領地への移動
シン歴、7年。
割り当ての領地へ、続々と人が移動してゆく。
一応、予定していた領地の割り当てに応じて、3年前ぐらいから新天地への移動を許可した。
そういうわけで、2年後にはすでに3割の領民が、それぞれの領地に入植していた。
王城を含む直径2Kmの領域は王都と呼ばれ、学校や政の建物が増えていった。
王領には、親衛隊が治安部、兵糧隊が生産部、救援隊が保健部に改名し、その8割が各領主とともに移動していった。初等学校では、読み書きと算術を教え、専門学校では、農業、漁業、医師、魔術師などに特化した教育も取り入れていった。医師学校では、アランが教鞭にたち、エンダントが助手を務めていた。
王都の人口は、一時約に800人まで減少したが、第一次ベビーブームが修学するころには、2000人の子供たちの声が響き渡った。
一方、転移してきたときに、割り当てられた川沿いのテント村は、立派な領館ができている。そこで生活基盤をもったものは、その場でとどまり、もちろん、領館はそれぞれの領主の王都別邸となった。
別邸を含む領域には、領主の妻と子供を中心に町が形成され、オルバ町、ササキ町、マサカツ町、ブルグ町、エルンギ町と呼ばれるようになった。それぞれの人口も一時200人規模まで減少したが、子供ができると徐々に増えていった。
アマルガとエンダントは17歳になった。
この世界では結婚適齢期でもある。が、当の本人たちもそろそろかな考えている。
今日はパラレルワールド管理局のキーが2人の様子を見に来た。
彼女らもこの地に馴染んだのか、言葉も話せるようになった。
「ところで、君たちはは時空間渡航法に違反して、この状況となったよね。その後、法が改正されてね。産まれた星に戻ることが条件付きで許可されるようになったんだ。どうする? 」
「アマルガはね、好きな人が出来たんだって。だからどうかな?」
「それを言うなら、エンダントも救援隊長のアランに言い寄ってたじゃない。」
「でもね。帰りたい気持ちもあるの。でも帰っても誰も知った人がもういないんじゃないかって。」
「そうですね。故郷の星に帰っても、その身体では浦島太郎ね。」とアン。
「ここには、ワクワクするものがあるわ。 生まれた星は、管理だ管理だと言って自由がないもの」とアマルガ。
話は、右へ左へとなかなか決まらない。
アンが同年代なのか、ガールズトークに花を咲かせることになった。
「では、後日返事を聞きに来るから、今日はこれで帰る。 じゃあまたね。」とキーとアンは帰って行った。
2人の気持ちなんて、とっくに決まっていた。
遺伝子が異なっているはずだが、思い人と結婚して、なぜか、二人に子供ができたのだ。




