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変化

メーリカ村。人口100人に満たない小さな村。特産は、トマト。どこにでもある小さな村であったはずだと、カインは報告書を見ながら疑問を感じていた。


カインは、ルクティア・ベルナード伯爵に仕える侍従である。

ルクティア・ベルナード伯爵は、若くしてヘルメート領を継ぎ、その手腕でヘルメート領を前領主より一層豊かにしている。


銀糸のような髪に、夜の海のような瞳。物腰は穏やかで、紳士として知られている青年。

一人で何もかも抱え込もうとするのがたまに傷だが、最高の主人であるとカインは思っている。


そんなルクティアが治めているヘルメート領は、三方を山に囲まれ他国に接している。この他国というのがやっかいで、時々兵をよこしては、領内の村から略奪を行うのだ。他国は、略奪者は兵でも自国民ではなく、ただの山賊であるのでこちらが被害を受けようが関係ないとしている。しかし、ただの山賊が組織だった動きができるものか。新品同様の武器をいつも何故持っているのか。こちらが山賊狩りを行うと、山賊は何故いつも他国へ逃げるのか。


ルクティア様が伯爵になってからは、山賊が襲うことは少なくなってきたが、それでも頭の痛い問題であることは変わりない。


それがだ。


「ただの村人に退治されただと?」



報告書には、メーリカ村を襲った山賊が突然神の怒りにふれ殺されたとかかれていた。


カインは、神など信じていない。すべては人の意思が奇跡と呼ばれるものを起こしているのだ。



「リスティね。」


報告書にかかれていたのは、リスティという少女に襲いかかろうとした時、突然炎が山賊を襲ったのだという。


炎が突然人を襲う。それだけ聞けば、天罰と思っても仕方ないだろう。だが、魔術なら人の意思で起こせる。


魔術を扱えるものは、非常に少ない。だから魔術を扱えるならば国に士官し、役人として働くことで莫大な給金を貰え、生涯安定した暮らしができる。


人は魔術が使えるか使えないかで、一生涯がかわるのだ。魔術が使えるかどうかは、生まれてすぐにわかる。その際魔術が使えないと判断されれば、通常死ぬまで魔術は使えない。例外は、聞いたことはない。


もし、リスティがその例外ならば?



魔術を使えないとされたものが、魔術を使えるようになる。

この理由を明らかにすることができれば、このヘルメート領はさらに発展できる。王都や他国よりさらに力をつけることができる。



「まずは、報告だな。」


ルクティア様ならば、きっと。


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