その後 その1
怒涛の婚約発表未遂事件から早一ヶ月経った。
その後の奏多と美羽はといえば…………
「美羽!この洋服も美羽に似合うよ!あ〜、こっちのもいいなぁ。それにこれも美羽にピッタリだ。何でも美羽に似合うよ。よし、これ全部くださ…」
「ちょ、ちょっと待って!奏多、そんなにいらないよ!しかも、全部私の予算オーバーだよ!!」
「何言ってるの?全部俺が買うんだよ。あーー、いいよね、こういうの。彼女を俺色に染めるっていうの?しかも大好きな彼女に似合う物を買うのって最高だよ。」
奏多が満面の笑みでアホなことを言っている。
あの一件以来奏多が吹っ切れたようだ。
私への好意を余すことなく伝えてくるようになりました。
それはまあいいんだけど、度が過ぎるよね?
「もう、奏多〜買いすぎだよ。こんなにどうするの?」
結局奏多の暴走は止まらず、試着した物を全部買っていた。
なんかイロイロとダメだとおもう。
「何言ってるの、デートの時に着てね。楽しみだなぁ〜。どれも美羽に似合うよ。そうだ!婚約発表の時のメイク担当に頼んでドレスアップもイイね。おしゃれなレストランで美羽とご飯…。なんて幸せなんだ。」
奏多の暴走に終わりは見えない。
これは話題でも変えないといつまでも続くね。
そういえば、ちょっと気になっていたことを聞いてみようかな。
「ねえ、奏多。ちょっと気になってたことがあるんだけど…。」
「うん、何?この後は久々のデートだから美羽パワーの充電をしたいと思ってるんだけど」
何ですか?前からきになってたけど美羽パワーって?
でも、それは触れないほうがイイような気がする。よしスルーしよ。
「あのね、あのパーティーの後、西尾さんとの会社とは揉めなかったのかな〜って。頭にきてたとはいえ私投げちゃったし…。」
奏多がちょっと悪い顔になっている。
ナンデスカ?
「美羽は気にしなくていいよ。って言っても気になるか…。まあ、結果から言うと取引はなくなったよ。でもそれは美羽のせいじゃないからね。もともとあの会場でも言ったけど、経営状態が危なかったんだ。んで、あんなこともあったから他の取引先も取引止めるところが続出してね。あのバカ親父は解任。んで、隠居してた爺さんがまた陣頭指揮を取ってるよ。もともと内の父さんと爺さんが懇意にしてたからの取引だったからね。また、取引するかもしれないけど直ぐには無理だね。」
あ〜、やっぱりあの西尾さんのお父さんは経営出来るような人ではなかったのですね。
まあ、あんなところでこんな小娘に掴みかかって投げられたらダメだよね〜。
「じゃあ、西尾親子は謹慎中なのね?」
「うーん、俺も噂でしか聞いてないけど親父の方は爺さんが四六時中監視しているみたいだね。んで、その妻は家を出たらしい。娘をどっかの金持ち親父に嫁がせるとか言ってたみたいだぞ。」
絵に描いたような崩壊状況で怖くなる。
私も関わりがあることだけにね。
「正直そこまでいっちゃうと申し訳ない気持ちもでてくるよ。」
「美羽は全く悪くない。元はと言えば俺が美羽に素直に気持ちを伝えていれば良かったんだし…」
奏多はその後満面の笑みで
「だから、俺はこれから美羽への気持ちは包み隠さず全部伝えるよ!どんなに俺が美羽を大事にしているかは語りつくせないからね。その都度伝えなきゃ!」
ロクデモナイこと言い出した。
タダでさえここ一ヶ月の行動、言葉が全部あっついのに。
「奏多さん…少しオブラートに包みましょうね。私、かなり恥ずかしいんですけど…」
「無理だね!だっておれの美羽を想う気持ちはドンドン溢れるからね。」
あー、残念なイケメン再来だ。
でも、結局はそんな奏多が愛おしくたまらない私も残念な人なのかな。




