あの日の日暮里の先は?
今日は、キーとアンに来てもらった。
あの日の電車の先はどうなっているのだろうか、聞いてみた。
「電車は、老人の俺を乗せて日暮里に到着したのか? 」
「あそこで、2つに分かれています。そのまま日暮里に着く世界と、あなた抜きの到着の世界です。」
「なので、あなたが帰る場所はありません。」とアンが言う。
あのまま、俺はカレーを食べることができ、一方は捜索願が出され失踪扱いになったそうだ。
そうすると、俺は派生したもう一人ということになる。まあ会うことも無いのだから、日暮里に行った俺は、もう一人の俺を知る必要もないか。いや、そうではなくて、失踪した側で戻ってきたではダメなのか?
まあ、良いか。今はこちらでやることがある。
「で、転送までの本来の“シン”はどうなったのかな? 」
「12000人の身体と心は、この地に転送されてきましたが、“シン”の精神だけは、あの地に漂っています。いずれ然るべき媒体を探して、転移させます。」
「12000人より先に戦いに突入した兵たちはどうしているのだろうか? 」
「あの地では、タマロ軍の5万の兵は全滅したことになっています。残された人々も、それらを受け入れています。」とアン。
“シン”は導き手には相応しくないと言うことで置き去りにされ、俺を転移させたと。それはパラレルワールド管理局で再配したものではないとのこと。じゃあ誰が?




