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一万人の転移  作者: 藤村 次郎
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王城を作る

シン歴2年 4月10日。

建国日から懸念になっていた、王城の建設を始めることになった。

城壁は必要ないが、王の住処と政の拠点として相応しい城は必要だ。

確かに、道や水路、区画割などをきちっと作っておかないと、いろいろ不便や効率が悪くなる。

ユキ姫とマサムネ、アランを入れて4人で素案を練った。


その結果。

直径500Mの円形を敷地として、石積みを廻らせる。高さは腰高で、単に境であることを目的とする。攻め入るものもいないので防御の機能は必要ない。

その中に、今はシンとユキ夫妻、マサムネのテントがある。その南側には本部テントがあって、続いて広場を作り、皆が参集できる場とする。ゆくゆくは市場を設ける。

石積みの、南側には親衛隊の居住区、その左側に兵糧隊、右側に救援隊が居座る。

それらを包み込むように、直径2Kmの囲いがある。杭が打たれているだけであるが。

その南には、川沿いにオルバ隊、エルンギ隊、マサカツ隊、ブルグ隊、ササキ隊が展開している。


 シン歴2年 11月20日。

2度目の秋の収穫祭が終わって、領民の手が空いたころを見計らって、王城の建設が始まった。

関係者一同が本部前に集合した。

「今日は、めでたくも快晴である。この位置に王城の礎を置き、今日より王城の建設を開始する。」

工事の無事を神に祈った。


そう、シンは魔法の手ほどきをしてもらって1年になるが、土いじりの域を出ない。使い物にならない。ジローの言うことには、素質が無いとのこと。


 東西100M、南北50Mの基礎を作る。建物に合わせて地下1M、幅1Mで掘って、その中に大きな石をセメントで固めながら積んでゆく。工期は1か月。セメントは、石灰岩が手に入ったので、それを炉で焼いて粉をつくった。

王館の基礎ができたら、その上に建物を建てる。資材の調達から始まって、2年はかかりそうだ。

とりあえず、仮の住まいを翌春までに作ることにした。

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