第43話 魂の定着
怪奇屋のカウンター?そうだ。神様にスキルをもらって幽霊として降ろしてもらったんだったね。シアはいないのかな?といっても体は私の体なんだろうけど・・・
2階も見てみたけどいないね。外には出たくないかな。万が一すれ違っちゃったりしても嫌だし。
「アリス!」
ドアが勢いよくあく音と一緒に私の声?ってことはシア?
「シア!よかった。」
「本当にアリスなのじゃな?」
「本当だよ。私をこの世界に送ってくれた神様が霊体ではあるけどこの世界に送ってくれてね。」
「そうか。じゃが・・・」
「私が死んじゃったことには変わりないけど、魂としては生きてるし自由意志だってある。それにあなたたちがどういう状態なのかも神様から聞いて知ってるから、あとは全部私に任せて!」
「妾の状態も知っておるのか。じゃが、これは妾の魂の強度の問題じゃ。どうにかできるものでもない。」
「私さ、元々持ってたスキルはその体に刻まれてるからもう使えないんだよ。その代わりに神様から2つスキルをもらったんだ。そのスキルは1つが血の通う人間の肉体を作り出せるもの、もう1つがその肉体に任意の魂を宿らせるもの。」
「ならその肉体にアリスの魂が宿れば実体を持てるではないか。」
「そうだね。それじゃスキルを使うから2階に来てくれる?万が一の時のためにシアにもついててほしくてね。」
「分かったのじゃ。」
シアは自分が滅びるとしても私が人間として生きることを望んでる。でも、それは私だっておんなじこと。私の場合は滅びるわけでもないんだし。
「[肉体錬成]」
元のレイの肉体にできるだけ似せた肉体を作る。このスキル、イメージの中にある姿をそのまま作れるみたいだね。しかもスキルを1つ付与できるみたいだから[怪奇視]のスキルをつけておこうかな。私のことを見れるだろうし。
「いくよ。[霊体操作]」
霊体、魂もこれに含まれる。シアの体の中にいるレイの魂を引っ張り出して新しく作った肉体に叩き込む!
「失敗したのか?」
「いや、成功だよ。じきに目覚める。」
「じゃがおぬしの魂は霊体としてそこにおるではないか。」
「そうだよ。この体にはレイに入ってもらったんだ。そうすればシア、あなたも肉体が壊れでもしない限り生き続けられるでしょ?」
「そうか。妾のために。じゃが、スキルなのであろう?自分の肉体を作れば・・・」
「残念ながらそうはいかないんだよね。霊体だから[霊体操作]のスキルがなくても肉体とか物に宿ることはできるんだけど、今使った2つのスキルは両方とも1回ずつしか使えないからね。」
「なんじゃと!なぜ自分を犠牲にするようなことを・・・」
「犠牲なんてそんな大げさな。私は2人と一緒に居られれば満足だからね。それに怪異を追い求めるものとして幽霊になるなんて最高じゃん?」
「・・・・・・」
「だからそんな暗い雰囲気にならないで。せっかく私が帰ってきたんだから。」
「そう、じゃな。それにレイも明日には目覚めるじゃろうしな。」
「うん。肉体に[怪奇視]のスキルを刻んでおいたから私のことも見えると思うよ。」
「そうか。そうじゃった!ドリアルに報告に行くと言っておったのじゃった。」
「それは行ってあげないとね。せっかくだし私も行こうかな。」
「そうじゃな。一緒に行くとするか。」
久々な感じのする街をシアと一緒に歩いて、と言っても私は霊体だから浮いてるけど、一緒にギルドに来た。
「シア、戻ったか。」
「うむ。待たせたのじゃ。」
「それで、どうなった。」
「アリスは霊体ではあるがこの世界に戻ってきたようじゃ。本人曰くこの世界にアリスを送った者にスキルを与えられたうえで霊体として戻ってきたとのことじゃ。」
「そうか。霊体としてってことは俺には見えねぇんだな。」
「そうじゃな。今この場におるからの。」
「いるのかよ!まぁ、いい。戻ってこれたようで何よりだ。」
「妾が消滅寸前という話も聞いておったようでな。与えられたスキルであっという間に解決してもうた。」
「魂が衰弱してるって話だろ?いったいどうやって・・・」
「使用回数に制限がある代わりにかなりの力を持ったスキルをもらったようでな。人体を作り出し、妾の中にいたレイの魂をその体に入れおったのじゃ。」
「人体を作る!?そんな馬鹿な・・・」
「事実じゃ。1回しか使えぬということじゃから見ての通りアリス自身は霊体のままじゃがな。」
「そうか。霊体が入り込める器なんてものは持っていたとしてもゴーストプリズムだろうからな。」
「もう崩壊しておる故どうにもならなかろう。妾は手段をあきらめるつもりはないがの。」
「そうか。アリスはこの世界を救った英雄だ。俺も手段を探してみるよしよう。」
「何か分かったら知らせておくれ。」
「もちろんだ。」
「それでは妾たちはこれで失礼するのじゃ。」
「ギルマスに言わなくてよかったの?」
「何がじゃ?」
「寿命について。シアも分かってるんでしょ?」
「そうじゃな。妾のこの肉体は妾の魂が根付いている限り老いることもない。レイの肉体もそうなのであろう?」
「うん。だから私たちは誰かに殺されない限りは永遠を生きることになる。」
「上等なのじゃ。世界に危機が迫ろうとアリスが命を懸けてまで守った世界を妾とレイで守って見せるのじゃ。」
「心強いね。できることは少ないだろうけど私も手伝うよ。」
「そうじゃな。3人でこの世界の守り神となろうではないか。」




