領地の割り当て
シン歴4年の春。
幸い4つの大きな川がある。この間の地を領地にすれば、境がハッキリしてよい。王領はその北側と、残りの全てということにする。でだ、その間には交易道が必要だし、川にはしっかりした橋が必要だ。
道は、草や森に覆われている個所もあるが、既にある。誰が作ったものかも、いつごろ作ったものかもわかっている。覆われているものを除けば少しの労力で整備できる。それに、今の王領にもそれぞれの地域から道が通っている。
1万2千人を同じ場所で統治してもよいが、ここは、分散して自治を認めた方が発展するのではとの思惑である。正しいかどうかは、やってみないとわからないが、せっかく広い土地に来たのだから、夢を見たい。
4年も経つと、本部の会合も月1度となり、民も安定した食事と、眠りが確保された。
ここで、今後の維持発展のために領地の設定と領主の任命を行おうと本部会議に提案した。
「海沿いに草や森に覆われた道がある。また、それぞれの区間から神殿に向かう道も整備できそうだ。予てより打診していた領地拡大の件だ。オルバ隊、ササキ隊、マサカツ隊、ブルグ隊、エルンギ隊に指定していた領地の移動を開始したいのだが、懸念があれば言ってくれ!。知ってのとおり4つの大きな川がある。この川を使って領地を設定すれば境がハッキリしてよい。王領はその北側を主に、残りの全てということにしたいのだが?」
「確かに、これまでに道などを整備してきました。今は古くて崩れたり流されたりしたところもありますが、整地すれば住めるようになります。」
「ただ、すぐにとは難しいので、現状を基盤にして3年かけて徐々にであれば可能かと思います。」
「去年は赤子が300ほど、今後毎年、100人ほどが産まれてくると思いますので、このままでは確かに手狭となりましょう。」
「私は、子供が10歳になるまでは、この本部周辺で育児して、その後、各領地に戻すのが良いかと思います。なぜならば、育児には健康面や特性に応じた仕事への育成など、一貫した取り組みが将来国のためになるかと思います。」とユキから教育への熱い思いが吐露された。
「こどもは国の宝と申しますから、斯様にまとめて育成される方がよろしいかと思います。」
一番東側からオルバ隊、ユルグ川を渡ってササキ隊、カナン川を渡ってマサカツ隊、マリーナ川を渡ってブルグ隊、イシカリ川を渡ってエルンギ隊が領地とし、大隊長が領主となることで落ち着いた。
「それから、王領の維持管理に税と労働分担を設けたい。子供の教育には学校も必要、道の維持管理、治水など共通部分の運営にも人や資材、食料などが必要だ。どのような税になるか検討したい。」とシン。




