こえだした激しい戦闘の音にビクビクしながらなんとか洞窟を見つけて避難したわけだ。ははっ、笑えるよな俺が使える唯一の魔法がバナナを出すだけの魔法だなんて、バナナだぞバナナなんでだよ、俺は赤い帽子を被ってないし、どこぞのコングでもないぞぉぉぉ…俺は泣きながらバナナを出し、食べ始めた。くそぉ上手いよぉ。
体育座りで顔を伏せている時間が長くに渡り続いた。相変わらず戦闘のものと見られる爆音は鳴り止まず、この洞窟からでることが出来ない。もういっそ失格になってしまえば楽なのかもな…
弱音を吐く俺。朝はあんなに新たな刺激への邂逅に胸を膨らませていたのに、今ではその胸は空気の抜けたふうせんのようになり、代わりに腹がバナナによって膨らんでいた。
「もう失格になろう、」
そう言って立ち上がり、洞窟を出ようとすると、今まで聞こえていた爆音とはべつの新たな音が聞こえてきた、足音だ。敵(新入生)か?ちょうどいい、この人に倒してもらうか。きっとこの人は俺なんかとは比べ物にならない様な魔法を使うんだろうな…
「なぁ誰かいるんだろ?俺は何もしないからさっさと倒してくれよ」
「…」
応答はない。警戒してるのか?ならいいこちらから行くまでだ、少し近ずいて行くと今まで逆光で見えなかった顔が少しずつ見えてきた。その顔は何とも優しそうで臆病そうな顔。性格をもう少し肉食系にしていけばモテるという系の顔だ。身長は俺とあまり変わらないくらいで170センチほどか?近ずいて行くとようやく口を開いた。
「なんで自分から攻撃されに来るの?」
「俺の魔法ははっきりいっていや、言わなくても使い物にならないからな。諦めたんだ」
「へぇ〜そうか〜君…ドMなんだね」
そう言うと男はニヤリとし、なんともドSティックな笑みを見せた。さっきまでとは雰囲気からして大違いだ。てかなんだこいつ、俺の話を聞いてたのか!?どうやったらそういう答えに行き着くんだ!
「言っておくが俺はドMじゃないぞ」
「君さ〜なんか顔が犬っぽいから僕のペットになりなよ、名前はボンね。それでボンは魔法が役に立たないんだ〜。だったら助けて上げるよ飼い主として」
「お前さっきの話ちゃんと聞いてるじゃねぇか!てか勝手に命名してペットにするな!何がボンだ!ヤクザのせがれか!」
「そうか〜そんなにワンワン言って、餌でも欲しいのかな〜?ほら、バナナ食いな」
「だから俺は犬じゃねぇ!てかバナナ!?」
男は落ちていた俺の食べかけのバナナを拾い食べさせようとしてきた。生憎バナナもう1年ほどは食いたくない。バナナを叩き落とし男を睨む。すると男は笑いながら、自らの名前を言ってきた。
「僕の名前は愛善 冬樹。飼い主の名だ、しっかり覚えろよボン。」
「冬樹か、冬樹いい加減怒るぞ?」
愛善 冬樹。このドS野郎との出会いが俺の今後のマジックスクールライフをより難しくしていくことをこの時の俺は知らない。




