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魔法で極める暗殺稼業  作者: マッスルアップだいすきマン
魔法で極める暗殺稼業
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異世界キャンプ

 俺たち3人は効率を重視し、パーティプレイを解消し、各々が各自で調査することにした。やはり生活リズムにズレがあるエマちゃんと行動を共にするのは無理がある。それに、俺が一刻も早く見つけてメカニズムを解明しなければならない。ということで、街から見て俺が北、ルカが北東、エマちゃんが北西を担当することになった。カトルの街で装備を揃えた。ルカは上位魔法で暖をとっており、エマちゃんはそもそも冷気耐性があるみたいだった。俺はカトルの街で防寒具を購入したが、これがまた獣臭いはネチョネチョするわで着心地が最悪だった。フードには普通ファーが付いているが、人間の髪の毛でできていて気持ち悪かった。中にはチン毛と思われる縮れ毛もまざっていた。それでも極北に向かうには贅沢は言っていられない。

 エマちゃん曰く、この近辺の魔物は匂いに敏感らしい。我々転生者はとにかく「臭い」らしく、滅多なことでは襲ってこないそうだ。

 「もし襲われたらバニシングでもかけてやれ。でもわらわは動物愛好家だから優しくしてあげてね。」


 俺たちはそれぞれの進路に向けて歩みを伝えた。逐次意思疎通できるように思念伝達リングを各々が付けた。

 寒冷地といえば針葉樹のはずだが、植生は熱帯雨林の様な樹海が広がっていた。向こうの常識は通用しない。中には意思を持った植物もおり、動物のように動き回るやつもいた。

 しばらく歩いて重要なことに気がついた。俺はマジックボックスを持っていない。食料や水はどうする?アホすぎる自分が嫌になった。が、ついぞ使っていなかったサーチングの能力を思い出した。「何か食えるもの」で森の中をサーチングをかけた。森のほとんどの木の実やキノコは食えるらしい。が、但し書きで「高確率で下痢をします」と書いてあった。小一時間サーチングをかけながら森を彷徨っていたら、川を見つけた。川といえど生水は危険だ。サーチングは怠らない。しかしこれは安全のようだ。飲めるとわかると急に喉が渇いてきた。俺は直で川に口を付けると一心不乱に飲み始めた。が、すぐに違和感を感じた。唇がチクチク痛い。川から顔を上げた。唇に微小な虫の様なものが付いていた。よく見るとエビだった。極小のエビがハサミで唇をつまんでいた。

 大きな魔物ならともかく、微小生物は手に負えない。が、サーチングしてみても無害らしい。「食えるのかな?」一瞬考えがよぎったが、俺は手ぶらだ。食器の類もない。しかし無いは無いなりに工夫するのがサバイバルではないか?

 

 これからはバニシング工作の時間をお届けいたします。今回はお鍋を作ろうと思います。まず、丸太を一本用意いたします。丸太がない場合は太い枝の両端をバニシングで飛ばして準備します。丸太が準備できたら、作りたい造形をイメージします。丸太の中からそのイメージが立体になるように重ね合わせます。そうしたら余分となるであろう部分をバニシングで飛ばします。するとあら不思議。木製のお鍋が完成いたします。一度に難しい場合は少しずつ削り出すイメージで飛ばしていくのがコツです。

 

 鍋で川の水を掬ってみた。水の中には微小なエビが大量にいた。向こうの世界では桜エビみたいなもんだ。今度はこれを料理したいが、火がない。ファイアボールの魔法でも使えたら良いが、そんな初級魔法ですら俺は使えない。ましてやライターもマッチもない。原始時代の木と木をこすり合わせるやつしか無いのか?

 ここも知恵と工夫で解決だ。どんな寒い場所にも地下の深い深度には地熱はあるだろう。その微妙な熱を集めて凝縮しておが屑に落とす。こんな発想ができるのは俺だけじゃないか?もっとも、成功してから誇るべきだが。

 地下5mくらいをイメージした。土そのものを取り出しても意味がないから、「熱」だけを分離しなければならない。熱分離実験で俺がした小便から熱を分離してみた。手もとに熱だけ分離するイメージをかけてバニシングしたら、手の上が人肌の熱を帯びた空気となった。熱分離は可能のようだ。しかし、肝心の地下5mから熱は無理だった。そもそも5m程度では大した熱量は無いのかもしれない。10m15m20m・・サーチングも駆使して探ってみたが、ほとんど地中温度は変わらないようだ。これは失敗か。初級魔法くらいは習得しておくべきだった。もう少し探ったら諦めて生で食おうと思ったが、地下30m地点で100度程度の高温、しかも水を見つけた。温泉だ。これはラッキーだ!熱分離なんて高度なことをしなくても温泉そのものを転送すれば済む。

 「飯だ!風呂だ!」

 地面を抉ってプールを作り、温泉を貯めた。それとは別に丸太を抉って風呂桶を作り温泉と川の水を40度前後になるように混ぜた。森の探索で疲れたのでまず入れたての風呂で疲れを癒した。風呂に入っている間に温泉で小エビを茹でた。茹でたエビはシャキシャキして美味かった。が、味付けがない。塩くらい欲しいものだ。が、塩分分離となるとまた手間がかかるし岩塩探しもむずかしいだろう。しょうがない。エビだけで我慢した。食事も終わったしキャンプだ。少なくとも屋根くらいは欲しい。丸太でクラフトもできるが、置くだけだからすぐ崩れるだろう。岩を成形してブロックを作るのもありだが、それも手間がかかる。床は木材の表面を削って並べて作った。丸太を地面に杭打ちするイメージで四隅に転送し柱を4本立てた。三角テントのイメージで4本の木材の頂点の端を結合させた。壁面は土で塗り固め、水分を抜いた。

 それなりに手間がかかったが、それなりの家ができた。日はとっくに落ちていた。今後はここを拠点に冒険をしよう。そう考え今日はもう寝ることとした。


 完全に睡眠に入っていた深夜2時ごろ、エマちゃんから念話が入った。


 「穴を見つけた。」

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