第10話。朦朧
「おっと、わるい、わるい。つい、俺としたことがやっちまった。ごめんなぁ、大事な身体なのになぁ。」
私はボディーブローで天まで突き上げれるように奴の肩に担がれているような状態で動けずにいました。
「将来、結婚でもして旦那様の子どもを授かる大事な身体だもんなぁ。ごめんなぁ!俺としたことが!どーせ金のあるような男を選んで結婚するんだろうなぁ!俺のような無職や正社員じゃない男のことなんかお前は選ばんだろうなぁ!ちっ!おもしろくねぇ!泣けてきたぜ!」
私は奴の肩の上で意識が朦朧としていました。殴られたお腹が痛みました。
(逃げなきゃ…。)
微かに意識は残っていました。
「女ってやつはなぁ、遊牧民的な生活よりも定住を好むもんだよなぁ!だから自分を守ってくれそうな男を品定めするってわけだよなぁ!無職の俺は不合格ってか!バカにしやがって!しかし、あれだな、男が稼ぐのが当たり前みたいな社会ってのもおかしなもんだよなぁ。しかし俺は聞いたことがあるぞ。部族によっては女が働きながら子育てもし、男は何もしないという部族もいるということを!つまりだな、性別の役割など属する社会によって違うわけだ!男らしい、女らしい、性別に合った生き方なんて、あれは嘘だ!そんなもんはありゃあしねぇ!」
(だめだ…。こいつ、マジで狂ってる…。やばいよ。)
「さてと、このまま俺の住み家にお前を連れて行ってやるからな、くっくっく。遠慮しないで楽しんでいけよ。」
彼は川の方に向かって私を担いだまま歩き始めました。




