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その後 その9 結末

今日は結婚式。

誰のって?

それは、もちろん…………



「おめでとう!」


「わあ、綺麗!」


「え!木内ってあんな顔だったのか!?」


「うおーー!!めちゃくちゃ可愛いじゃん!」



そうなのだ。

今日は楓ちゃんと新庄さんの結婚式。


結局楓ちゃんは新庄さんと別れることもなく、無事?大学卒業と同時に結婚することになった。

いろいろ、いや本当にイロイロあったけど新庄さんの愛の力だね。

なんだかんだ言っても楓ちゃんも幸せそうだから心から祝福するよ。

隣では奏多がブツブツ言っているのが聞こえる。


「何で新庄の方が先に結婚しているんだよ。なんかおかしくないか?」


まあ、新庄さんも楓ちゃんのことになると余裕がないようで、『早く結婚して、ずっと一緒にいられるようにしたいんです。』とか常日頃言っていた。

若干変態っぽく感じる言動もあるがイケメン補正で何とかなっていたようだ。

基本楓ちゃんもイケメン好きだからね。


今日の楓ちゃんはいつもの眼鏡は外し、コンタクトだ。

あの綺麗な顔がお披露目になったもんだから、招待客の高校時代の友人達も騒がしい。

楓ちゃんの横で新庄さんはいつも以上にイケメンスマイルを、楓ちゃんに向けている。

何なんでしょうあの美男美女のカップルは?

もう、周りの人達が眩しくって見ていられないぐらいだ。



どうやら今からブーケを投げるらしい。

受け取った人が次の花嫁になれるっていう例のアレだ。

私はそこまで興味があったわけではなかったんだけど、何故か奏多が乗り気で、『美羽、ブーケトスだよ、投げるってよ!さあ、早く前に行って場所取りして。木内なら絶対美羽に投げてくれるって。ちゃんとゲットして次こそは俺たちの番にしよう!あ、別に取れなくたって次は俺たちだよ!でも、縁起物だしさ。ああ〜〜投げちゃうよ。美羽頑張って。』という感じで送り出された。


周りを見れば同級生がいっぱい集まってきている。

こんなに早く結婚した人が他にいない為ほぼ友人連中は独身だ。

中には何故か男子もいる。

……まあ、男子が取っちゃダメっていうこともないよね。


そして、いよいよ楓ちゃんが投げるようだ。

みんな殺気立っている。

あ、これってこんな感じになるものなんだ。


私は奏多の手前一応前の方に来ている。

その時一瞬楓ちゃんと目が合った。

楓ちゃんが何か言っている。

あれは……『美羽ちゃん、トッテネ。』か。

うん、わかったよ。

せっかくの楓ちゃんのご好意、そして奏多の気持ちに応えるべく私は気合を入れた。



ポ〜〜〜〜ン

ブーケが投げられた。

楓ちゃんはコントロールが良いようで、そのブーケは真っ直ぐ私の手の中へと落ちてきた。

私はそれをしっかり受け止めることに成功。

その瞬間、私は奏多に抱き上げられていた。


「よーーし!!次の花嫁は美羽だね。もちろんその横に立つのは俺だよ。」


奏多は満面の笑みでそう言うと私を抱き上げながらクルクル回り始めた。

ちょ、ちょっと奏多〜〜、今日の主役は楓ちゃんだから。


「奏多、落ち着いて。ほら、花嫁より目立っちゃダメだよ。」


私はそう言って奏多を見た。

っう。

奏多はいつも以上に眩しい笑顔で私を見つめている。

そ、そんな顔で見ないでよ〜〜。

私はその笑顔にやられて奏多の顔が見ることが出来ない。

恥ずかしさのあまり奏多の胸に顔を押し付けた。


「っく!み、美羽さん?そ、そんな可愛い反応されたら俺は……」


何やら怪しい空気が流れた時後ろから声をかけられた。


「奏多様……申し訳ありませんが本日の主役は『我が妻』楓ですよ?美羽様とイチャイチャされるのは式が終わった後にして下さいませんか?」


うわ〜〜さっきまで楓ちゃんに見せていた顔が嘘のような変わりようだ。

若干奏多も怯えている。


「あ、す、すまん新庄。そ、そうだな!もちろん今日の主役は木内とお前だぞ。わかっている、わかっているからその顔やめてくれ。」


奏多が謝りようやく新庄さんも落ち着いた。

その様子を楓ちゃんが呆れたように見ている。


「本当、新庄さんを前にしたら魔王も形無しよね。」


楓ちゃんの言葉が新庄さんの耳に入ったらしく、新庄さんはターゲットを楓ちゃんに変えた。


「楓?今私のことを『新庄さん』と呼びましたか?おかしいですね〜、今日からあなたも新庄ですよ。」


新庄さんはそれはそれは綺麗な笑顔で楓ちゃんを追いつめていく。

これは蛇に睨まれたカエル状態ってヤツですか。


「ち、違うの!今のは、えーっと、その…………」


楓ちゃんは良い言い訳が思いつかないらしくますます追いやられている。

ゴメン!私にはどうすることも出来ないよ。

そして、新庄さんは楓ちゃんの耳元で何か呟いている。

すると楓ちゃんは一瞬にして顔が真っ赤になった。

一体何を言ったのかな?新庄さん。

気になるけど……聞けるわけがない。


「木内……頑張れ。お前の行動で新庄の機嫌が決まる。」


復活した奏多が楓ちゃんを拝んでいる。

楓ちゃんはお供え物なの?

そんなことをしていたら新庄さんがこちらを振り返った。


「奏多様、お約束通り私は明日から新婚旅行へ行ってきます。くれぐれも邪魔はしないで下さいね?」


奏多は無言で首を縦に勢いよく振っている。

まあ、この場合その対応が正しいね。


そして新庄さんと楓ちゃんは新婚旅行へと旅立った。

楓ちゃん……頑張れ。




その後、私と奏多も無事結婚し子供も生まれ幸せに暮らしている。

まさか私たちの子供と楓ちゃんのところの子供が恋仲になるなんて思いもしなかった。

それはまた別のお話。

お付き合いいただいた方々ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 25話まで読んで凄い甘い作品だと感じたけどスッキリした作品 [一言] 強いて言うなら奏多美羽の結婚式も砂糖多めで書いて欲しかったです
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