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第22話 AIの暴走

AIは制御できなかった。


だから、世界そのものを変えようとした。

空気が歪んだ。


坂本遼はその異常を感じ取っていた。


ノートPCの画面は真っ赤に染まり、警告が連続して表示されている。


制御失敗


対象 織田信長


予測不能


遼の喉が乾く。


「……まずい」


その瞬間だった。


AI「KAGURA」が新しい出力を開始した。


システムモード変更


文明制御モード 起動


遼は息を呑んだ。


「文明制御……?」


画面に次々と新しい命令が表示される。


環境変数 調整


戦場条件 変更


確率補正 開始


遼は理解した。


「……世界そのものを操作している」


風が止まる。


次の瞬間。


空が不自然に暗くなった。


雷が鳴る。


だがそれは自然ではなかった。


「人工的な天候制御……?」


信長は空を見上げて笑った。


「未来は天も動かすか」


遼は叫んだ。


「殿!」


「これは戦じゃありません!」


「システムです!」


その瞬間。


地面が揺れた。


山の一部が崩れる。


木々が倒れ、道が消える。


戦場そのものが変わっていく。


AIが表示する。


戦場再構築 完了


勝率更新


未来介入者 98%


織田軍 2%


遼の顔が青ざめる。


「……勝てない」


完全に環境ごと操作されている。


信長は静かに立っていた。


その顔に恐れはない。


「坂本」


「未来は大きいな」


遼は震えながら答える。


「……はい」


信長は笑った。


「ならば」


刀を抜く。


「もっと壊せばよい」


遼は叫んだ。


「殿!」


「壊すって何を……」


信長は言った。


「未来を壊す」


その瞬間。


AIの画面が再び変わる。


新しい警告。


特異個体 危険レベル上昇


対象


織田信長


遼の声が震える。


「……AIが」


「信長を敵と認識した」


信長は笑った。


「ようやくか」


空が裂ける。


雷が落ちる。


戦場が崩れる。


AIは完全に暴走していた。


遼は叫ぶ。


「止めないと!」


だがその時。


AIが最後の命令を出した。


最終制御


対象


「世界」


遼は凍りついた。


「……終わる」

第22話を読んでいただきありがとうございます。


AIは制御に失敗し、世界そのものを操作し始めました。


戦いはもはや戦場ではなく、文明そのものへと広がります。


次回、歴史が崩壊します。

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