武装解除の日
おれは、転移の実情を知っているので、この先、戦いはない。
カラサワ領の12000人にしてみれば、まだまだ、戦いの延長にあるのかもしれないが。10日も経てば、気も緩んできたかな?。
「マサムネ、この先、戦いの場が蘇ってくるとは思えないのだが。それに、新しい未来に歩を進めるべきであり、武装解除しようと思うが、どうだろうか?」
「確かに、戦いの日から10日経ちますが、どうも兵たちも段々だらけてきたようにも見えます。一旦、元の農民や職人などに戻しましょうか。」
「いつまでも、剣や槍を持たせておいて、いざこざに使われるのも困りますね。」とユキ姫。
本部会議で、武器、防具など戦争用のものを各人から引き揚げて、一括管理することを指示した。
これは、指揮官としての命令で各隊長に伝えた。
「戦いの場に戻ることはない。また、周囲の調査により外部からの脅威は認められないことを理由に、すべての武器、武具の回収を行う。すべて本部に集めよ。」
「ないとは思うが、故意に隠し立てしたことが発覚したら、厳罰に処す。」とシン。
その後、3日をかけて武器、防具が集められた。
マサムネは、カラサワ領の領主の弟にあたる方で、軍の信望も厚い偉丈夫である。
何せ、シンより頭一つ背が高く、横幅もクマのようである。