表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法で極める暗殺稼業  作者: マッスルアップだいすきマン
魔法で極める暗殺稼業
31/150

ウ◯コヴルゲーリ条約

 魔王は景気よく土下座をした割に、それからの交渉は難航した。よくよく俺をサーチしてみて疑念を抱いたようだ。


 「じゃあ、人間と魔人の関係はマサユキ以前のものに戻すということ、相互の干渉は極力さけること、揉め事は話し合いで解決すること。化外の村は人間界と魔人界の唯一の中継地点にすること。この4つの条件での停戦で良いな?」

 「マサユキが引っ掻き回した世界だからほぼ異論はない。ただ、マサユキを召喚したのもそちらの女神だし、もともとの原因は人間側にある。だったら、食料として人間1,000人くらいはくれたっていいんじゃないのか?」

 「お前は何もわかっていないようじゃの。こちらにはマサユキを討伐した井上がいるんじゃぞ!」

 「だから、その井上が信用ならないっていってんの!称号の信憑性は認めるよ?認めるけどさ、レベルも低いしゴミスキルしか持ってないじゃないか、その乞食は!」

 また乞食呼ばわりした。そろそろ俺の堪忍袋の緒が切れそうだ。

 「信頼を築きたかったら、証拠を見せろって言ってんの!証拠を!」

 魔王には、登場時の悪の権化みたいな風格はもはや微塵もなかった。ヤンキーだ。こいつは。車の接触事故を起こした際のヤンキーのゴネと開き直りのような示談交渉にはうんざりした。もう十分だ。

 「バニシング」

 俺が小声でつぶやいた数秒後、魔王の顔色がみるみると青くなった。俺は田中に用意してもらった青唐辛子を粉末にし、極小の粒子を魔王の胃腸へ大量に転送していた。たまらずトイレに駆け込む魔王。魔法上級者は常日頃から魔法防御壁を身辺に張って身を守るのが基本であるが、あらかじめこの砦に対魔結界を田中に張ってもらい、微小な隙間ができるようにしてもらっていた。魔王に気付かれないぐらいの微弱なものだが。

 待つこと数十分後、ようやく魔王がトイレから出てきた。

 「何が起こったか、全く理解できないが、称号は真実と信じよう。わかったから、もうマサユキ以前に戻すということで、交渉成立としよう。いろいろと悪かった。」

 魔王はまだ脂汗が止まらないようであった。


 交渉は成立した。契約が成立した瞬間の喜びを胸に、オフィスの窓から外を見つめていた。東京の街並みが夕日に染まり、俺の心も温かくなった。俺はこの成功が自分だけでなく、チーム全体の努力の結果であることを深く理解していた。その夜、俺はチームメンバーと共に祝賀会を開いた。皆が笑顔で乾杯し、成功を分かち合った。俺はスピーチを求められ、立ち上がった。

「皆さん、本当にありがとう。この成功は皆さんの努力と協力のおかげです。私たちは一つの大きな目標を達成しましたが、これは始まりに過ぎません。これからも共に新しい挑戦に立ち向かい、さらなる成功を目指しましょう。」

 拍手が鳴り響き、俺は感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。俺はこの経験を通じて、リーダーシップの重要性と、チームワークの力を再認識した。数週間後、俺は新しい市場でのプロジェクトを開始した。俺は自信を持って新しい挑戦に取り組み、チームと共にさらなる成功を目指した。俺のリーダーシップと交渉力は、会社全体にとって大きな財産となった。これからも多くの困難に直面するだろうが、俺はもう一人ではない。俺には信頼できるチームがあり、共に未来を切り開いていく力がある。俺の心には、常に「共に成長し、共に成功する」という信念が刻まれていた。

 

 ・・とかなんとか。こんな綺麗な青春ドラマチックな交渉成立だったらよかったよ。あるいは、、


 「なぜ…なぜここまでして戦うのだ…」魔王は苦しげに問いかけた。

 「俺は、世界を守るために戦っている。だが、戦いだけが答えではないはずだ。」俺は剣を引き抜き、魔王に手を差し伸べた。「共に新しい未来を築こう。」

 魔王は驚いた表情で俺を見上げた。彼の目には、初めて人間らしい感情が宿っていた。「私が…共に…?」

 「そうだ。過去の過ちを償い、新しい道を歩むことができる。」俺の言葉には、真摯な思いが込められていた。

 魔王はしばらくの間、俺の手を見つめていたが、やがてその手を取った。「分かった。私も変わることを望む。」

 俺と魔王は、共に城を出た。世界はまだ混乱していたが、二人の和解は希望の光となった。人々は驚きながらも、次第にその変化を受け入れていった。

俺と魔王は、新しい未来を築くために協力し、共に歩み始めた。俺たちの物語は、戦いではなく和解と共生の重要性を伝えるものとなった。


・・・みたいな王道RPGものにしてほしかった。

 水戸黄門ごっこして、脅して、下痢させて、契約なんて無茶苦茶だ!世界を救った実感なんてあるかー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ