第9話。強烈なボディーブロー
「お前はなぁ~国民的RPGのファイナルクエストをやったことはねぇのか?!この世はなぁ~歩くたんびに敵が現れるんだよぉ!エンカウント率がたけーのが資本主義社会だろーが!だからなぁ、お前が表を走るたんびに俺が現れてやるよ、モンスターの俺がな、くっくっく。俺が社会の厳しさをお前の体に教えてやる、男を誘うようなそのエロいボディーにな。へっへっへ。社会に出れば自分がどうしても興味を持てない人間共や、自分の価値観とは合わず尊敬できない人間共や、生理的に受けつけられない人間共、嫌いな人間共、どうしても許せない人間共、そんなのが幾らでもいるだろーが!人間は互いにそう感じながら生きているんだよぉ!そして!働けばバカを見る!まじめな人間はバカを見る!、アホらしいねぇ、働くのは。俺は絶対に働かんぞ!それよりなぁ、どうするんだ?ブルマーは?そのジャージをブルマーみてぇに切り刻まるのがいーのか、俺の数あるブルマーコレクションの中から選んで履くのか早く選べ!俺的にはなぁ、紺色のライン入りブルマーがお薦めだ!縦に白いラインの入ったブルマーだ!あれはまさにアート、芸術作品である!」
「あんたみたいなニートが偉そうに社会を批判しないでよ。私もこの世界は好きじゃないけどあんたみたいに働かないことを開き直って偉そうにしてるタイプは腹立つわ!働かないのならせめて大人しく暮らす事ね、ひっそりとね。働こうと思っていても働けずに苦しんでいる人の気持ちは私、とっても共感するけど、あんたみたいなタイプは最低だわ。それと、ブルマーブルマーってきもいんですけど!」
そう言い終えた瞬間、ドスン!と強烈な重い衝撃が走った。何が起きたのか一瞬理解できかった私。一瞬が永遠のように思えた瞬間。
「うっ!?」
「奴」の強烈なボディーブローが私のお腹にめり込んでいた。