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夢人〜Dreamer〜  作者: chro
24/33

22.クランの過去

◇リーフ



 秋もすっかり深まったある日、それは唐突な一本の電話から始まった。

 あの悪夢のような病床からやっと解放されたのは、まだ昨日の話で、街でもようやく感染拡大が終息したようだった。今も赤くひりひりする鼻に注意しながら、口のまわりに用心深くかみそりの刃を当てていく。薬の副作用でくしゃみが止まらなくなってからは、ひげを剃るのさえ満足にできず、おかげで病を口実にずっと外出できなかった。

 だから、今日これから向かうエリィ達とのランチは、久しぶりに外の空気を吸う意味でも楽しみだ。何しろここ数日、ほとんど同居人の顔しか見ていなかったからな。

「おい、クラン。そろそろ……」

「なっ、なんでお前……!?」

 洗面台から出て声をかけようとしたら、クランは電話中だった。彼にしてはめずらしく眉をひそめて、角度のせいか蒼白にも見える。いつもの酒場仲間や女友達ではないらしい。その雰囲気から、立ち聞きするのは気が引けて、俺は一度部屋に戻った。

「準備はできたのか?」

 少し時間をあけて、静かになったのを確認してから戸を開けると、まだクランは電話の前で立ち尽くしていた。声をかけても、数秒間は気が付かなかった。

「……あ? どうした?」

「待ち合わせの時間だぞ。ひげと髪くらいは整えろよ」

「え……あ、あぁ。わーってるって」

 すぐに行く、と言ったきり、やはりしばらく壁を見つめたまま動かなかった。しかしその目は何かをにらむような、何かに怯えるような、壁ではないどこか遠いところを見据えているようだった。

 結局、三十分ほど遅れてアパートを出て、南地区にあるレストランに向かった。店内は明るく、新鮮な野菜と魚介類で独創的なランチが最近流行っている。奥のテーブルで待っていたイオリとエリィ、そして預かってもらっていたシアが、俺たちの姿を見つけるなりさっそく遅刻を怒った。

「すまない、出かける前にいろいろあってな」

 俺が代わりに謝ったが、遅れる原因となった当の本人は今もうわの空で、しきりとまわりを気にしているようだった。

 それから評判どおりの美味を堪能しながら、シアのおしゃべりとイオリの手話で盛り上がった。俺とエリィは相づちを打ったり感想をはさんだりして、ときどき目が合ったらどちらからともなく笑った。それを見たシアとイオリがまた意味ありげに笑い合うのだが、彼女たちの意図はよくわからない。

(ねぇ、このスープ、おいしいね?)

「……。……え?」

「クランってば、またよそみしてるー。ごはんのときは、おぎょうぎよくしなきゃダメなんだよー」

「あぁ、そうだよな、うん」

 じいやメイド達をさんざん泣かせてきたシアに説教されても、クランは苦笑するばかりだった。いつもなら率先して騒ぐ男が反論ひとつしないとなると、イオリだけでなくシアまで病気ではないかと疑った。

「ん、いや、病気はもう治ったよ。ちょっと、その……あー、なんでもねぇ」

 下手な演技も、ここまでくれば同情する。それは本人もわかっているらしく、落ちつかない様子でついに席を立った。

「悪い。オレ、帰るわ。ちょっとヤボ用があってさ」

 ヤボ用と言って、本当に野暮だった話はほとんどない。そうでなくとも嘘や隠し事ができない性格なのだから、足早に出ていくクランを止めることもできず、俺たちは心配をせずにはいられなかった。

「何かあったの、リーフさん?」

 原因は、明らかにあの電話だろう。心当たりはあっても理由まではわからないから、それをこの場で言うのはやめておいた。


 シアを引き取ってアパートに戻ったが、やはりクランは帰っていなかった。その後も音沙汰がないまま六日が過ぎたが、俺は溜まっていた仕事に忙殺されて、ほとんど部屋から動けなかった。

「ねぇ、クランはどこいったの?」

 久しぶりに帰ってきたシアに言われるまでもなく、俺も戸口や電話にばかり目が行って、書類に集中できなかった。外泊がめずらしいというわけでもないが、別れ際の不審な態度が妙に気にかかっていた。

 唯一の手がかりは(くだん)の電話だが、いったい誰のどのような電話が、彼をあそこまで惑わせたのだろうか。クランの交友関係は広いし、俺は普段からプライベートに干渉しないから、知っている人間は限られている。

「クランの交友関係?」

 ようやく活気の戻りつつある『夢殿(ゆめどの)』の中からウィルドを探して尋ねてみたら、右の義眼が鋭く光り、すぐに困った顔になった。

「お前も大方の想像はついてるだろうが、あんまり大きな声で言えるようなもんじゃねぇんだよ。特に昔のは、な」

 昔……俺と会う前の彼の経緯は、薄々気付いてはいる。が、それを調べようとしたことはないし、以前クランが少し話した程度のことしか知らない。

「オレも直接の関わりはなかったが、だいたいは知ってる。だがヤツが自分から言わねぇ限り、オレから話すわけにはいかねぇな。それがこの世界のスジだ」

「先日かかってきた電話を受けてから、どうも様子がおかしいのだ。彼があれほど困惑しているのは初めて見る。何か、言える範囲で教えてもらえないか?」

 酒場でケンカをしたとき、女性にふられたとき、賭博で失敗したとき。怒ったり落ちこんだり嘆いたりすることは、むしろ日常茶飯事だ。よくもこれだけ感情の起伏を出せるものだと感心したものだが、今回は少し違う。感情を隠すことを知らない者が必死に隠そうとするとき、それはその人間の本質に触れる秘密、または巻きこみたくない問題に他ならない。あるいは、その両方……ん?

「イオリ?」

 対応に困った受付嬢を押しのけるように、イオリが事務室に飛び込んできた。どうして彼女がここにいるのかということを聞くより先に、その真っ青な表情が危急の事態を物語っていた。

(ずっと連絡が取れなかったんだけど、さっきクランを見かけたの。でも……)

「どこでだ?」

(北地区のはずれで、見たことない人たちと一緒だったわ。通りの向こう側で目が合ったんだけど、にらんだ目で『来るな』って言って、そのまま行ってしまったの。あんな苦しそうなクラン、初めてで、私……)

「北地区? なぜそんなところに……」

「もしかして、ナシ街道のあたりか?」

 手話のわからないウィルドが、俺のつぶやきを聞きつけて、すぐに反応した。イオリがうなずくと、視線を落として、口の中で低くうなった。

「まぁ、このまま放っておくわけにもいかねぇか……」

 総長の人情と面倒見のよさは今も健在だからこそ、『夢殿』もきっちりとまとまっている。ウィルドはかなり迷った末に、ある酒場の名前を口にした。


 待っていろと言っておとなしく聞き分けるほど、イオリは素直でも軟弱でもない。むしろ俺が動く前に、先んじて外の通りに駆け出したくらいだ。だから俺も無駄な努力はしないことにして、一緒に坂道を上っていった。

 大国コルスコートの首都として、リシュトは他国に比べるとかなり治安がいい方だが、山すそにある北地区には、不逞(ふてい)(やから)が地下に数多く潜伏していると言われている。言われている、という噂でしか把握できていないのは、国政に関与する者としては情けない限りだ。先日の警備隊および防衛省の不祥事事件によって、少しずつ犯罪の実態状況が洗いだされようとしているものの、全容解明にはいま少しの年月がかかるだろう。

 そんな治安不安定な地区の、山側に梨園が広がっている街道を少し入ると、その酒場はあった。入口は分厚そうな鉄の扉で、くもったガラス窓にはすべてカーテンが引かれていて、“暗闇の(シャドウ・イン・ザ・ダーク)”の名を掲げた看板は排気ガスですす汚れている。外から見る限り、場末の酒場としてはごく普通の様相だ。

(ここにクランがいるの?)

 さすがに緊張しているらしく、イオリの表情はこわばっていた。しかし、ウィルドの情報に間違いはないだろう。

『あそこは夜はただの酒場だが、昼間はバーテンが情報屋をやっている、ゴロツキどものたまり場だ。クランが昔の仲間と動くなら、必ずあそこに来るはずだ』

 イオリにさがっているように言って、ウィルドに教えられた数のノックをしたら、鉄門扉の小窓が開いて、中から痩せた男が目だけを出した。

「ウィルド=スターブからの紹介状だ」

「……。……入んな」

 “暗闇の(シャドウ・イン・ザ・ダーク)”とはよく言ったもので、昼間からやっている酒場の中は、雨が降りだしそうな外より明るいくらいだった。中に入ると、テーブルで飲んでいた連中の鋭い視線を受けながら、背後で扉が閉まる重い音を聞いた。

「ウチを摘発しに来たのかい、閣下?」

 カウンターに座るなり、痩せたバーテンダーがグラスにワインを注ぎながら、いきなり小声でささやいた。ほう……。

「俺を知っているのか」

「この国のことなら、表も裏もなんでも知っている。あんたの好みのワインもな」

 改めて見渡すまでもなく、後ろのテーブル席にはざっと二十人ほどのゴロツキ達が見慣れない顔の様子を伺っている。バーテンダーの合図ひとつで、いっせいに襲いかかってくるだろう。

「事情を知られてマズいのはお互いさまだな。どうだ、取引といかないか?」

「いいだろう。店の経営を邪魔しない限り、あんたを一人の客として扱ってやる」

 よどんだ空気と剣呑な視線に硬くなっているイオリは、このやり取りを理解していなかった。普通の女性が、この雰囲気の中で平静でいられるわけがない。手を握ってうなずいてやると、どうにかグラスを手に取った。

「クラン=オージェの居場所を教えてほしい」

「ふふふ……クラン=オージェ、ね」バーテンダーの細い顔が薄く笑った。「ナシ街道を北西にそれた先にある、町はずれの廃ビルの地下にいるよ」

「その廃ビルで何をしている? 誰と一緒だ?」

「“ソルグ・ケル”っていう、この界隈では大きな組織だ。何をしているのかは、本人の口から直接聞いた方がいいんじゃないかい?」

 組織の数人とともに、今日もここへ来る。そう言ったバーテンダーの言葉を受けるように、鉄門扉が開いた。

(クラン!)

「……!」

 現れた数人のグループの中から一人を見つけ、イオリがばっと立ち上がった。眉をひそめる連中とは別に、その一人が驚愕の表情になる。

「ど、どうしてここに……」

 果たして、戸口に立ち尽くしていたのは、風貌がまるで違うがクランに間違いなかった。自信に溢れた明るい笑みは、無精ひげとすさんだ眼に取って代わられ、自慢だった金髪も暗く(かげ)っている。たった六日で、こうも人間が変わってしまうのか。

「なんだぁ、お嬢ちゃん? オレらにガン飛ばして、いい度胸だなぁ」

「おい、やめろ!」

「あーん? なんだクラン、まさかこいつ、てめぇの女ってんじゃねぇだろうな?」

「俺の連れだ」

 イオリの腕を引いて、俺が前に出た。この程度のゴロツキを黙らせる体格と威厳くらいは持っているつもりだ。

「妙な言いがかりをつけるつもりなら、俺が相手になる。表へ出ろ」

「チッ、うるせぇヤツが来やがったぜ」

 寂れた場末とはいえ、白昼堂々と表通りでケンカをするほどバカでもないらしい。何より情報屋の隠れ家付近での騒ぎは、裏世界では暗黙のご法度となっている。事を荒立てたくない連中は、苦々しげに出ていった。

「……ずいぶんと長い野暮用だったな」

 一人残されたクランに声をかけると、ようやく事態に気付いたように、あわてて外に飛びだそうとしたが、それより早くイオリが彼の腕をつかんだ。

(クラン、待って!)

「なんで、なんで来たんだよ……」

「相棒を見捨てるほど落ちぶれてはいない。お前がそう言ったのだろう」

(私も、あなたを放っておけるほど他人じゃないよ)

「他人じゃないからこそ、お前らにだけは……来てほしくなかったんだ……」

 絞り出すような声で、クランは肩を落とした。あの明朗快活を絵に描いたような男の、こんな悲痛な表情は見たことがない。


 半ばイオリに引っ張られるように外に出たクランとともに、俺たちは北地区と西地区の境にある小さなレストランに入った。混雑する時間帯は終わり、今は親子が一組いるだけの静かで落ちついた空間だ。

(何がそんなにクランを苦しめているの? 今までずっと訊けなかったけど、今日は私、話してくれるまで帰らないからね)

 イオリは頑固というか気丈というか、確信を持ったことには絶対に引かない。そのことを俺より承知しているクランは、逃げ出したい視線で戸口ばかり見ていたが、やがて大きなため息をついた。

「……見てのとおりだよ」

 やっと出てきた言葉を、自暴自棄のように吐き捨てた。嘘をついてごかませるほど器用ではないし、イオリを突き放して見捨てるほど温度の低い関係でもない。

(話して、クラン。どんな過去でも、あなたはあなただから、今の、私の好きなクランが変わるわけじゃないよ。だって、クランはそんな薄っぺらな人間じゃないでしょ?)

「……」

 言葉が見つからず、黙り込めば黙り込むほど自分で自分を追いつめ、クランは退路を失っていた。だが、それで明けるほど、彼の闇は浅いものではなかった。

「オレは汚れてる。お前みたいな、きれいなヤツが触っちゃ駄目なんだ」

 握ろうとしたイオリの手を、恐れにも似た眼で振り払った。それでもイオリは退かず、反対の手も伸ばして両手でしっかりとつかんだ。

(私、そんなにきれいに見える? そんなに(もろ)いと思ってた?)

 クラン、今こそ気付け。ずっと抱え込んでいた暗闇に、これ以上の未来はないことを。すぐ目の前に、差し伸べてくれている手があることを。

(ずっと、独りだったんだよね。だから誰かの手をつかむのに慣れてないんだよね。でも大丈夫。私は絶対に離さないから。私、じつはけっこう握力あるんだよ?)

 くすくす笑うイオリの温度に、ついに冷たい闇が融けはじめた。クランの淀んだ目に涙が溢れ、封じられていた過去とともに流れ出た。


 それは、凄惨という言葉でさえ(はばか)られるものだった。


 九歳のとき、クランは父親によって一人で船に乗せられ、追放のような形で捨てられた。まったく突然のことで、今も理由はわからないらしい。

 船でたどり着いた見知らぬ国で、クランは途方に暮れた。それまで家族の元でごく平凡で幸せな生活しか知らなかったのだから、右も左もわかるわけがない。純真で疑うことのない少年に、すぐに裏社会の魔手が伸びた。

 強盗まがいの恐喝で金や持ち物を奪われ、美しい少年を愛でる男や女にレイプされ、死の間際まで暴力を受け、親切ごかした老人についていくまま奴隷に売られ、家畜以下の扱いで鞭打たれ、助けを求めた警備隊には黙殺され……。


 そんな日々が、五年以上も続いた。逃げる先も、頼る者もなく、強いられる苦痛と絶望の毎日の中で、少年の眼が暗く濁るのは当然のことだった。


 長じて抵抗するすべを手にした少年は、腹をすかせれば食料を盗み、暴力には暴力で応じ、そうすることで闇の底から這い上がろうとした。これまで虐げられていた犯罪組織に自らも入り、あらゆる犯罪に手を染めていった。麻薬や武器の売買、誘拐、殺人、放火、恐喝、強盗。

 しかし、それでも完全に裏社会に沈んだわけではなかった。強盗は悪徳富豪のみ、殺しは敵対組織と警備隊のみ、そして子供の誘拐と麻薬にはけっして手を貸さなかった。組織でも浮いた存在となり、仲間はいても友と呼べる者はなく、だからといって表の世界に生きることもできないまま、暗澹とした年月だけが過ぎていった。

 やがて各地を転々とする中でコルスコートに流れつき、活動を始めたばかりの『夢殿』に入ったことは、まさに運命の転機だった。代表者こそが裏社会を牛耳る総長だっただけに、過去はそこですべて封印され、故郷を離れて初めて日の下に生きることとなった。


 俺がクランに会ったのは、その数年後だ。イオリも現実での出会いは俺より一年ほど早いだけで、そのころには快活で粗暴で気分屋な男の姿しかなかった。

 ときおりよぎる(かげ)りに、気付いていないわけではなかった。わずかな話の断片から、暗い過去があることはわかっていた。しかし、ここまで深く濃い闇だったとは……。

 クランは孤独な十二年間、いったい何を思って生きてきたのだろうか。生きぬくだけで精一杯だったと本人は言っていたが、普通ならば希望のない未来に人格が(つい)えてしまっていただろう。いっそあきらめてしまえば楽なのに、心から堕ちることもできず、表の世界に戻るまでついに明るさを失わなかった。それは奇跡と言ってもいいだろう。

()の者は世界に溢れるあらゆる闇に触れ、今も心に深い暗闇が巣食っている。何度も狭間でたゆといながら、それでも光を追いかけることをあきらめきれない』

 以前、“聖獣”が言っていたのを思い出した。いつからなのか正確な時期はわからないが、定期的に対話をしていたことは、孤独なクランにとっては少なからず支えになっていたのだろう。

(クラン……)

 言葉もなく、イオリはただ抱きしめた。長身のクランが、小柄なイオリにすがりつくように泣いている。クラン、お前は独りなどではない。これまでもこれからも、ずっとそばにいる存在を忘れるな。

「……?」

 ふと顔を上げると、レストランの窓に張り付くようにして、何十人もの男たちが外からのぞいていた。先ほど逃げ帰った組織の連中か。イオリとクランは気付いていない。どこの不逞の輩であろうと、今この場を邪魔させるわけにはいかない。そっと席を立って外へ出ていくと、人相の悪いゴロツキどもがずらりと取り囲んだ。

「やるなら、町のはずれで……」

「我ら一同、ウィルド総長のご命令により、加勢に参上しました!」

 ……。は?

「まずは百人で様子を伺いに来ましたが、必要ならすぐに五百人でも千人でも招集します! どうぞ、ご命令を!」

 ウィルドが手を回して送り込んでくれたらしい屈強な男たちが、いっせいに頭を下げた。役人や衛兵の整列とは違う、これはこれで圧巻な光景だな。後で警備隊と軍を呼んで摘発しようと考えていたが、裏のことは裏でカタをつけるのも悪くないか。何より、相棒としての俺個人の借りがある。

「よし、いくぞ」

 店の中にいる二人が気付く前に、護衛部隊を率いて北地区へと戻っていった。ウィルドに迷惑がかからないよう、明日の新聞は『犯罪組織“ソルグ・ケル”、一夜にして謎の壊滅』という見出しでいこう。事後処理は表の俺の仕事だ。そして、もう二度と引きずり込まれることがないよう、相棒の過去を断ち切る。


 さて、今日だけは俺も暴れるか。


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