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放課後乱闘ライヴズ  作者: (=`ω´=)
四日目
61/109

05-07 自称魔法少女たちの疑問。

 ……やはり、痛むなあ。

 と、西城沙名は思う。

 昨日の朝、強打した肩のことである。


 例の一件のあと、保健室で湿布をして貰い、そのあと、放課後になってからも念のため、学校近くの整形外科へ駆け込んで診察して貰った。

 骨に異常はないようだが、痣になっているといわれ、痛み止めの湿布を何日か分、処方して貰った。

 湿布を使い切ってもまだ異常があるようだったら、改めて診察する必要がある、ということらしい。

 裏を返せば、それだけに日数で自然治癒する程度の疾患でしかなかった、ということになる。

 

 あの高さから落下して、それで済んだのだから僥倖と思うべきなのだろう。

 西城自身も、「運がいい」とは思っている。

 しかし同時に、なんとも足下が寒くなる気持ちも感じてしまった。


 西城ら、自称魔法少女の四人組に与えられたスキルは、単純に強力な攻撃力を持つだけではなく、使用者の意向もかなり細かく反映してくれる。

 ゲームの性質を考慮したら、かなり優遇されたスキルであるといえよう。

 しかし。

 いや、だからこそ、というべきか。

 そのスキル以外の、素のままの自分の身体は、あまりにも脆弱に思えた。


 たとえば、西城自身のスキル『アイスエイジ』を例にとってみると、その『アイスエイジ』を使用して西城の体を破壊することは、あまりにも簡単すぎるのだ。

 いや、西城個人の肉体に限らず、現在のレベルの『アイスエイジ』であれば、この教室中を一気に凍てつかせ、絶対零度に近い温度まで気温を低下させるこさえ、造作もなくできる。

 現在の『アイスエイジ』のレベルが高い、という要因もあるのだが……それ以上に、このスキル自体が、他の生徒たちのスキルと比較しても、不自然なほどに強力なのだった。

 そしてその事情については、他の事情自称魔法少女たちに与えられたスキルについても、かなりのところ、共通している。


 彼女たちが初日から本気でゲームに取り組んでいたら、今頃はすでになんらかの決着がついているのではないか?


 不遜な発想なのかも知れないが……そんなことさえ、思ってしまう。

 それくらい、彼女たち四人のスキルは、「他者を攻撃する」という機能に限定していえば、桁外れに優秀だった。

 自称魔法少女の四人の中では、おそらく夢川明日夢のスキル『疾風怒濤』が一番、殺傷能力を持たないわけだが、その『疾風怒涛』でさえ、使いようによっては一撃必殺の凶器とない得るポテンシャルを持っている。

 なにより彼女たちのスキルは、その性質上、受け止めるたり受け流すこと、それに避けたり逃げたりすることも、できない。

 本気で狙われたら、もはや逃げようがないのだ。

 これを「不自然に有利」と思わずに、いったいどのように解釈をすればいいのか?


 仮説は、いくつか思いつく。

 リライターは、そもそもの最初から、プレイヤーである生徒間の公正性を重視していない。

 それから……そう。

 西城たち四人が、自分のスキルの強力さに気づいたあとも、すぐに使用して他の生徒たちを一掃しない性格であることを見越した上で、与えている可能性もあった。

 リライターと呼ばれる存在が、どのような基準をもって生徒たちに与えるスキルを選択したのかは想像するしかないわけだが……意外と、各生徒たちの思考や嗜好、経歴なども考慮した上で、決定しているのではないか?

 たとえば……自分のスキルの強力さに酔い、すぐに見境なく他者を傷つけて回るような者には、あえて強力なスキルを与えていない、とか。


 仮説はあくまで仮説であり、どこまで考えを巡らせても実際に検証をする方法はなく、単なる空論に終始してしまうわけだが……。


 いずれにせよ、リライターがこのようなスキルを与え、このようなゲームを設定した根本的な動機が見えない、という「不気味さ」は、頑として存在するのであった。

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