彼女
人を愛する事の尊さとは何物にも代えがたい
出会って恋に落ちて愛を誓う
君と誓い合う愛
君が居なくなったとしても消える事はないだろう
僕が28の時に知り合った君は
まだ幼さが残った16歳の少女だった
同じ趣味を持っていた僕達は
出会うべくして出会ったのかもしれない
ただ年も離れていたからか女性としてではなく
妹のように思っていた
何気ない会話を繰り返す日々
僕は元々会話をする事が苦手だが
楽しそうに聞いてくれる彼女には
不思議と幾らでも話せる気がした
そんな彼女にいつしか心惹かれていた
でも僕と彼女は一回りも歳が離れている
相手にされるとは思わなかった
もし想いを伝えてしまったなら
彼女は僕を拒むのだろうか
そんな恐怖が頭に巡って毎日の会話が減った
素っ気なくなる僕に彼女は不安そうに言った
”最近冷たいね。私何か気に障ることしたかな?
前みたいに楽しくお話したいよ”
今にも泣きだしそうな彼女の声に
胸が苦しくなった
僕は何がしたいんだろう
こんな風に悲しませたかった訳じゃないのに
ぽつりぽつりと口から言葉が出てきた
”僕は君の事を好きになってしまったんだ。
でも伝える事が出来なかった
好きだからこそ拒まれる事を恐れたんだ
ごめんね
こんな形になってしまったけれど
君の事が好きで、傍に居たいんだ”
驚いた表情をして、それから彼女は泣き出した
やっぱり言わなければ良かったのかもしれない
ごめんねと謝る僕に彼女が言った
”謝らないで。
悲しくて泣いてるわけじゃないの
嬉しくて涙が出てるの
あなたに好きと言われた事がとても嬉しい
私もあなたが好きです”
驚いたと同時に嬉しかった
その後の事はあまり覚えていない
ただ彼女を僕の残りの時間全てを使って守りたいと思った
それだけは覚えている
彼女が僕の恋人になって
僕の世界は変わった
彼女と一緒に見るもの全てが美しかった
彼女の笑顔も、怒った顔も、泣いた顔も
全て愛おしかった
彼女が傍に居てくれるだけで
幸せだと感じた
彼女と出会って8年が経った今日
彼女は僕の恋人ではなくなった
2人で役所に用紙を持っていく
彼女は今日から僕の奥さんになる
今までありがとう
これからもよろしくね
僕の命にかえても君を大事にする事を誓う
愛してる




